ハワイ体験レポート(23)−親も夢中になる、ホノルル動物園の楽しみ方
親も夢中になる、ホノルル動物園の楽しみ方
〜ハワイ・家族旅行のいちおしスポット〜
母と娘、幼い子供を連れた若夫婦、孫を連れた三世代など、ハワイ旅行の客層は年々多様化してきた。これに対応して、ショッピングとビーチばかりでなく、子供連れのファミリー旅行向きの幅広いアクティビティを求める声が高まっている。そうした旅行者に人気があるのが、ダイヤモンドヘッドのすぐ西側に広がるホノルル動物園だ。ワイキキの主要ホテルから歩いて行ける距離。市バスや観光トロリーなどのアクセスも良い。年間75万人という入場者を誇るホノルルきっての観光スポットを訪れて、ツアーや個人旅行の素材としての可能性をさぐってみた。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
想像力をくすぐるアフリカのサバンナ・エリア
ホノルル動物園に入ると、すぐに目に付くのが、「2300マイル(約3680キロメートル)圏内なら、ここより優れた動物園はない!」という大胆な標識。確かに、お隣の動物園といっても、上野動物園は約6320キロメートル、サンディエゴ動物園は約4000キロメートルの彼方だ。しかし、このユーモアあふれる宣言はそう的はずれとも言えない。もともとはハワイ王家の土地だったところを一般に解放して作られたカピオラニ公園の一角に、1947年にオープンしたこの動物園は、バニアンツリーをはじめとする熱帯の巨木に囲まれ、園内のあちこちにカラフルな花が咲き乱れる素晴らしい環境だ。
1994年にはアフリカのサバンナを再現した4万平方メートルのエリアが誕生。この「アフリカンサバンナ」には、キリンやシマウマ、サイなど、30種以上の動物が集められている。ここの特徴は、その“自然な雰囲気”。人間の見やすさより、動物たちが受けるストレスを少なくすることを優先させたデザインなのだという。檻や柵が上手にカモフラージュされており、見る者の想像力次第では、まるでアフリカの大地が目の前に広がっているようだ。
350種以上の動物がいる園内で、一番人気があるのはゾウ。現地の家族連れは、トレーニングの様子や餌やりなどを体験できる「エレファント・エンカウンター」の時間にあわせて訪れる人が多いとか。芸を見せるのではなく、あくまでもゾウの生態を知るためのプログラムで、ゾウに触らせてもらえるので子供も大人も大喜びだ。また、猿類を集めたエリアも注目。シロテテナガザルや絶滅の危機に瀕しているフクロテナガザルをはじめ、めずらしい種類の猿を見ることができる。
ツアーの素材としても使えるプログラムがいっぱい
ホノルル動物園では、様々なプログラムが用意されている。中でも人気があるのが毎週土曜日の「トワイライト・ツアー」だ。普通、動物たちが活発に動くのは、早朝か夕方以降。通常、動物園は16時に閉園するが、この「トワイライト・ツアー」が始まるのは午後5時30分。すっかり静かになった園内を少人数のグループに分かれ、ガイドの案内で巡っていく。薄暗くなるにつれて、動物たちがいつもとは違う機敏な動きを始める。園内は緑が濃いので、夕方の雰囲気はまさに野生の王国に迷いこんだ気分だ。
また、動物たちの朝の様子を体験する「飼育係との朝食会」というプログラムもある。パンケーキや目玉焼きなど、種類豊富な朝食が食べ放題。朝の散歩のすがすがしさも格別だ。さらに、園内の広場にテントを張ってキャンピングをするという、究極の動物園体験もアレンジ可能。ポリネシアのエコシステムや野生動物の生態を学ぶ、大人向けのプログラムを設定してもらうこともできる。修学旅行や研修旅行、またリピーター向けのツアーなどの日程に、この動物園のプログラムは大きな付加価値となるだろう。
平日の園内では、日本からの観光客と思われる家族をあちこちで見かけた。そのほとんどは、幼稚園から小学生低学年の子供連れだ。横浜から小学生と3歳のお子さんを連れてやってきた家族は、「ホノルルでの、小さい子供向けのアクティビティとして、この動物園はありがたい」と語り、子供が動物たちと直接ふれ合うことのできるエリアが充実していることが大きなポイントと教えてくれた。ハワイ語で子供を意味する「ケイキ・ズー」は、園内の北側の奥にある。広さは6500平方メートルもあり、ヤギや牛、ブタから、カエルまで、身近な動物たちの生態を遊びながら学べるように工夫されている。
花やガーデニングの愛好家にもおすすめ
ホノルル動物園の魅力の一つに、園内の植物の豊富さを上げる人は多い。バニアンの巨木の下でゆったりとした時間を過ごすのは、ワイキキの海辺とは違った贅沢さだ。園内には、レイを作る材料にもなるピカケやプルメリアなどの花々やティーリーフなどを集めたエリア、ハワイの食文化に欠かせないタロイモ、そして「あの木なんの木」のテレビCMで有名になったモンキーポッドやガジュマルの木などもたくさんある。花の好きな人には、植物園としても十分に楽しめるだろう。また、ボランティアが丹精込めた花壇もあり、ガーデニングの愛好家にもおすすめだ。
そして、バードウォッチャーにも、この動物園は楽しいところ。園内のあちこちをクジャクがのんびり歩いているのをはじめ、ハワイミツスイなど独自の野鳥も多い。見逃せないのは、ハワイの州鳥に指定されている「ネネ」と呼ばれる不思議な鳥だ。ネネは、カナダガン(シジュウカラガン)と同じ祖先から分かれたと考えられているが、毎年長距離を移動するカナダガンと違い、ハワイに定住しているのが特徴。ハワイの気候の良さに惚れ込んだのかもしれない。現在は絶滅危惧種に指定されており、ホノルル動物園では、この鳥の保護と繁殖に力を入れている。
動物園はけして子供だけのものではない。紹介の仕方を工夫すれば、大人にも十分アピールできる素材となる。家族で訪れている人たちでも、動物園を隅々まで楽しんでいるのは、大人たちのように見えた。
〜ハワイ・家族旅行のいちおしスポット〜
母と娘、幼い子供を連れた若夫婦、孫を連れた三世代など、ハワイ旅行の客層は年々多様化してきた。これに対応して、ショッピングとビーチばかりでなく、子供連れのファミリー旅行向きの幅広いアクティビティを求める声が高まっている。そうした旅行者に人気があるのが、ダイヤモンドヘッドのすぐ西側に広がるホノルル動物園だ。ワイキキの主要ホテルから歩いて行ける距離。市バスや観光トロリーなどのアクセスも良い。年間75万人という入場者を誇るホノルルきっての観光スポットを訪れて、ツアーや個人旅行の素材としての可能性をさぐってみた。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
想像力をくすぐるアフリカのサバンナ・エリア
ホノルル動物園に入ると、すぐに目に付くのが、「2300マイル(約3680キロメートル)圏内なら、ここより優れた動物園はない!」という大胆な標識。確かに、お隣の動物園といっても、上野動物園は約6320キロメートル、サンディエゴ動物園は約4000キロメートルの彼方だ。しかし、このユーモアあふれる宣言はそう的はずれとも言えない。もともとはハワイ王家の土地だったところを一般に解放して作られたカピオラニ公園の一角に、1947年にオープンしたこの動物園は、バニアンツリーをはじめとする熱帯の巨木に囲まれ、園内のあちこちにカラフルな花が咲き乱れる素晴らしい環境だ。
1994年にはアフリカのサバンナを再現した4万平方メートルのエリアが誕生。この「アフリカンサバンナ」には、キリンやシマウマ、サイなど、30種以上の動物が集められている。ここの特徴は、その“自然な雰囲気”。人間の見やすさより、動物たちが受けるストレスを少なくすることを優先させたデザインなのだという。檻や柵が上手にカモフラージュされており、見る者の想像力次第では、まるでアフリカの大地が目の前に広がっているようだ。
350種以上の動物がいる園内で、一番人気があるのはゾウ。現地の家族連れは、トレーニングの様子や餌やりなどを体験できる「エレファント・エンカウンター」の時間にあわせて訪れる人が多いとか。芸を見せるのではなく、あくまでもゾウの生態を知るためのプログラムで、ゾウに触らせてもらえるので子供も大人も大喜びだ。また、猿類を集めたエリアも注目。シロテテナガザルや絶滅の危機に瀕しているフクロテナガザルをはじめ、めずらしい種類の猿を見ることができる。
ツアーの素材としても使えるプログラムがいっぱい
ホノルル動物園では、様々なプログラムが用意されている。中でも人気があるのが毎週土曜日の「トワイライト・ツアー」だ。普通、動物たちが活発に動くのは、早朝か夕方以降。通常、動物園は16時に閉園するが、この「トワイライト・ツアー」が始まるのは午後5時30分。すっかり静かになった園内を少人数のグループに分かれ、ガイドの案内で巡っていく。薄暗くなるにつれて、動物たちがいつもとは違う機敏な動きを始める。園内は緑が濃いので、夕方の雰囲気はまさに野生の王国に迷いこんだ気分だ。
また、動物たちの朝の様子を体験する「飼育係との朝食会」というプログラムもある。パンケーキや目玉焼きなど、種類豊富な朝食が食べ放題。朝の散歩のすがすがしさも格別だ。さらに、園内の広場にテントを張ってキャンピングをするという、究極の動物園体験もアレンジ可能。ポリネシアのエコシステムや野生動物の生態を学ぶ、大人向けのプログラムを設定してもらうこともできる。修学旅行や研修旅行、またリピーター向けのツアーなどの日程に、この動物園のプログラムは大きな付加価値となるだろう。
平日の園内では、日本からの観光客と思われる家族をあちこちで見かけた。そのほとんどは、幼稚園から小学生低学年の子供連れだ。横浜から小学生と3歳のお子さんを連れてやってきた家族は、「ホノルルでの、小さい子供向けのアクティビティとして、この動物園はありがたい」と語り、子供が動物たちと直接ふれ合うことのできるエリアが充実していることが大きなポイントと教えてくれた。ハワイ語で子供を意味する「ケイキ・ズー」は、園内の北側の奥にある。広さは6500平方メートルもあり、ヤギや牛、ブタから、カエルまで、身近な動物たちの生態を遊びながら学べるように工夫されている。
花やガーデニングの愛好家にもおすすめ
ホノルル動物園の魅力の一つに、園内の植物の豊富さを上げる人は多い。バニアンの巨木の下でゆったりとした時間を過ごすのは、ワイキキの海辺とは違った贅沢さだ。園内には、レイを作る材料にもなるピカケやプルメリアなどの花々やティーリーフなどを集めたエリア、ハワイの食文化に欠かせないタロイモ、そして「あの木なんの木」のテレビCMで有名になったモンキーポッドやガジュマルの木などもたくさんある。花の好きな人には、植物園としても十分に楽しめるだろう。また、ボランティアが丹精込めた花壇もあり、ガーデニングの愛好家にもおすすめだ。
そして、バードウォッチャーにも、この動物園は楽しいところ。園内のあちこちをクジャクがのんびり歩いているのをはじめ、ハワイミツスイなど独自の野鳥も多い。見逃せないのは、ハワイの州鳥に指定されている「ネネ」と呼ばれる不思議な鳥だ。ネネは、カナダガン(シジュウカラガン)と同じ祖先から分かれたと考えられているが、毎年長距離を移動するカナダガンと違い、ハワイに定住しているのが特徴。ハワイの気候の良さに惚れ込んだのかもしれない。現在は絶滅危惧種に指定されており、ホノルル動物園では、この鳥の保護と繁殖に力を入れている。
動物園はけして子供だけのものではない。紹介の仕方を工夫すれば、大人にも十分アピールできる素材となる。家族で訪れている人たちでも、動物園を隅々まで楽しんでいるのは、大人たちのように見えた。
ピクニックランチと水は必携
園内には軽食を食べることのできるフードスタンドもあるが、広い芝生や涼しい木陰な
どもあるので、お弁当を用意してピクニックがおすすめだ。園内には飲み物の自販機など
は少ないので、水は十分に用意したい。帽子や日焼け止めも必携だ。
また、動物をテーマにしたグッズが豊富に揃っているショップにもぜひ立ち寄りたい。
おしゃれなデザインのTシャツやかわいらしいキーチェーンなどは、ハワイのおみやげと
しても活用できそうだ。このショップは動物園に入園しなくても入ることができる。
▽ホノルル動物園
http://www.honoluluzoo.org