VWC、重要方面に9地域選定、売れるスキーム確立へ−下期は可能性も選考

  • 2008年5月8日
 日本旅行業協会(JATA)のビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)は重要取組デスティネーションを選定し、旅行者数の増加に向けた取組みを強化する。WVC推進室長の澤邊宏氏は取組みの方針について、「自助努力でデスティネーションの位置付けをピーアールし、商品化に繋げ、一定の渡航者数を享受できる“フォーマット”化をめざす。自分達のデスティネーションを自分達が望む形で営業展開できる仕組みを作りたい」と説明する。

 そこで、方面ごとに「デスティネーション戦略会議」(ワーキンググループ/WG)を設置し、需要喚起策を検討。パートナーである航空会社、ホテル、ランドオペレーターと協力し、最終的に旅行会社の商品化に繋げる。「BtoC、BtoBの施策を打ち出し、それぞれの担当者が(需要喚起・渡航者増)を全うできるスキームを確立する」考えだ。既に協議会や促進会議が設置されている場合は、その組織をWGとして活用・踏襲する予定で、VWC推進室は商品化に向けたコーディネーションと販促会議の支援、一般消費者向けのピーアール活動とメディア戦略についてのファシリテーターの機能とする。

 2008年上期の重要取組みデスティネーションはグアム、米国、ハワイ、オーストラリア、韓国、香港、台湾、タイ、フランスの9ヶ国・地域。「ベスト・プラクティスとして選んだ。VWCとして取組みを学ぶ」意味もあり、50万人から100万人前後の日本人訪問者のあるデスティネーションのうち、2国間協議が立ち上がり、JATA、観光局、航空会社などが一体となって活動している地域、新商品開発の提案がある地域など7項目の基準で選定した。ただし、半年を1クールとし、計4クールほどの実施を予定しており、下期以降の重要方面には、訪問者数に関係なく可能性や話題性も考慮して選ぶ考え。澤邊氏は「来年の秋までにマーケティング展開できるデスティネーションが10ヶ所から15ヶ所できれば、マーケットそのものが変わり、安定的な需要喚起ができるのでは。秋までに一定の効果を出したい」と、意欲を示した。


▽トレインジャックは9月実施へ

 ピーアール活動の一環として実施を明言していた、トレインジャックは9月第1週と第2週に実施。JATA旅行博とも連動し、さらなる機運の盛り上げをねらう。JRと東武、京王、小田急、京急、東急の私鉄5社の協力で特別価格を提供してもらい、VWCがコアの予算を投下。残りを、参加する観光局や航空会社、ホテル、ランドオペレーターが折半する仕組みで、すでに、各観光局や関係企業には打診を開始しており、最終的には25社から30社の参加をめざす。