ニューヨーカーを熱狂させたハワイ・イベント−フラ、音楽でにぎわう
ニューヨーカーを熱狂させたハワイ・イベント−フラ、音楽でにぎわう
ハワイをルーツにする伝統舞踊「フラ」が日本女性に絶大な支持を得て、年々愛好者が増え続けている。しかし、フラと、その踊りに欠かせないハワイアン・ミュージックの人気は日本に限ったことではない。フラとハワイ音楽を愛する人たちの輪は、太平洋の真ん中に浮かぶハワイ諸島を中心に、地球規模で広がっている。ハワイから東へ8000キロも離れたニューヨークで、ハワイ人気を目の当たりにした。(取材 Nui)
恒例の「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」
舞台はマンハッタンの真ん中に広がる緑豊かなセントラル・パーク。ハワイ・イベントにぴったりの、日差しがじりじりと肌をこがすような夏日となった6月1日の正午、パーク内の小高い丘の芝生エリア「サミット・ロック」が、いつもとは違う様相を見せはじめた。マイク・スタンドとスピーカーが設置され、アロハ・シャツやムームー、ハワイ風のTシャツを着たミュージシャンたちが、サウンド・チェックをしている。スピーカーから聞こえるのは、ウクレレ、ギター、スチール・ギターが奏でるハワイアンな音色。そして周りには、家族や友人同士のグループが続々と集まってきている。
多くの人が食べ物を持ち寄り、それを1ヶ所に集め、みんなが思い思いに食べられるように並べられていく。ハワイの人たちの週末の野外パーティの定番、「ポットラック・パーティ」だ。集まった食べ物は、スパムむすび、チキンカツ、ヤキソバ、フルーツ、マラサダなど、ハワイのローカル・フードばかり。これから始まるのは、ニューヨークのハワイ好きの間では恒例のイベント「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」だ。
「これは純粋なコミュニティ・イベント。ニューヨークのハワイ・コミュニティの人たちが協力しあって実現させる、ハワイの音楽と踊りを楽しむイベント」というのは、イベントでギターと歌を担当するアンディー・ウォングさん。彼はこのイベントを運営するコミュニティ・グループ「Halawai」のメンバーの一人だ。ハワイ出身の人々でニューヨークで生活する人、家族のルーツがハワイにある人に加え、フラやハワイ音楽が好きな人などが彼の言う「ニューヨークのハワイ・コミュニティ」ということらしい。
また、このイベントにかかわるスタッフで、ご自身もフラ・ダンサーであるロータスさんが付け加えてくれたところによると、このイベントはもう20年以上も続いている歴史あるものだという。もともとはハワイのレイデイ(5月1日)と同じ日に開催していたが、現在ではより天候の良い6月の第1日曜に開催するようになったのだそうだ。フラを踊れる人は踊り、ウクレレを弾ける人は演奏し、歌える人は歌う、という、誰でも自由に参加して、見て聞いてそして食べて楽しむパーティというわけだ。
“人種のるつぼ”ニューヨークに沸くハワイ熱
今年の「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」は、いつにも増して特別なものになると、イベント・オーガナイザーの一人、ナーサさんが教えてくれた。ニューヨークでも最近、ハワイアンのミュージシャンによるコンサートが開催されるようになってきており、なかでもジェイク・シマブクロやマカハ・サンズは頻繁にコンサートを開いて、ニューヨーカーのハワイ音楽ファンを楽しませている。イベント前日の5月31日には、マカハ・サンズがカーネギー・ホールでコンサートを開催。マカハ・サンズのほか、ベテラン女性ハワイアン・シンガーのニナ・ケアリイヴァハマナや、ハワイのフラ・グループ「ハラウ・フラ・オ・ホクラニ」が出演した。たまたま日程が重なったこともあり、このコンサート出演者が、ポットラック・パーティにも飛び入り参加してくれるかもしれない、ということだった。
ハワイ・ローカルなら誰もが知るフラ・ソングがさりげなく演奏されると、イベントがスタート。最初に口火を切ったのは意外にも、いかついバイカー風ハワイアン・ファッションを着た、中年男性のフラ・ダンサーによるフラだった。そこからは次々とハワイアン・ソングとフラの連続。ニューヨークには3つのフラ・グループがあり、それぞれがレッスンやイベント出演などの活動をしているそうで、もちろんこの日のイベントには全グループが集結。それぞれがレパートリーを次々に披露していった。どのグループもニューヨークならではの人種のるつぼ的集まりで、ハワイ系、白人系、黒人系、日本人、アジア系とさまざまな背景の人たちが、息を揃えてフラを踊る姿が、とても印象的だった。
ナーサさんの予告通り、前夜のコンサート出演アーティストがパーティに登場。最初にベテラン・ハワイアン女性シンガーのニナ・ケアリイヴァハマナが何曲か披露したあと、フラ・グループ「ハラウ・フラ・オ・ホクラニ」が、ケイキ(子供)フラと、ワヒネ(女性)フラを踊ると会場の熱気は最高潮に。「ニューヨークは初めてだからとてもエキサイトしてる」とクムフラのホクラニ・デラーゴが、観衆のニューヨーカーに語りかける。本場ハワイのフラ・グループ、フラのパフォーマンスに、すっかり心を奪われたニューヨーカーたちのハナホウ(アンコール)を呼びかける声がセントラル・パークに響く。今年は300名以上が集まったというこのイベント、ハワイアン・ミュージックの音色がニューヨークの一部をすっかりハワイに染めていた。
ハワイをルーツにする伝統舞踊「フラ」が日本女性に絶大な支持を得て、年々愛好者が増え続けている。しかし、フラと、その踊りに欠かせないハワイアン・ミュージックの人気は日本に限ったことではない。フラとハワイ音楽を愛する人たちの輪は、太平洋の真ん中に浮かぶハワイ諸島を中心に、地球規模で広がっている。ハワイから東へ8000キロも離れたニューヨークで、ハワイ人気を目の当たりにした。(取材 Nui)
恒例の「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」
舞台はマンハッタンの真ん中に広がる緑豊かなセントラル・パーク。ハワイ・イベントにぴったりの、日差しがじりじりと肌をこがすような夏日となった6月1日の正午、パーク内の小高い丘の芝生エリア「サミット・ロック」が、いつもとは違う様相を見せはじめた。マイク・スタンドとスピーカーが設置され、アロハ・シャツやムームー、ハワイ風のTシャツを着たミュージシャンたちが、サウンド・チェックをしている。スピーカーから聞こえるのは、ウクレレ、ギター、スチール・ギターが奏でるハワイアンな音色。そして周りには、家族や友人同士のグループが続々と集まってきている。
多くの人が食べ物を持ち寄り、それを1ヶ所に集め、みんなが思い思いに食べられるように並べられていく。ハワイの人たちの週末の野外パーティの定番、「ポットラック・パーティ」だ。集まった食べ物は、スパムむすび、チキンカツ、ヤキソバ、フルーツ、マラサダなど、ハワイのローカル・フードばかり。これから始まるのは、ニューヨークのハワイ好きの間では恒例のイベント「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」だ。
「これは純粋なコミュニティ・イベント。ニューヨークのハワイ・コミュニティの人たちが協力しあって実現させる、ハワイの音楽と踊りを楽しむイベント」というのは、イベントでギターと歌を担当するアンディー・ウォングさん。彼はこのイベントを運営するコミュニティ・グループ「Halawai」のメンバーの一人だ。ハワイ出身の人々でニューヨークで生活する人、家族のルーツがハワイにある人に加え、フラやハワイ音楽が好きな人などが彼の言う「ニューヨークのハワイ・コミュニティ」ということらしい。
また、このイベントにかかわるスタッフで、ご自身もフラ・ダンサーであるロータスさんが付け加えてくれたところによると、このイベントはもう20年以上も続いている歴史あるものだという。もともとはハワイのレイデイ(5月1日)と同じ日に開催していたが、現在ではより天候の良い6月の第1日曜に開催するようになったのだそうだ。フラを踊れる人は踊り、ウクレレを弾ける人は演奏し、歌える人は歌う、という、誰でも自由に参加して、見て聞いてそして食べて楽しむパーティというわけだ。
“人種のるつぼ”ニューヨークに沸くハワイ熱
今年の「ハワイ・ポットラック・ピクニック・イン・セントラル・パーク」は、いつにも増して特別なものになると、イベント・オーガナイザーの一人、ナーサさんが教えてくれた。ニューヨークでも最近、ハワイアンのミュージシャンによるコンサートが開催されるようになってきており、なかでもジェイク・シマブクロやマカハ・サンズは頻繁にコンサートを開いて、ニューヨーカーのハワイ音楽ファンを楽しませている。イベント前日の5月31日には、マカハ・サンズがカーネギー・ホールでコンサートを開催。マカハ・サンズのほか、ベテラン女性ハワイアン・シンガーのニナ・ケアリイヴァハマナや、ハワイのフラ・グループ「ハラウ・フラ・オ・ホクラニ」が出演した。たまたま日程が重なったこともあり、このコンサート出演者が、ポットラック・パーティにも飛び入り参加してくれるかもしれない、ということだった。
ハワイ・ローカルなら誰もが知るフラ・ソングがさりげなく演奏されると、イベントがスタート。最初に口火を切ったのは意外にも、いかついバイカー風ハワイアン・ファッションを着た、中年男性のフラ・ダンサーによるフラだった。そこからは次々とハワイアン・ソングとフラの連続。ニューヨークには3つのフラ・グループがあり、それぞれがレッスンやイベント出演などの活動をしているそうで、もちろんこの日のイベントには全グループが集結。それぞれがレパートリーを次々に披露していった。どのグループもニューヨークならではの人種のるつぼ的集まりで、ハワイ系、白人系、黒人系、日本人、アジア系とさまざまな背景の人たちが、息を揃えてフラを踊る姿が、とても印象的だった。
ナーサさんの予告通り、前夜のコンサート出演アーティストがパーティに登場。最初にベテラン・ハワイアン女性シンガーのニナ・ケアリイヴァハマナが何曲か披露したあと、フラ・グループ「ハラウ・フラ・オ・ホクラニ」が、ケイキ(子供)フラと、ワヒネ(女性)フラを踊ると会場の熱気は最高潮に。「ニューヨークは初めてだからとてもエキサイトしてる」とクムフラのホクラニ・デラーゴが、観衆のニューヨーカーに語りかける。本場ハワイのフラ・グループ、フラのパフォーマンスに、すっかり心を奪われたニューヨーカーたちのハナホウ(アンコール)を呼びかける声がセントラル・パークに響く。今年は300名以上が集まったというこのイベント、ハワイアン・ミュージックの音色がニューヨークの一部をすっかりハワイに染めていた。