里山とアートを巡る「越後妻有 大地の祭り」始まる

 「2008夏 越後妻有 大地の祭り」が8月1日、新潟県の十日町市、津南町の760平方キロメートルという広大な会場を舞台に始まった。2000年に始まり、来年4回目を迎える「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」の「前夜祭」とも言えるもので、里山をめぐりながら160を超えるアート作品や地元集落のお祭り、空き家や廃校でのコンサート、ワークショップを巡る。期間は8月31日まで。

 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレは、「アートを道しるべに里山を巡る旅」として、回を数えるごとに人気が高まっている。

 棚田や広場に置かれた現代アートや、「脱皮する家」などの人気作品だけでなく、空き家や廃校を使った作品、「たくさんの失われた窓のために」「最後の教室」といった作品など、過疎や限界集落として切り捨てられようとしている地域の現実と、そこに多くの人々が生きてきた軌跡を伝えようとする作品など、胸を打つアートも多い。

 また、作品そのものだけでなく、作品づくりへの参加や、作品作りを通じてのアーティスト、地元住民、都会の住民との交流が、それぞれに活力を与える、新しい観光交流のあり方としても注目を集めている。

 前回、2006年には40カ国203組のアーティストが参加するなど、国際的な芸術祭としての評価も高く、期間中35万人が来訪した。

 今夏の大地の祭りでは、アートトリエンナーレに出展され、その後、屋外を中心に常設展示されている160以上のアートを巡りながら、各地で行われるイベントに参加する。

 イベントは「遺影撮影ワークショップ」「和紙であかりをつくろう」「カボチャの空に、民話の星々」「シンポジウム農村における怪と談」「モノノケカンコウのススメ」「落ち葉の下のいきもの展」「峠の運動会」「里山かくれんぼ」「土壁ワークショップ」など様々。会場への入館料やワークショップ参加費がかかる。

 アート作品は、ほとんどが無料だが、1割程度の作品は観覧料が必要。会場も広範囲なことから、多くの作品やイベントを訪ねたければ、ガイドマップ(100円)とパスポート(大人2000円)を購入し、じっくり巡るのがお勧め。エリア内の十日町駅やまつだい駅など主要駅や道の駅、作品展示会場などで購入できる。

 初めて訪れる人や効率よく回りたい人向けには、土日とお盆期間に、日帰りバスツアーが数コース用意されている。越後湯沢駅発着で、人気の「光の館」「繭の家」「最後の教室」「脱皮する家」の幾つかを回るバスツアーは大人4000円、子ども3000円。

 詳しくは大地の祭りHPで。


情報提供:トラベルニュース社