現地レポート:ラスベガス 砂漠地帯のワイン醸造所を訪れる
ワイン・デスティネーションとして注目のラスベガス
砂漠地帯のワイン醸造所を訪れる
北米屈指の有名レストランが集まるラスベガスは、ワイン・リストの充実度で北米一とも言われる。人口あたりのソムリエの数はアメリカで最も多い、という話も大げさではなさそうだ。しかし、ラスベガス郊外に「地ワイン」を楽しめる場所があることを知る人はまだ少ないだろう。ラスベガスからの日帰り小旅行のディスティネーション、あるいはデスバレーなどのツアー途中のランチスポットとしても活用できる「ファランプ・バレー・ビンヤード」を訪れた。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗、取材協力:ラスベガス観光局、ネバダ州観光局、大韓航空)
21世紀から始まったネバダのワイン史
ネバダ州のほとんどはモハビ(モハベ)砂漠に覆われ、年間の平均雨量は150ミリ以下。ワイン用のブドウ栽培に最適な条件とはいえない。このため、州内で育てられたブドウだけで作られるワインが商業ベースで販売されたのは、2001年になってから。ネバダ州のワインの歴史は21世紀に始まったのだ。この浅い歴史を一蹴することは簡単だが、本当のワイン好きならば「モハビ砂漠の強烈な太陽に育てられたワインって、どんな味わいなのか」と好奇心をそそられるに違いない。
現在、ネバダ州内で営業するワイナリーは3軒のみ。その数少ないワイナリーの一つがラスベガスから州道160号線で西へ約50分ほどにある「ファランプ・バレー・ワイナリー」だ。スプリング・マウンテンの山裾に広がるファランプの町に、がある。ファランプは1960年代まで電話線も引かれていない小さな街だったが、今はラスベガスの通勤圏内になり、人口が増えている。しゃれた住宅街を抜けるとブドウ畑が広がり、可愛らしい白いワイナリーが見えてくる。
目当てはアメリカン・ブルゴーニュ
ファランプ・バレー・ワイナリーが本格的にワインの出荷を始めたのは2006年のこと。すでに多くのワイン品評会で40以上のメダルを獲得し、その意欲的な姿勢が北米のワイン専門誌に高く評価されている。ただし、生産量は少なく、種類によっては年間数百ケースのみというものもある。このワイナリーを訪れなければ入手できない銘柄がほとんどで、他では味わえない「お気に入り」に出会えるか、大きな楽しみだ。
ファランプ・バレー・ワイナリーで、特にローカルに人気が高い品種はアメリカン・ブルゴーニュ。フランスのブルゴーニュ・ワインは酸味の効いた高貴な味わいと賞賛されているが、このワイナリーのアメリカン・ブルゴーニュは、やや甘みがありフルーティで香りも豊か。また、レアもののワインのコレクターをめざすなら、「2005年ネバダリッジ」を入手したい。これは、ファランプ・バレー・ワイナリー周辺のブドウ畑で育てられたジンファンデール種を使った赤ワイン。ネバダ州内のブドウだけで生み出された赤ワインとしては、史上初だ。100ケースしか生産されなかったため、希少価値が高い。
このワイナリーの試飲ルームは落ち着いた雰囲気で、くつろぎながらワインを選ぶことができる。ワインの製造過程やブドウ畑を見学するツアーが毎日午後12時30分、午後1時30分、午後3時30分の1日3回実施されているが、グループでの見学は随時、時間をアレンジすることができる。試飲室は20名ほどが入っても十分な広さがあり、駐車場には大型バスも駐車できる。
オアシスのようなブドウ畑で一休み
ファランプ・バレー・ワイナリーの周辺には、まるで砂漠のオアシスのようにブドウ畑がひろがり、大きな柳の木や果樹が涼しげな影を作っている。ワインの試飲の後は、ゆっくりと散策してみるのも良いだろう。
このワイナリーには、レストラン「シンフォニーズ」が併設されている。全米随一のレストランガイドとして知られる「ザガット・サーベイ」にも紹介されており、エレガントな雰囲気とゆきとどいたサービスで、ラスベガスから足を運ぶ人も多い。メニューはフランス風の料理が中心で、自社のワインとあわせることで「最上のハーモニー」を生み出すのが自慢。広いパティオもあり、屋外の芝生でのピクニックなどのアレンジも可能だ。
試飲ルームの奥には広々としたギフトショップもある。ここではワインはもちろん、ワインを楽しむための様々なグッズが用意されている。手描きの模様をほどしたワイングラスからブドウをデザインした一点物のアクセサリーまで、ワイン好きの人へのおみやげをここで選ぶのも楽しそうだ。
ファランプ・バレー・ワイナリーは、室内楽やジャズのライブコンサートとワインテイスティングを組み合わせたイベントなどのアレンジも可能。このため、企画次第では小旅行のディスティネーションとして、あるいはウェディングのレセプションなどに利用できる可能性が考えられる。また、レッドロック・キャニオンに近いことから、「軽いハイキングの後に、ワイナリーで食事と試飲」といった組み合わせもできるだろう。
▽ファランプ・バレー・ワイナリー
http://www.pahrumpwinery.com
砂漠地帯のワイン醸造所を訪れる
北米屈指の有名レストランが集まるラスベガスは、ワイン・リストの充実度で北米一とも言われる。人口あたりのソムリエの数はアメリカで最も多い、という話も大げさではなさそうだ。しかし、ラスベガス郊外に「地ワイン」を楽しめる場所があることを知る人はまだ少ないだろう。ラスベガスからの日帰り小旅行のディスティネーション、あるいはデスバレーなどのツアー途中のランチスポットとしても活用できる「ファランプ・バレー・ビンヤード」を訪れた。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗、取材協力:ラスベガス観光局、ネバダ州観光局、大韓航空)
21世紀から始まったネバダのワイン史
ネバダ州のほとんどはモハビ(モハベ)砂漠に覆われ、年間の平均雨量は150ミリ以下。ワイン用のブドウ栽培に最適な条件とはいえない。このため、州内で育てられたブドウだけで作られるワインが商業ベースで販売されたのは、2001年になってから。ネバダ州のワインの歴史は21世紀に始まったのだ。この浅い歴史を一蹴することは簡単だが、本当のワイン好きならば「モハビ砂漠の強烈な太陽に育てられたワインって、どんな味わいなのか」と好奇心をそそられるに違いない。
現在、ネバダ州内で営業するワイナリーは3軒のみ。その数少ないワイナリーの一つがラスベガスから州道160号線で西へ約50分ほどにある「ファランプ・バレー・ワイナリー」だ。スプリング・マウンテンの山裾に広がるファランプの町に、がある。ファランプは1960年代まで電話線も引かれていない小さな街だったが、今はラスベガスの通勤圏内になり、人口が増えている。しゃれた住宅街を抜けるとブドウ畑が広がり、可愛らしい白いワイナリーが見えてくる。
目当てはアメリカン・ブルゴーニュ
ファランプ・バレー・ワイナリーが本格的にワインの出荷を始めたのは2006年のこと。すでに多くのワイン品評会で40以上のメダルを獲得し、その意欲的な姿勢が北米のワイン専門誌に高く評価されている。ただし、生産量は少なく、種類によっては年間数百ケースのみというものもある。このワイナリーを訪れなければ入手できない銘柄がほとんどで、他では味わえない「お気に入り」に出会えるか、大きな楽しみだ。
ファランプ・バレー・ワイナリーで、特にローカルに人気が高い品種はアメリカン・ブルゴーニュ。フランスのブルゴーニュ・ワインは酸味の効いた高貴な味わいと賞賛されているが、このワイナリーのアメリカン・ブルゴーニュは、やや甘みがありフルーティで香りも豊か。また、レアもののワインのコレクターをめざすなら、「2005年ネバダリッジ」を入手したい。これは、ファランプ・バレー・ワイナリー周辺のブドウ畑で育てられたジンファンデール種を使った赤ワイン。ネバダ州内のブドウだけで生み出された赤ワインとしては、史上初だ。100ケースしか生産されなかったため、希少価値が高い。
このワイナリーの試飲ルームは落ち着いた雰囲気で、くつろぎながらワインを選ぶことができる。ワインの製造過程やブドウ畑を見学するツアーが毎日午後12時30分、午後1時30分、午後3時30分の1日3回実施されているが、グループでの見学は随時、時間をアレンジすることができる。試飲室は20名ほどが入っても十分な広さがあり、駐車場には大型バスも駐車できる。
オアシスのようなブドウ畑で一休み
ファランプ・バレー・ワイナリーの周辺には、まるで砂漠のオアシスのようにブドウ畑がひろがり、大きな柳の木や果樹が涼しげな影を作っている。ワインの試飲の後は、ゆっくりと散策してみるのも良いだろう。
このワイナリーには、レストラン「シンフォニーズ」が併設されている。全米随一のレストランガイドとして知られる「ザガット・サーベイ」にも紹介されており、エレガントな雰囲気とゆきとどいたサービスで、ラスベガスから足を運ぶ人も多い。メニューはフランス風の料理が中心で、自社のワインとあわせることで「最上のハーモニー」を生み出すのが自慢。広いパティオもあり、屋外の芝生でのピクニックなどのアレンジも可能だ。
試飲ルームの奥には広々としたギフトショップもある。ここではワインはもちろん、ワインを楽しむための様々なグッズが用意されている。手描きの模様をほどしたワイングラスからブドウをデザインした一点物のアクセサリーまで、ワイン好きの人へのおみやげをここで選ぶのも楽しそうだ。
ファランプ・バレー・ワイナリーは、室内楽やジャズのライブコンサートとワインテイスティングを組み合わせたイベントなどのアレンジも可能。このため、企画次第では小旅行のディスティネーションとして、あるいはウェディングのレセプションなどに利用できる可能性が考えられる。また、レッドロック・キャニオンに近いことから、「軽いハイキングの後に、ワイナリーで食事と試飲」といった組み合わせもできるだろう。
▽ファランプ・バレー・ワイナリー
http://www.pahrumpwinery.com
ラスベガスでワインを楽しむなら
ベラージオ−「ピカソ」
「ラスベガスならではの贅沢なワインを」という人には、分厚いワイン・リストが自
慢の高級レストランを勧めたい。最近のラスベガスは、グルメ志向の人たちをうならせ
るサービスが定着しており、北米屈指の有名店が次々とオープンしている。たとえば、
ベラージオ内の「ピカソ」は、本物のピカソの絵が何枚も飾られたフランス料理店。ワ
イン専門誌「ワインスペクテーター」でそのワインの品揃えを高く評価され、「グラン
ド・アワード」が授与された。ワインセラーには常時1400本以上のワインが用意されて
いる。
http://www.bellagio.com/restaurants/picasso.aspx
ウィン−「アレックス」
2008年の「ミシュラン・ラスベガス」で2ツ星に輝いたアレックスは、「世界で最も
高級なホテル」といわれるウィン・ホテルのメイン・ダイニング。ヨーロッパのシャト
ーを思わせるゴージャスな雰囲気のなかで、ブルゴーニュやボルドーの銘酒を味わえる
のもここならでは。ワイン・リストには日本では入手不可能なものも多く、「高級な
フランス・ワインのコレクションなら、ここが世界一」という声も聞こえるほどだ。
http://www.wynnlasvegas.com/index.cfm#dining/alex/
ベネチアン−バレンティーノ、マンダレーベイ−オレオール
イタリアのワインを中心に2200本以上のワインを揃える、ベネチアン内の「バレン
ティーノ」や、巨大なワインセラーがレストランの中心にそびえるマンダレーベイ内の
「オレオール」など、ワイン愛飲家には見逃せないレストランがたくさんある。いずれも
予約は早めにしないとテーブルの確保が難しいので要注意。服装にも要注意。特に男性
はジャケットとネクタイは必携だ。
・バレンティーノ
http://www.valentinorestaurantgroup.com/valentino_lasvegas/
・オレオール
http://www.aureolelv.com/