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ハワイ体験レポート:離島を結ぶLCCゴー・エアラインに搭乗

  • 2008年10月9日
ハワイ体験レポート:離島を結ぶLCCゴー・エアラインに搭乗−日本での展開も視野に

ハワイの離島を結ぶゴー・エアライン(YV)は2006年6月、アリゾナ州フェニックスに本社を持つメサ・エアグループの子会社として誕生した。ゴー・エアラインの名前は、ホノルルに住んでいるとよく耳にするが、搭乗するのは今回が初めて。昨今のアロハ航空(AQ)の旅客便の運航停止などもあり、今後はYVを利用する機会が増加しそうだ。YVチーフ・マーケティング・オフィサーのジョー・ボック氏のインタビューでは、日本市場での展開にも言及している。(取材:堀内章子)


予約から搭乗まで−空港では駐車場が目の前に

 ゴー・エアライン(YV)が就航して2年が経つが、ホノルルにある日系の旅行会社が取り扱うホテルと航空券のパッケージは、現在もハワイアン航空(HA)のみ。YVを利用する場合、航空券とホテルを別々で予約する必要がある。今回はYVのウェブサイトから予約した。搭乗日時や目的地、人数など基本情報を入力すると候補のフライトが表示され、料金順や乗継時間が短い順など表示方法も選べるので希望に合ったフライトを簡単に見つけられる。その後の支払いまでの流れもスムーズだ。

 いよいよ搭乗当日、車を走らせ空港に向かう。ホノルル国際空港は、国際線ターミナルには国際線、「インターアイランド・ターミナル」には国内線のHAが乗り入れているが、YVはこのビルではなく別のビルの「コミューター・ターミナル」からのチェックインとなる。ハイウェイから右側の「Arrivals」のレーンを走り、国際線ターミナルビルを背にしてしばらく進むと到着する。コミューター・ターミナルの真向かいに駐車場があり、これはポイントが高い。というのも、国際線ターミナルの駐車場はいつも混雑しており、空いている駐車場から各エアラインのチェックインカウンターまでかなり歩かなくてはならない。日本からの旅行者の場合、空港でレンタカーを返却してから隣島に向かうので、オアフを拠点に日帰り、または1日程度のショートトリップでないと、駐車場を利用するケースは少ないかもしれないが、こうしたメリットがあることも追加しておきたい。

 さて、搭乗手続きは荷物を預けない場合、自動チェックイン機で事が済む。また、ウェブサイトでは24時間前までのチェックインも可能だ。荷物を預けるのであれば、対面チェックインカウンターへ。8月から、預託荷物は50パウンド(約23キログラム)までは1個10米ドル(約1050円)、2個目からは17米ドル(約1790円)。手荷物は無料なので、規定範囲内なら手荷物にすることをお勧めする。

 さて、カウンタースタッフから受け取った搭乗券を見ると、指定席ではなくオープン席という。手荷物チェックを終え、ゲート周辺にあるカフェで朝食を取りながら時間をつぶす。まわりを見渡すと、日帰り出張らしいローカルと、バケーションで隣島に向かう旅行者が多く、日本人らしき人は一人いるかいないか、そんな具合だ。しばらくすると搭乗の案内が流れた。ここは、搭乗橋がなく、搭乗ゲートで半券を渡し、そのあとは滑走路の脇、つまり外を歩いて行くことになる。200メートル程先に複数のゴー・エアラインの機体が待機しており、搭乗する便をどのように見分けるのか、不安を感じた。しかし近くまで行くと機体の前に行き先が表示された看板をみつけ、一安心。手前の機体が搭乗するカフルイ(マウイ)、隣の飛行機はヒロ(ハワイ)、反対の飛行機はリフイ(カウアイ)と、明確に表示してある。


いざ、機内へ

 YVの運航機材はすべてボンバルディアのCRJ-200型機だ。座席配列は2−2の1列4席で、50人乗りほどの小さなジェット機だ。フライトアテンダントは一人で、素敵な笑顔で乗客を出迎えてくれた。機内の通路を歩くと、やはりコンパクトな造りで、天井が少し低く感じた。オープン席のため、機内に入ると乗客たちは、思い思いの席に着く。

 機内サービスの飲み物はすべて有料で、ペプシ、ミネラルウォーター、オレンジジュースなどのソフトドリンクが1.5米ドル(約160円)、ビール、スターバックス・コーヒーは2.5米ドル(約260円)、そしてウォッカ、スコッチなどのアルコール類は3.5米ドル(約370円)。また音楽、映画、毛布や枕もない。飛行時間は約30分なので、一律のサービスはなくし、必要な人が利用する無駄のないスタイル。実際、搭乗した便で飲み物を注文する人はほとんどいなかったようだ。

 出発はほぼ定刻。みるみるうちにオアフ島を離れたかと思ったら、マウイ島キヘイの町並みが見えはじめ、25分ほどでカフルイ空港へ到着した。カフルイ空港では搭乗橋がつながり、滑走路を歩くことなく空港施設内にたどりついた。



インタビュー:ゴー・エアライン チーフ・マーケティング・オフィサーのジョー・ボック氏
2年以内の日本の旅行会社との契約をめざす


 YVチーフ・マーケティング・オフィサーのジョー・ボック氏によると、2008年10月現在、1日60便を運航しており、当分の間は減便の予定もないという。「ハワイは島国であるため、レジャーにもビジネス出張にも飛行機は不可欠だ。小さなジェット機であるため乗客の乗り降りにも時間がかからず、離発着の遅延が少ない。ホノルル空港の駐車場が目の前にあることも含めて、総合的に時間の短縮になり、特にビジネス客の利点になる」と強調する。もう一つのYVの強みは、連邦州政府や連邦州関連の人たちがビジネスで渡航する場合、YVを使うというGSA(US General Services Administration)を2007年10月から結んでいることだ。

 YVの日本人利用者は、現地の旅行会社である「ポリネシアン・アドベンチャー・ツアーズ」「ロバーツ・ハワイ」「ディスカバー・ハワイツアーズ」からの申し込みと、YVのホームページを通したFITの予約がほとんど。昨今、燃油サーチャージなどの影響もあり、日本やアメリカ本土のハワイへの旅行者数は弱含みに推移している。それでも「日本人旅行者は外国人マーケットのなかで最大規模を誇り、有望かつ期待したいマーケットである」とボック氏は語る。3月に予約ページを日本語に対応させ、7月には機内に日本語のセーフティカードを備え付け、日本語を話すフライトアテンダントも採用するなど、日本市場への展開に向けた基礎固めを進めてきた。現在、日本の代理店と契約を締結できるよう営業に注力しており、2年以内には大手旅行会社各社との契約をめざしている。ハワイアン航空(HA)の運賃にも注目しつつ、低料金、定時離発着を強みにハワイでの存在感を少しずつ強めていく考えだ。


▽YV日本語対応予約ページ
https://ww3.dotres.com/meridia?posid=94N7&action=requestAir&page=requestAirMessage_air&language=ja