観光庁初代長官は?/トラベルニュース紙東西記者で放談

 観光庁の設置の10月1日が近づくにつれ、初代長官人事に関心が集まっている。「まだなにも決まってない」(花角英世観光政策課長)というのが本当のところらしいが、噂話ができるのも、あと1ヶ月。東西記者で占ってみる。

▽勝手に予測、候補は・・・
東京:業界内の長官人事への関心は高いね。取材先で尋ねると、みんなが答えを持っている。

大阪:こっちでも、この話題はけっこう盛り上がるな。総合観光政策審議官人事や、以前あった観光部長人事は、西ではまったく関心がなかったから、これだけでも観光庁効果かもしれへん。

東京:もう1つ、国交省幹部が最近しきりに、「開かれた観光庁」とか「民間との官民交流」と喋っていることも、噂話への参加者を増やしている。

大阪:谷垣国土交通・観光立国担当大臣も、就任会見で民間からの長官就任に言及しとったからな。週刊新潮もさっそく今週号で郵政公社総裁だった生田さんを候補にあげている。

東京:ちょうど1年ほど前、国交省は08年度の予算要求で観光庁設置を要求したんだけど、そのときの観光庁についてのレクチャーでは、他の省庁との職員の人事交流にさえ否定的だったから、それで省庁横断的な調整役ができるのか、がっかりしたけどね。

大阪:180度転換というわけやな。すでに鉄道会社や航空会社から人事交流の打診も来ていると聞いた。開かれた観光庁への期待というわけや。ほんで、東京で話題になっている初代長官候補は。

東京:観光業界からの声は、本保総合観光政策審議官というのが多いかな。前の総合審議官の柴田さんはJATAに異動になったし、面識ある人が多いのも理由だろうけど。

大阪:民間ちゃうやん。最初から省内で選ぶんなら、わざわざ民間の可能性を匂わせる必要はないがな。

東京:ポスト的には外局つまり観光庁の次長は本省の局長と同格だってさ。その意味では、本保さんが次長で、民間出身の長官を補佐する人事はありうる。

大阪:そう、民間に絞ってほしいわ。

東京:この前、観光庁設置に感謝する集いが、観光関連16団体の主催で、東京で開かれた。これまでなら日本観光協会が主催者代表だったけど、このときは日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)がその役を務めていた。会長の舩山龍二さんを候補にあげる人はいる。

大阪:民間登用にあたって谷垣大臣は「利害関係者以外で」と言ってるようやし、どうかな。それより、須田寛さんは。JR東海の相談役で観光立国推進戦略会議の座長代理。今、一番元気な中部圏の重鎮で、観光への情熱は誰もが知っている。JRの色も薄れてるし。

東京:同じ戦力会議メンバーで観光産業を離れるなら、千葉商科大学学長の島田晴雄さんもいるよ。観光立国を打ち出した小泉首相時代の内閣府特命顧問で、「住みたいまちは、訪れたいまち」という、観光まちづくりのスローガンをつくった人。

大阪:横山ノック、橋下徹知事を選ぶ大阪のノリで行くと、もう一声、花というかタレント性がほしいな。

東京:いつもそんな選び方して痛い目にあってるんじゃないのか。

大阪:しかし、民間といっても島田教授じゃ、世間的には誰も知らんぞ。こう、ビジット・ジャパン・キャンペーンの推進役として、世界にも顔が知られていて、リーダーシップがある人、そんな人はいないの。

東京:それなら一番相応しいのは、建築家の安藤忠雄はどう。世界的な建築家で、この人の作品を見ようと日本にくる旅行者も多い。海外に知人も多い。

大阪:香川県の直島なんか、そうや。安藤忠雄設計の地中美術館を見に、外国人がようけ来よる。安藤さんは関西人やしな。

東京:フィールドを少し広げて、いい観光立国を建築してもらおうよ。

大阪:うまいこと言うな。そういえば、もう1人おった。初代観光庁長官に相応しい職業の男。

東京:誰。

大阪:中田英寿、職業は旅人。観光にはぴったりや。ワールドカップサッカーを毎回、日本に誘致してもらう。MICE5割増はあっという間やで。ただ、旅に出てることが多いから、国会質疑なんかは難しいだろうな。


情報提供:トラベルニュース社