国交省、エア・カナダに行政指導、サーチャージ誤徴収で−JL・NHは返金開始

  • 2008年9月18日
 国土交通省は9月17日、エア・カナダ(AC)に対して「燃油特別付加運賃の誤徴収について」と題した文書で行政指導した。国交省はこの文書において、ACが国際的な航空運賃登録システム(ATPCO)に不適切な登録を行ったことで、一部航空会社、発券代理店で燃油サーチャージの誤徴収が生じたとしている。また、ATPCOは自社の運航する区間の運賃を正確に登録するのは各航空会社の責任とし、ACの運航区間で燃油サーチャージが二重に計上される登録を行い、他の航空会社からの照会を受けて2年間の長期にわたり、不適切な登録を修正せずに放置し、多額の誤徴収を招き、公共の利益に反する事態を生じたとしている。

 具体的には、2006年4月1日から2008年5月9日までの期間と2008年6月3日に、JLまたはNHを利用し、その接続でACの国内線、アメリカ/カナダ間などを同一の航空券で発券した場合に、ACの運航区間の燃油サーチャージ額が、誤ってACの太平洋区間の燃油サーチャージ額が適用されていた。この影響は、合計6676名、誤徴収の金額は1億252万1000円にのぼる。内訳は、JLの自社発券が107人の176万7980円、発券代理店でのJL便利用が4136人の6330万7340円。NHは、自社発券が476人の840万8930円、発券代理店は1957人の2903万6750人となっている。現在、両社ともに返金の準備を進めており、9月18日から10月31日までの期間に専用の問い合わせ窓口を設置、ホームページでの案内も開始した。

 なお、ACでは5月28日付け、および9月17日付けの書面で、ACやACの旅行代理店が発券する日本発カナダ行きの航空券には、正しい燃油サーチャージ額を適用していると説明。その上で、AC以外の航空会社で日本を出発し、旅程にACのカナダ国内線、あるいはカナダ/アメリカ間を含む場合は旅行者が過剰に負担している場合があるとし、該当者には当該チケットを発行した航空会社や旅行会社に連絡し、過剰請求分の払い戻しの可否を問い合わせるよう勧めている。ACでは「エア・カナダでは、これまでも日本発カナダ行に適用されるべき正しい燃油特別付加運賃を、発券の際お客様にご負担頂いて参りました」とコメントしている。