日本航空、第1四半期の経常損益は39億円の黒字転換−営業費用が8.1%減

航空運送事業では、売上高が61億円増の4281億8700万円、営業利益は142億円増の33億7800万円であった。国際線旅客事業については、収入が4.8%増の1804億円となった。ハワイ線やインバウンド需要が旺盛な韓国線の需要が前年を上回ったものの、供給減や観光需要の伸び悩みなどから中国線、欧州線、太平洋線、オセアニア線、東南アジア線、グアム線で前年割れ。この結果、座席供給量を表す有効座席キロ(ASK)の3.5%減に対して需要を表す有償旅客キロ(RPK)は5.7%減となり、有償座席利用率を表すロードファクターは1.5ポイント減の66.3%となった。一方、ビジネス需要の拡大や高収益路線へのシフト、運賃と燃油サーチャージの改定などにより、単価は11.2%増となった。
営業費用は、燃油価格の高騰に対して機動的なヘッジや燃費効率の向上などの取り組みを実施したほか、グループ全体での費用削減や子会社が連結対象から外れたことなどにより、8.1%減の4864億円となった。このうち航空運送事業は81億円減の4248億円で、このうちの燃油費は36億円増の1011億円。燃油費は市況価格の上昇により524億円増加した一方、円安の効果で201億円減、ヘッジで228億円減、使用量を5%減としたことで59億円減とし、上昇を36億円に抑えた。
年度の業績見通しは、5月9日に発表した内容から変更しない。景気減速やレジャー需要の停滞などの影響で収入の減少を見込むものの、夏のパッケージ商品の追加投入やスペシャル運賃を設定し、需要を喚起していく方針。費用については、燃油価格の想定を当初の110米ドル(約1万2000円)から160米ドル(約1万7500円)に変更し、これにより、燃油費は通期で当初想定より220億円増の5320億円となる予想。この増加分は燃油サーチャージの改定で吸収する方針だが、「今までのような上昇率で値上げするのは、今のマーケットや観光需要を考えると難しいため、慎重に検討していきたい」(JL資金部長神宮寺勇氏)考え。また、同日に発表した路線再編の効果については、国際線と国内線それぞれ年間ベースで60億円ずつの収支改善を見込んでいる。
なお、旅行企画販売事業は売上高がジャルパックの為替の影響による減収を受けて96億円減の797億7300万円、営業損失は2億円悪化の13億6800万円となった。