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米国土安全保障省、パウワウ会場で10指指紋採取機器を公開−理解呼びかけ

  • 2008年6月3日
(ラスベガス発 鈴木次郎) アメリカ国土安全保障省(DHS)はパウワウ会場で、10指の指紋採取機器を公開し、入国審査時の協力を呼びかけている。これは2007年末からワシントン・ダラス空港で開始、シカゴ・オヘア空港、ニューヨーク・JFK国際空港などで既に実施しているもの。2008年末までに、空港、港、国境の通関手続地には、この新型設備を設置する予定だ。

 公開している機器は2種類あり、現在、両方の機器が使用されている。指紋採取の方法は、4本指を採取した後、親指の2段階で、これを両手で行うものだ。現在の運用は志向的な部分もあり、最終的にはどちらかに統一するかなどについては現在の運用状況を考慮しながら、検討をしていくという。(詳細は写真を参照)

 DHSでは生体認証について、詐欺行為を防止するものと位置づけており、氏名や生年月日などとことなり、生体認証は本人確認のうえで固有なものを対象にしており、詐称は実質的に不可能と説明。特に訪問者へのメリットとして、旅券の紛失、盗難などの際、自身の身元を保証することができるという。また、アメリカ入国の安全性を高めることが大きな目的であり、不法入国を未然に防ぐことができるとしている。

 また、DHSは出国時について、民間の航空会社、クルーズ船社に対し、アメリカ出国から24時間以内に指紋などの生体認証情報の提出を求めている。既に、一部の空港で実施しているケースもあるが、2009年1月からの導入を目指しているが、7月13日にヒアリングを実施する予定。これはDHSが実施するパブリック・コメント(一般からの意見聴取)の期間が7月23日で、これを延長する要望があるものの、延長ではなく、ヒアリングを実施することで代替するとしている。


▽公開している指紋採取機器(左は4本指を均等に並べるもの、右は人差し指と中指、薬指と小指をそれぞれ分けて採取する)



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