300人が大阪締めと花火に酔う、OATA・天神祭船渡御貸切船

 日本三大祭りのひとつ天神祭の「船渡御(ふなとぎょ)」が7月25日に行われ、大阪市内を流れる大川に約100隻の船が行き交った。協同組合大阪府旅行業協会(OATA、徳原昌株理事長)の貸切船には300人が乗り込み、ほかの船とすれ違うたびに「打ちまーしょ」で始まる大阪締めをし合い、川面から5000発の奉納花火を見上げた。

 OATAが貸切船を始めて3年目。通常は、祭りの関係者らしか乗船、参加できない船渡御に、旅行業者として唯一貸切船を出し一般参加を受け付けた。1人3万5000円という高額にもかかわらず、例年、春先に売り出し早々に完売する人気だ。

 船渡御は、天満宮が祭る菅原道真公ら神様が乗る奉安船、それに従う供奉船、手漕ぎで自由に動き回るどんどこ船など様々な船が大川・天神橋と飛龍橋の間を上下する。能船や文楽船、落語船も行き交う。それぞれの船上はお囃子などを行い賑やかで、他船とすれ違うと大阪締め。花火見物に来た橋の上の人たちとも大阪締めをやり合う。奉安船とすれ違う時だけは音が鳴り止み、奉安船に向かって静かに参拝するのがならい。また、橋には欄干にベニヤ板が張られている。これは神様を上から見下ろさないようにするため。花火は、奉安船の運航にあわせて打ち上げられる。

 この日は、夕方になっても35度を超える暑さ。船渡御には2万人が参加し、見物客は100万人を超え、船と花火の競演を楽しんだ。

 OATAでは「大阪版・着地型企画旅行の主力商品として、基幹事業として継続していきたい」とし、?全旅の協力も得て全国規模で販売したい意向だ。


情報提供:トラベルニュース社