第15回ツアーオブザイヤーの最優秀作品の国土交通大臣賞にワールド航空サービスの「南ポルトガルの田舎とシントラの景勝の旅」が選ばれた。今回の表彰から、パッケージ旅行部門、市場拡大貢献部門、デスティネーション開発部門、ニューツーリズム開発部門の4部門でそれぞれグランプリを選出、その中から最優秀の商品を国土交通大臣賞に選出している。

　グランプリを受賞したワールド航空サービス常務取締役の松本佳晴氏によると、この商品は1月から2月中旬の6団体、120名の集客をしたという。営業的にはオフシーズン対策としていたものの、スイスインターナショナル（LX）のビジネスクラスを利用、現地のホテルやレストラン、ガイド、さらに顧客にも楽しんでもらえる工夫をしたものだという。ただし、ポルトガルは通常はリスボンから北を訪れる場合が多いが、大航海時代に栄えた南の地域に視点をあてたことも評価された。また、団体旅行でありながら、個人旅行の楽しみを加えた点として、要所の移動にローカルバスを用いるなどお仕着せの印象を減らしたことで、ツアー参加者からの評価で「個人旅行ではとてもできない旅を楽しめた」というコメントを得られたという。

　今回の応募数は全体で、昨年の102から113に増加。受注型企画旅行は6から4へ減少したが、海外の募集型企画旅行のエントリー数が昨年の78から86、国内についても18から23へ増加した。審査の総評では、「シニアに偏重すぎるきらいがある」などのほか、「旅行に興味を失いつつある市場に、旅の楽しさを喚起できるようなものが欲しい」といった意見もあったという。主催者側では来年度については、部門別の応募を促すこと、応募点数のさらなる増加、若年層の旅行商品の応募を促すという。


▽第15回ツアーオブザイヤー（部門／社名／商品名）
募集型旅行部門
・国土交通大臣賞、パッケージ旅行部門　ワールド航空サービス／南ポルトガルの田舎とシントラの景勝の旅
・市場拡大貢献部門　JTBワールドバケーションズ／陽光のアドリア海とバルカン半島の国々
・デスティネーション開発部門グランプリ　ジャルパック／グランドサークルを撮る旅9日間
・ニューツーリズム開発部門　フィンコーポレーション／デンマークの庭園フュン島　サイクリングとコペンハーゲン8日間
・審査員特別賞　エヌオーイー／イスラエルを知る旅10日間
ワールド航空サービス／オルビエートに暮らす旅
近畿日本ツーリスト／KNTチャーター便で行く　ゴールデンウィーク・ロタ
・特別協賛AIU賞　阪急交通社／アドリア海の真珠ドブロブニクとアルプスの瞳ブレッド湖　クロアチア・スロベニア・モンテネグロ10日間

受注型企画旅行部門　該当作品なし

国内旅行部門
・グランプリ　クラブツーリズム／専用チャーター機利用で南の島をスカイクルーズ　久米島と宮古・八重山諸島　感動の12島めぐり4日間
・審査員特別賞　昭和観光社　心と体のヘルスツアー　イン　蒲刈島