山陰海岸、日本初の「世界地質遺産」へ

 山陰海岸ジオパーク推進協議会(中貝宗治会長=兵庫県豊岡市長)は7月17日、世界ジオパークネットワークへの申請地域を決定する「日本ジオパーク委員会」へ申請書を提出した。京都府京丹後市の経ケ岬から鳥取市の白兎海岸まで東西約110キロメートルの山陰海岸国立公園を中心としたエリアで、日本で初めての“地質の世界遺産”加盟を目指す。

 ジオパークは、地質遺産を保護し研究に活用するとともに、教育や地域の振興に生かすことが目的で、世界ジオパークネットワークは2004年にユネスコの支援で設立した。現在、中国やヨーロッパなどで57カ所が加盟している。

 山陰海岸には、日本列島がアジア大陸の一部だった地層(鬼門崎=兵庫県新温泉町・浦富海岸=鳥取県岩美町など)をはじめ、大陸から分裂が始まったころの地層(屏風岩=京丹後市など)、日本海が拡大を続けた時代の地層(はさかり岩=豊岡市など)といった貴重な地質遺産が現存する。特に、兵庫県香美町の鎧の袖は日本列島の形成が一目で分かる岩層が残っているそうだ。

 10月には国内で3候補地が決まり、早ければ12月にも世界ジオパークネットワークに申請する。その後、審査を経て、09年10月ごろには認証される予定。

 鳥取県や兵庫県、京都府など38団体からなる推進協議会では、ネットワークの加盟で世界的な知名度が高まり、観光や産業の起爆剤になるものと期待している。


情報提供:トラベルニュース社