ハワイ・ライフ&カルチャー(4):旅で楽しむマウイの大地の恵み
旅で楽しむマウイの大地の恵み−ブランド野菜・名産物とその風土
今週末の8月23日、今年も「マウイオニオンフェスティバル」が開催される。今年で19回目を迎えるこのイベントは、毎年多くの観光客やロコたちが参加するフェスティバルとしても有名だ。主役のマウイオニオンは、ハワイのスーパーマーケットで普通のたまねぎが1ポンド(約450グラム)で約130円に対し、マウイオニオンは約350円とかなり割高(セーフウェイ8月14日時点)。それでも人気のある商品で、生で食べても甘みが感じられるほど。スライスして食べても、揚げてもよし。加熱しても味が落ちることは少なく、炒めることによってさらに甘みが増す。今回はたまねぎを筆頭に、マウイ島に訪れたら堪能したい名産物と、そのおいしさを生み出す秘密を紹介しよう。(文:堀内章子)
マウイオニオンの産地、ハレアカラ山麓のクラ
マウイオニオンの主要な産地はマウイ島の中でも「クラ」という町。ハレアカラ山麓の斜面を利用した畑による栽培をしている。クラは標高900メートルの高地のため、日中は乾燥していて穏やかな気候であるが夜は涼しいという気候と、肥沃な火山土から成る豊かな土壌に恵まれた農業に適している場所。ここではオニオンだけではなく、キャベツ、レタス、ポテト、トマト、かぼちゃ、イチゴなど多くの野菜やフルーツを生産している。特にマウイのイチゴは日本のイチゴのように大変甘い。ロイヤルハワイアンセンターをはじめ、ホノルルに数店舗を展開する日本人がプロデュースする「サチューラ・ケーキ」で販売するストロベリーショートケーキのイチゴも実はマウイ産なのだ。
ハレアカラ火山は降雨量が多いことでも知られ、風上側の山肌に広がる熱帯雨林では、年間3メートルから10メートルもの降水量を記録する。このマウイ島の火山灰を含んだ豊かな土壌、暖かい気候、降雨量の多い山岳地帯から流れてくる水、そしてハワイ特有の貿易風(トレードウィンド)が農業に適しているのだ。
マウイの代表的な農作物は−さとうきび、パイナップルなど
カフルイからマアラエアまでの一帯は、まさにイメージどおりのサトウキビ畑がずっと広がっている。このセントラル・マウイは都市部であると同時に、豊かな農業地帯でもある。さとうきびから作るマウイゴールドシュガーは光沢があり、色もまさしくゴールド。時間をかけて作られた砂糖の味わいは、豊かなものである。
現在、世界各国が取り組んでいるガソリン以外の代替エネルギーとして、さとうきびカラエタノールを生産する動きがあり、ここでもハワイアン・コマーシャル&シュガー(C&S)とゲイ&ロビンソンが砂糖を使ったエタノール生産を研究しており、今後、大きな可能性を秘めている産業の1つだろう。
ハワイ州の農作物における2006年の売上高は、種子作物が約98億円で前年の2位からトップとなり、その後パイナップル、さとうきび、マカデミアナッツ、コーヒーと続く。その中でマウイの代表的な産物を紹介しよう。
・パイナップル
マウイ島ではこれまでの一般的なパイナップルに替え、バラエティに富んだパイナップルの生産に移行している。甘く、低酸度のパイナップルとして知られる“マウイ・ゴールド”はマウイランド&パイナップルカンパニーが改良を重ねた人気の一品だ。
・コーヒー
コーヒーは順調に伸びている品目の1つだ。以前ハワイ島だけで生産されていたコーヒーが、今ではマウイ島でも生産している。また、モロカイ島も100%モロカイ産コーヒーを発売し、人気を集めている。
・大根
ハワイのスーパーで売られている大根は、大半が地元産だ。マウイで取れる大根はそのまま「マウイ沢庵」としてスーパーで売られるほど、長く親しまれている。
・花
食用ではないが、花の栽培もさかん。ラベンダーはアロマセラピー用のオイル、石鹸、乳液やクリームなどのスキンケア製品も作れる。多くの人々がストレスを抱える今日、需要は増える兆しだ。オーキッド、プロテア、アンスリームなどもある。
・ハーブ
バジルやコリアンダーなどが増加。世界中で健康志向の人たちが増加し、ハーブの需要が増え、生産も伸びている。
ハワイ農務省認定の「Seal of Quality」をチェック
現在、ハワイでは地元産の野菜や果物を食べようという“Buy Fresh, Buy Local”というキャンペーンを展開中である。(1)安心、安全、(2)新鮮なものを買うことによる味の保証、(3)地元の農業の活性化につながるという3つの理由から、地元産への回帰を促している。日本で言う「地産地消」だ。実際、買い物の傾向は、スーパーマーケットからファーマーズマーケットへと変化してきており、マウイではマウイ−ホノコワイ、マウイ−キヘイ、マウイフレッシュプロジュースファーマーズマーケットなど、連日どこかで開催されている。旅行中にこうしたマーケットが開催されていれば、ぜひ立ち寄ってみたいところ。
これとは別に“Seal of Quality”と題して、ハワイ農務省が一定の基準をクリアした農産物に対してハワイ州としてSeal of Qualityのシールを貼ることを認める審査を始めた。認められたものはいわばプレミアム商品で、現在38の会社の商品が認可を受けている。生鮮類は100%ハワイ産でなくてはならず、加工品も51%以上がハワイ産であることが最低条件。それ以外の審査も厳しいとハワイ農務省の担当者は話す。マウイで認定されている商品は、コーヒーオブハワイ、パラダイスフラワーファームズ、アリイ・クラ・ラベンダーの3社。タイムシェアでの滞在などでは、こうした生鮮食品を含み、ハワイを感じるひとつとして、また、おみやげ選びの批評の一つとしても使えそうだ。ぜひ、スーパーやマーケットでこのシールに注目したい。
今週末の8月23日、今年も「マウイオニオンフェスティバル」が開催される。今年で19回目を迎えるこのイベントは、毎年多くの観光客やロコたちが参加するフェスティバルとしても有名だ。主役のマウイオニオンは、ハワイのスーパーマーケットで普通のたまねぎが1ポンド(約450グラム)で約130円に対し、マウイオニオンは約350円とかなり割高(セーフウェイ8月14日時点)。それでも人気のある商品で、生で食べても甘みが感じられるほど。スライスして食べても、揚げてもよし。加熱しても味が落ちることは少なく、炒めることによってさらに甘みが増す。今回はたまねぎを筆頭に、マウイ島に訪れたら堪能したい名産物と、そのおいしさを生み出す秘密を紹介しよう。(文:堀内章子)
マウイオニオンの産地、ハレアカラ山麓のクラ
マウイオニオンの主要な産地はマウイ島の中でも「クラ」という町。ハレアカラ山麓の斜面を利用した畑による栽培をしている。クラは標高900メートルの高地のため、日中は乾燥していて穏やかな気候であるが夜は涼しいという気候と、肥沃な火山土から成る豊かな土壌に恵まれた農業に適している場所。ここではオニオンだけではなく、キャベツ、レタス、ポテト、トマト、かぼちゃ、イチゴなど多くの野菜やフルーツを生産している。特にマウイのイチゴは日本のイチゴのように大変甘い。ロイヤルハワイアンセンターをはじめ、ホノルルに数店舗を展開する日本人がプロデュースする「サチューラ・ケーキ」で販売するストロベリーショートケーキのイチゴも実はマウイ産なのだ。
ハレアカラ火山は降雨量が多いことでも知られ、風上側の山肌に広がる熱帯雨林では、年間3メートルから10メートルもの降水量を記録する。このマウイ島の火山灰を含んだ豊かな土壌、暖かい気候、降雨量の多い山岳地帯から流れてくる水、そしてハワイ特有の貿易風(トレードウィンド)が農業に適しているのだ。
マウイの代表的な農作物は−さとうきび、パイナップルなど
カフルイからマアラエアまでの一帯は、まさにイメージどおりのサトウキビ畑がずっと広がっている。このセントラル・マウイは都市部であると同時に、豊かな農業地帯でもある。さとうきびから作るマウイゴールドシュガーは光沢があり、色もまさしくゴールド。時間をかけて作られた砂糖の味わいは、豊かなものである。
現在、世界各国が取り組んでいるガソリン以外の代替エネルギーとして、さとうきびカラエタノールを生産する動きがあり、ここでもハワイアン・コマーシャル&シュガー(C&S)とゲイ&ロビンソンが砂糖を使ったエタノール生産を研究しており、今後、大きな可能性を秘めている産業の1つだろう。
ハワイ州の農作物における2006年の売上高は、種子作物が約98億円で前年の2位からトップとなり、その後パイナップル、さとうきび、マカデミアナッツ、コーヒーと続く。その中でマウイの代表的な産物を紹介しよう。
・パイナップル
マウイ島ではこれまでの一般的なパイナップルに替え、バラエティに富んだパイナップルの生産に移行している。甘く、低酸度のパイナップルとして知られる“マウイ・ゴールド”はマウイランド&パイナップルカンパニーが改良を重ねた人気の一品だ。
・コーヒー
コーヒーは順調に伸びている品目の1つだ。以前ハワイ島だけで生産されていたコーヒーが、今ではマウイ島でも生産している。また、モロカイ島も100%モロカイ産コーヒーを発売し、人気を集めている。
・大根
ハワイのスーパーで売られている大根は、大半が地元産だ。マウイで取れる大根はそのまま「マウイ沢庵」としてスーパーで売られるほど、長く親しまれている。
・花
食用ではないが、花の栽培もさかん。ラベンダーはアロマセラピー用のオイル、石鹸、乳液やクリームなどのスキンケア製品も作れる。多くの人々がストレスを抱える今日、需要は増える兆しだ。オーキッド、プロテア、アンスリームなどもある。
・ハーブ
バジルやコリアンダーなどが増加。世界中で健康志向の人たちが増加し、ハーブの需要が増え、生産も伸びている。
ハワイ農務省認定の「Seal of Quality」をチェック
現在、ハワイでは地元産の野菜や果物を食べようという“Buy Fresh, Buy Local”というキャンペーンを展開中である。(1)安心、安全、(2)新鮮なものを買うことによる味の保証、(3)地元の農業の活性化につながるという3つの理由から、地元産への回帰を促している。日本で言う「地産地消」だ。実際、買い物の傾向は、スーパーマーケットからファーマーズマーケットへと変化してきており、マウイではマウイ−ホノコワイ、マウイ−キヘイ、マウイフレッシュプロジュースファーマーズマーケットなど、連日どこかで開催されている。旅行中にこうしたマーケットが開催されていれば、ぜひ立ち寄ってみたいところ。
これとは別に“Seal of Quality”と題して、ハワイ農務省が一定の基準をクリアした農産物に対してハワイ州としてSeal of Qualityのシールを貼ることを認める審査を始めた。認められたものはいわばプレミアム商品で、現在38の会社の商品が認可を受けている。生鮮類は100%ハワイ産でなくてはならず、加工品も51%以上がハワイ産であることが最低条件。それ以外の審査も厳しいとハワイ農務省の担当者は話す。マウイで認定されている商品は、コーヒーオブハワイ、パラダイスフラワーファームズ、アリイ・クラ・ラベンダーの3社。タイムシェアでの滞在などでは、こうした生鮮食品を含み、ハワイを感じるひとつとして、また、おみやげ選びの批評の一つとしても使えそうだ。ぜひ、スーパーやマーケットでこのシールに注目したい。
●マウイの味を楽しめる現地ツアー、レストラン
旅行先で「食」にテーマを絞った少人数のグループツ
アーに参加してみてもおもしろい。グルメツアー「ツー
ル・ド・フード・マウイ」は、現地で食通として有名な
ボニー・フリードマンによる案内でレストランやスナッ
ク・スタンド、市場だけでなく、生産者を訪問するツア
ー。そのほか、前述のマウイ・ゴールドを極める「マウ
イ・ゴールド・パイナップル・ツアー」もお勧め。全米
で唯一、リゾート施設を併設したマウイ・パイナップル
・カンパニーの畑で、栽培過程やパイナップル産業の歴
史を学ぶことができ、採れたてのパイナップルを味わえ
る。自分で選んだパイナップルをおみやげとして持ち帰
れる。
・ツール・ド・フード・マウイ
TEL:(808)242-8383
E-MAIL:mauigp@aol.com
・マウイ・ゴールド・パイナップル・ツアー
TEL:(808)665-5491
HP:http://www.mauipineapple.com
ランチやディナーなら、より気軽に楽しめる。マウイ
には地元産の食材を使ったメニューを提供するレストラ
ンが増えており、グリルやフレンチなど料理のバラエテ
ィも豊富なので、好みにあわせてその味を楽しめる。例
えば、フロント・ストリートのビーチ沿いにある老舗の
シーフード・レストラン&バー「キモズ」はオープンエ
アのテラス席があり、近海であがったマヒマヒやロブス
ターを提供する。また、カパルア・リゾートのコンテン
ポラリー・パシフィック・キュイジーヌの店「パイナッ
プル・グリル」も野外パティを備え、周囲の景色ととも
に魚介類や農産物など地元の味を堪能できるとして人気
を集めている。
・キモズ(Kimo’s)
住所:805 Front St. Lahaina
TEL:(808)661-4811
・パイナップル・グリル(Pineapple Grill)
住所:200 Kapalua Drive, Kapalua
TEL:(808)669-9600