JR四国「アンパンマン列車」が好調

 アンパンマンにばいきんまん、ドキンちゃん・・・アニメ「アンパンマン」のキャラクターが描かれたカラフルな列車が四国を快走する。JR四国の「アンパンマン列車」は2000年の運行開始以降、着実に利用者数が増加。続々と新車両を登場させるなど毎年施策を打ち出すことが成果に結びついている。

 アンパンマン列車は、沿線観光客の誘致や輸送量が減少していた土讃線の集客施策の一環として、高知県出身の絵本作家・やなせたかしさん原作のキャラクターを起用し、00年10月に運行を開始。予想以上に好評で、その後予讃線、夏場は瀬戸大橋線にアンパンマントロッコ、土休日や春・夏・冬休みは高徳線・徳島線にゆうゆうアンパンマンカーを登場させ、今では四国全県で20両のアンパンマン列車が走る。

 07年のアンパンマン列車の乗客数は土讃線が41万人、予讃線が81万人。座席にアンパンマンが描かれたアンパンマンシート(予讃線)は1万6000人、ゆうゆうアンパンマンカーも1万1000人が利用した。いずれも前年並みの利用で、JR四国販売促進課は「好調を維持」と見ている。

 スタンプラリーの実施やアンパンマン弁当・パンの販売などオプションも揃う。弁当は05年の1億円から07年は1億8000万円になるなど急激に売上を伸ばしている。

 好調の要因について、同課は「マスコミで紹介されていることや、毎年施策を講じることによる全国的な知名度の浸透」を挙げる。関西や中国のほか関東からの乗客も多く、リピーターも増えてきているという。

 また、家族連れを中心に鉄道を利用せずマイカー旅行をしていた人からの問い合わせが目立つなど、新規客開拓につながる好影響をもたらした。

 同課の真鍋充生さんは「『JR四国のアンパンマン列車』というイメージも定着し、今では営業のひとつの柱になっています。今秋には土讃線にアンパンマンシートの導入を予定するなど、毎年何らかの施策を打ち出す方向性を継続していきます」と話している。

情報提供:トラベルニュース社