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インド、政府が仏跡観光のインフラ整備に600万ドル超の援助、国際基準めざす

  • 2008年9月26日
 インド政府観光局はこのほど、旅行業界を対象に「インクレディブル・インディア・仏跡セミナー」を開催した。日本とインドは2006年に「日印観光交流拡大のための共同声明」を採択し、2010年に交流人口30万人の達成を目指している。インドへの日本人訪問者数は、2007年に前年比22%増の14万5538人で、05年から2年間で41.2%増と大幅に拡大している。一方、訪日インド人旅行者数は2006年に6万2505人となっている。インド観光省国際協力部のプラビール・チャクラバティー氏は、「インクレディブル・インディア・キャンペーン」の展開によるメディアへの露出や、実際に旅行した人のクチコミ効果が旅行者数の増加につながったとみている。

 観光素材として人気の高い主要仏跡はインド国内に22ヶ所あり、インド政府が600万ドル超(約6億3300万円)を投じて、国際的な基準に沿うよう周辺のインフラ整備などに注力している。特に、釈尊が初めて法を説いたサルナートがあるウッタル・プラディッシュ州、苦行の後に成道したブッダガヤがあるビハール州は観光客の人気が高い。このビハール州は、日本語ガイドやオペレーターの育成にも積極的に取り組んでいるという。そのほか、リキシャの料金トラブルを防ぐため前払い制システムの導入、聖地への物売りの入場規制などを進めている。

 参加者からは、パトナ空港からブッダガヤへの経路など仏教遺跡を周るツアーでは、道路環境が毎年変わるため、所要時間を読むのが困難であるとの指摘があがった。一度整備されたあとに雨などで荒れた場合に修復されずに放置されていることが多く、整備だけではなくメンテナンスの重要性を訴えた。これに対しビハール州担当者は、先ごろアジア開発銀行から400億円の融資が決定し、ルート整備にも努めていくと回答していた。


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