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ハワイ体験レポート(25)−異国情緒がロコに人気のフェスティバル

  • 2008年6月19日
異国情緒がロコに人気のフェスティバル
〜ハワイに咲く環太平洋の文化、まつり・イン・ハワイ〜



 太平洋の中心にあるハワイ。そのまわりを取り囲むいくつもの国々との交流を目的にしたイベント「まつり・イン・ハワイ、パンパシフィック・フェスティバル」が、6月6日から8日の3日間、オアフ島のワイキキとアラモアナで開催された。今年で29回目を数える恒例のこのイベントは、実はロコたちにも大人気。ハワイにいながら環太平洋の国々の文化に触れられるという意味で、他のイベントとは一味違った趣きがあるからだ。実際にイベントに参加してみた。






日本人もロコも、米本土の観光客も、一緒に盛り上がる

 「まつり・イン・ハワイ」で、最も多くの観客が訪れたのが、初日の「ワイキキ・カーニバル/ブロック・パーティ」。午後7時から午後10時まで、ワイキキの目抜き通りであるカラカウア・アベニューを歩行者天国とし、計5ヶ所のステージで、フラ、日本舞踊、和太鼓、ハワイアン・ミュージックなどのパフォ−マンが繰り広げられ、カラカウア大通りは夜遅くまでパフォーマンスや屋台の料理を楽しむ人々でいっぱいに。

 なかでも、ハワイのロコたち、そしてアメリカからの観光客など多くの人が集まっていたのは、和太鼓のパフォーマンス。コロラドから旅行で来ていた夫婦は「私たちの住んでいる町では、アジアの文化に直接触れる機会がまったくないが、この時期にハワイ旅行をしたことで、このイベントを体験できた。とてもラッキーな気分」とにっこり。

 また、イベントと同様に長蛇の列を作っていた屋台も、多くはワイキキで食べることのできない、ザ・ローカル料理。香ばしく焼かれたバーベキューチキンや、出来立てのふわふわなマラサダ(ハワイ風ドーナッツ)など、観光客には目新しいものばかりが並ぶ。飲食屋台のほか、工芸品や服、アクセサリーなどを扱う店も出店。特にユニークなのは、昔のハワイ産のお米の包装布を衣服にリメイクした店で、特に若年層の日本人観光客が入れ替わり立ち寄っていた。







フラの練習の成果を発揮、クム・フラに誉められうれし涙も

 「まつり・イン・ハワイ」は環太平洋の国々の文化交流を目的としたものだが、特に日本から参加者が多く、日本の伝統文化を継承、アレンジした団体の参加が目立つ。さらに近年目にするのは、日本からのフラ・ハラウ(フラ・ダンス教室)の参加者たち。フラ・ダンス人口は約20万人を超えるといわれる日本でのブームを受け、フラ発祥の地ハワイで、大勢の観衆の前で日頃の練習の成果が発揮できるのは、フラを親しむ人々にはたまらない楽しみなのだろう。

 そんな様子が垣間見られたのは、7日の午後12時から午後4時30分まで開催された「第8回パンパシフィック・フラフェスティバル」。日本からのフラ・ハラウと、地元ハワイのフラ・ハラウによる、華麗なパフォーマンスの競演だ。アラモアナ・ショッピング・センター内センターステージには、グループごとにおそろいの華やかなコスチュームに身を包み、この日のために稽古してきたフラを、全力で披露。ハワイの著名なクム・フラ(フラの師範)からお褒めの言葉を受けた日本人参加者が、感極まってステージ上で涙を流す姿も。観客の注目度も非常に高く、ステージの周辺は1階から3階まで、多くの見物客が集まっていた。









とりを飾るのは、「まつり・イン・ハワイ、パレード」

 最終日の6月8日、午後5時から午後7時までの「まつり・イン・ハワイ、パレード」が、一連のイベントのフィナーレ。日本、中国、韓国、そして地元ハワイの各団体や、米国本土のブラスバンドなどがそれぞれカラフルな衣装を身にまとい、音楽演奏、舞踊を披露。ホノルル市長や在ホノルル日本総領事夫妻などもパレードに参加し、聴衆に笑顔を見せる。新潟からハネムーンで来ていた海外旅行初体験のカップルは、「マリン・スポーツのオプショナル・ツアーから戻ったら、外が賑やかなので来てみたところ。こんなイベントがあることは知らなかったけれど、ハワイと日本のつながりの深さを感じる。帰国直前に見ることができ、良い思い出になった」とうれしそう。

 パレードのハイライトは、宇和島(愛媛)の牛鬼保存会による、特大の「牛鬼山車」。この牛鬼は明治末期ごろから登場し、今日まで宇和島で引き継がれているお祭りだ。この日のために、はるばる日本から輸送したと聞くと、この一大イベントにかける意気込みと緊張感がひしひしと伝わってくる。遠くから見ても巨大な牛鬼の高さは信号機まで届くほど。沿道を埋めた各国の観衆を魅了していた。







まつり・イン・ハワイとは?


 そもそも「まつり・イン・ハワイ」の起源は、多く
の日本人がハワイを訪れはじめた日本の高度経済成長
期に遡る。訪れる側も迎える側もお互いの文化的背景
を知り、学ぶことで、さらなる友好的な関係を築きた
いという思いが、イベントを創出する気運となった。
その後、毎年数千名の参加者を集め、今ではハワイで
開催されるイベントの中でも最大級のイベントに成長。
現在はまつり実行委員会が中心となって主催し、ハワ
イ日系人連合協会、ハワイ州観光局、航空会社各社、
そして近畿日本ツーリストなどの協力で運営されてい
る。

 特に日本から参加者が多く、日本の伝統文化を継承、
アレンジした団体の参加が目立つ。小浜太鼓保存会
(長崎県)、紅太鼓(愛知県)、一心無双流居合道
(滋賀県)、武州熊舞(埼玉県)、能登キリコ祭(石
川県)などの各地方の伝統芸能、舞踊、和太鼓、琴な
ど、さまざまな団体のほか、近年目にするのは、日本
からのフラ・ハラウ(フラ・ダンス教室)の参加者の
増加も増えており、グループ旅行を送客するチャンス
になっている。