離島を観光で活性化 神戸運輸監理部と神戸大が連携

 人口減少などの問題から存続が危ぶまれる離島航路を観光で支えようと、このほど国土交通省神戸運輸監理部と神戸大学が連携し、兵庫県南あわじ市の沼島(ぬしま)で離島観光モデルづくり事業に取り組む。島民主体で意見を出し合い、地域が観光に持続的に取り組める土壌を醸成したい考えだ。

 沼島は淡路島の南約5キロにあり、人口は約600人。淡路島とを結ぶ航路が本土との唯一の交通手段で、将来的に島民の利用だけでは航路の維持は困難とされており、維持に向けた取り組みが急務となっている。

 今回の事業は、同監理部が、沼島の観光ボランティアガイドグループ「ぬぼこの会」から「島の子どもたちにつなげていける地域づくりがしたい」という声を聞き、神戸大学に連携を呼びかけた。

 調査や体験ツアー、地元との話し合いを経て観光モデルを作成するが、まずは地域が観光に取り組める仕組みづくりが目的。「島の皆さんが『すぐできること』を提案したい。継続的に、意欲的に取り組んでいける土壌をつくれれば」(同監理部の伊藤政美企画課長)。

 観光モデルは「沼島モデル」と名づけ、寺社など歴史遺産、ハモなど食の魅力のほか、地場産業の漁業体験と組みあわせたグリーンツーリズム、島めぐりなどを盛り込みたい考えで、来年1月に発表する。

 9月2日には同監理部、神戸大学、地元などでつくる委員会が発足。地元部会は9月10日に1回目が行われ、「難しいことはいきなりできない。まずはあいさつからしていこう」という意見があがった。

伊藤課長は「同様の悩みを抱える全国の離島活性化のモデルケースになれば」と意気込んでいた。

情報提供:トラベルニュース社