四川省、7つの世界遺産と三国志をテーマに日本人訪問者数30万人をめざす

  • 2008年5月12日
 中国の四川省旅游局は2008年、7つの世界遺産と三国志という2つの観光テーマを掲げ、昨年の2万人増となる30万人の日本人訪問者数の誘致をめざす。四川省旅游局が省レベルでこれらの観光資源をテーマに掲げるのは、今年が初めて。

 5月9日に開催した観光説明会では、2つの観光テーマについて説明。「7つの世界遺産」では、九寨溝や道教発祥の地として知られる青城山、中国4大仏教名所の峨嵋山、世界最大の石造座仏の楽山大仏に黄龍、都江堰などを「ゴールデンライン」と名付け、日本での認知向上をはかるほか、「三国志」では四川省が三国時代の蜀の発祥地で、諸葛孔明や劉備玄徳などに縁が深く、文化的遺跡も多いことを利用し、「三国志」文化に触れる観光を打ち出していく。例えば、蜀の軍事要所だった剣門閣や、三国志の著者、陳寿の故郷でもある南充などのほか、遂寧の中国死海などを組み合わせたツアーなどを提案した。

 さらに四川省旅游局は、先ごろ来日した、胡錦濤・中国国家主席がパンダ2頭の貸与を表明したことに触れ、パンダブームもプラスに作用すると見込む。四川省には中国国内のジャイアントパンダの約80%が集まり、2006年7月にはジャイアントパンダ生息地がユネスコの世界自然遺産に指定されている。

 受入面では、空路のネットワークが成都から東京、大阪、福岡を含め世界24都市に運航されており、成都から各観光スポットまで有料道路、高速道路が整備されているという。また、四川省内には星付きのホテルが690軒あり、ビジネスホテルなどを含めると2400軒にのぼる。現在、300人ほどの日本語ガイドがいるが、さらに育成して増やすことを課題に掲げる。そのほか今年は日本での写真展実施や劇の上演などの文化交流や、東京をはじめ日本各地で4、5回のセミナーを予定するなど、日本市場を重視した取組みを推進していく。