ハワイ体験レポートその20−市バスで行くのんびりノースショアの旅
市バスで行くのんびりノースショアの旅
〜カウンター担当者の自主研修同行記〜
南海国際旅行でカウンター営業を担当する木下美枝子さんは、旅行業界歴8年目。お客様と接する場にいるだけに、普段から「より深い知識、現地の新鮮で正確な情報」を把握するよう心がけているそうだ。その木下さんが最近気になっていたのが、オアフ島のノースショア。サーファーが憧れるビックサーフの場所としてばかりでなく、ワイキキとは別の雰囲気が楽しめるとして知られるようになってきた。「お客様はインターネットや雑誌などで、ある程度の情報を持っている。それでもカウンターに来てくださるのだから、私からは自分の体験を通した情報を提供したい」と、自主研修にでかける木下さんに同行し、彼女の目を通して見たノースショアの魅力を取材した。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
オアフ島のベスト小旅行
ノースショアにはワイキキから、50米ドル程度の料金でたくさんのツアーが催行されている。ビーチで泳いだり、ハレイワタウンでの食事やショッピング、ウミガメの観察、ドールのパイナップル農園訪問などの1日コースだ。しかし、個人旅行やフライ&ドライブ志向のお客様に役立つ情報を得たい木下さんは、交通手段に市バスを選択。料金はなんと片道2ドル。途中で何度も乗り降りするつもりなら、4日間すべてのバスが乗り放題となる「オアフ・ディスカバリー・パス」(20米ドル)が良いだろう。
スタートは、全ての市バスが停まるアラモアナ・センター。ノースショア行きのバスは、東周りの55番と西周りの52番があるが、この2路線はノースショアのタートル・ベイの周辺で番号が変わり、同じバスが一周する形になる。木下さんが往路として選んだのは、クアロア・ビーチなどの海沿いを走って行く東回り。西回りはノースビーチに出るまで内陸を走るので、朝日がきれいなうちに海岸を走った方が景色を楽しめそうというわけだ。
ふと、木下さんが小さな歓声を上げた。クアロア・ビーチの沖合に浮かぶ“チャイナマン・ハット”の愛称でおなじみのモコリー島が見えてきた時だ。この周辺は海岸のすぐ近くまで山が迫っている。ギザギザの不思議な形の山並みで、映画『ジュラシックパーク』やハリウッド版の『ゴジラ』が
この周辺で撮影されたというのも、なるほどと思わせる。
ポリネシア文化センターやかつてのサトウキビ工場の跡などが見えてくると、ノースショアはもうすぐ。ワイキキからの距離は70キロほどだが、バスでは2時間近くかかるが、木下さんは期待が高まっていることもあり「途中の景色も良いし、時間がかかるという感じはしませんね。途中の景色も良いし」と笑顔だった。
バンザイ・パイプラインで究極のサーフィンを目撃
出発の朝、テレビから「明日から3日間は、大波が期待できそう!」と興奮した声が聞こえてきた。訪れた時期は1月たが、常夏のハワイにも毎年11月から2月までの間は冬がやってくる。冬を実感させてくれるのは、天気予報で熱く語られるノースショアの波情報だ。オアフ島の北端に広がる海岸は、夏は穏やかで透明度が高いが、冬になると様子は一変し、時には9メートルを超える大波が押し寄せる。「自分ではサーフィンはしないけれど、パイプラインでプロのサーファーが波にのるところが見てみたい」木下さんの期待も膨らむ。
サンセット・ビーチ小学校前の停留所で降りると、「バンザイ・パイプライン」はすぐ目の前。海岸の方から人の声が聞こえてくる。どうやら波に挑戦している人がいるらしい。自然に小走りになって砂浜へ出てみると、次々と打ち寄せる大波がきれいに巻き上がり、翡翠でできたような大きなパイプができている!見学者が「海に背を向けては絶対にいけない。巨大な波が突然わき上がってくることもあるからね」と声をかけてくれた。ビーチには100人ほどが集まり、サーファーがパイプをうまく通り抜けられると、たくさんの拍手や口笛がわきあがる。木下さんも大きな笑顔で、サーファーたちの興奮が伝わっているようだ。
ちなみに、サンセット・ビーチの東には、タートル・ベイ・リゾートのあるカフク岬がある。タートル・ベイの小さな入り江に入ると、岩場と岬にまもられた静かな砂浜があり、激しい波を避けるように、ミドリウミガメやハワイアン・モンクシールがやってくるという。ウミガメは保護動物に指定されているので、必要以上に近づくことことは禁じられているが、幸運にも遭遇できたら、甲羅干しをするノンビリとした姿を眺めるだけで心が癒されそう。近年、ノースショアはワイメア渓谷とウミガメ観察をあわせ、エコツアーの旅行先としても人気が出ている。
ハイレワの街でプリプリのシュリンプを
ワイメア渓谷で軽いウォーキングを楽しんだ後、ハレイワの街へ。木下さんが今回の旅で、ぜひ体験したいものがあったのだ。それが、マッキーズのシュリンプ。「日本のテレビで紹介されているのを見たんです。本当においしそうだった」と声を弾ませる。
ハレイワは、まるで時間が40年ほど逆流したような街だ。1964年公開のブルース・ブラントの伝説的サーファー映画『エンドレスサマー』の世界そのままの、古き良き時代のハワイという言葉がすんなりとあてはまる。サーファー相手のギアショップやレトロなかき氷風のアイスを売る「マツモトシェイブアイス」、手作りのアクセサリーの店やアートギャラリーなどのこじんまりとした商店が並ぶが「良い波が来たら、商売よりサーフィン優先」という雰囲気も、ノースショアの街らしさを感じさせる。
「マッキーズ・シュリンプ」はエビの養殖業者の直営店。ノースショアにはシュリンプを売る屋台風のお店やワゴンがあるが、その中で最も人気があるという。味はバターガーリック、レモンペッパー、スパイシーホットなど5種類の中から選ぶ。オーナーのおすすめは、もちろん「マッキー・オリジナル」。新鮮なエビの旨味を生かした味付けだ。ちなみに、地元紙で一番人気だったのは、ココナッツをまぶした、ココナッツシュリンプとのこと。大きめのエビが10匹以上入っているが、アッという間に無くなってしまった。サラダやデザートも
ついて11ドルというリーズナブルな値段も嬉しい。
「今まで知られていないハワイを紹介したい」
木下さんは、ハワイは4度目。今回は仕事の情報収集が目的だったので、積極的に新しいホテルなどを見学したそうだ。しかし、ノースショアへの小旅行は「自分にとってもぜひ行きたい場所だった」という。結果的には、「サーフィンも見ることができたし、ワイメア渓谷に立ち寄ったことも大きな収穫。もちろんシュリンプにも大満足。今まで知られていないハワイを紹介したい。100%自信を持って、おすすめできます」と語る。
今回の経験で得たポイントは、市バスで訪問する際の所要時間を考慮することだ。午前に出発する場合、ノースショアのビーチやその周辺には飲食店がほとんどなく、ワイキキを出るときに何かランチ代わりになるもの携行した方がいいだろう。ハレイワをゆっくり楽しみ、ビーチで泳ぐ時間をとりたいなら、ワイキキを7時ごろには出発したい。
もちろん、離島の隠れ家宿のような雰囲気のタートル・ベイ・リゾートに宿泊して、ゆっくりノースショア周辺を観光する日程を組むのも良いだろう。ポリネシア文化センターやパイナップル農園などを組み込み、帰路ではパールハーバーやワイケレ・プレミアム・アウトレットなどと組み合わせることもできる。オアフ滞在を膨らませる、幅の広い素材と言えるだろう。
〜カウンター担当者の自主研修同行記〜
南海国際旅行でカウンター営業を担当する木下美枝子さんは、旅行業界歴8年目。お客様と接する場にいるだけに、普段から「より深い知識、現地の新鮮で正確な情報」を把握するよう心がけているそうだ。その木下さんが最近気になっていたのが、オアフ島のノースショア。サーファーが憧れるビックサーフの場所としてばかりでなく、ワイキキとは別の雰囲気が楽しめるとして知られるようになってきた。「お客様はインターネットや雑誌などで、ある程度の情報を持っている。それでもカウンターに来てくださるのだから、私からは自分の体験を通した情報を提供したい」と、自主研修にでかける木下さんに同行し、彼女の目を通して見たノースショアの魅力を取材した。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
オアフ島のベスト小旅行
ノースショアにはワイキキから、50米ドル程度の料金でたくさんのツアーが催行されている。ビーチで泳いだり、ハレイワタウンでの食事やショッピング、ウミガメの観察、ドールのパイナップル農園訪問などの1日コースだ。しかし、個人旅行やフライ&ドライブ志向のお客様に役立つ情報を得たい木下さんは、交通手段に市バスを選択。料金はなんと片道2ドル。途中で何度も乗り降りするつもりなら、4日間すべてのバスが乗り放題となる「オアフ・ディスカバリー・パス」(20米ドル)が良いだろう。
スタートは、全ての市バスが停まるアラモアナ・センター。ノースショア行きのバスは、東周りの55番と西周りの52番があるが、この2路線はノースショアのタートル・ベイの周辺で番号が変わり、同じバスが一周する形になる。木下さんが往路として選んだのは、クアロア・ビーチなどの海沿いを走って行く東回り。西回りはノースビーチに出るまで内陸を走るので、朝日がきれいなうちに海岸を走った方が景色を楽しめそうというわけだ。
ふと、木下さんが小さな歓声を上げた。クアロア・ビーチの沖合に浮かぶ“チャイナマン・ハット”の愛称でおなじみのモコリー島が見えてきた時だ。この周辺は海岸のすぐ近くまで山が迫っている。ギザギザの不思議な形の山並みで、映画『ジュラシックパーク』やハリウッド版の『ゴジラ』が
この周辺で撮影されたというのも、なるほどと思わせる。
ポリネシア文化センターやかつてのサトウキビ工場の跡などが見えてくると、ノースショアはもうすぐ。ワイキキからの距離は70キロほどだが、バスでは2時間近くかかるが、木下さんは期待が高まっていることもあり「途中の景色も良いし、時間がかかるという感じはしませんね。途中の景色も良いし」と笑顔だった。
バンザイ・パイプラインで究極のサーフィンを目撃
出発の朝、テレビから「明日から3日間は、大波が期待できそう!」と興奮した声が聞こえてきた。訪れた時期は1月たが、常夏のハワイにも毎年11月から2月までの間は冬がやってくる。冬を実感させてくれるのは、天気予報で熱く語られるノースショアの波情報だ。オアフ島の北端に広がる海岸は、夏は穏やかで透明度が高いが、冬になると様子は一変し、時には9メートルを超える大波が押し寄せる。「自分ではサーフィンはしないけれど、パイプラインでプロのサーファーが波にのるところが見てみたい」木下さんの期待も膨らむ。
サンセット・ビーチ小学校前の停留所で降りると、「バンザイ・パイプライン」はすぐ目の前。海岸の方から人の声が聞こえてくる。どうやら波に挑戦している人がいるらしい。自然に小走りになって砂浜へ出てみると、次々と打ち寄せる大波がきれいに巻き上がり、翡翠でできたような大きなパイプができている!見学者が「海に背を向けては絶対にいけない。巨大な波が突然わき上がってくることもあるからね」と声をかけてくれた。ビーチには100人ほどが集まり、サーファーがパイプをうまく通り抜けられると、たくさんの拍手や口笛がわきあがる。木下さんも大きな笑顔で、サーファーたちの興奮が伝わっているようだ。
ちなみに、サンセット・ビーチの東には、タートル・ベイ・リゾートのあるカフク岬がある。タートル・ベイの小さな入り江に入ると、岩場と岬にまもられた静かな砂浜があり、激しい波を避けるように、ミドリウミガメやハワイアン・モンクシールがやってくるという。ウミガメは保護動物に指定されているので、必要以上に近づくことことは禁じられているが、幸運にも遭遇できたら、甲羅干しをするノンビリとした姿を眺めるだけで心が癒されそう。近年、ノースショアはワイメア渓谷とウミガメ観察をあわせ、エコツアーの旅行先としても人気が出ている。
ハイレワの街でプリプリのシュリンプを
ワイメア渓谷で軽いウォーキングを楽しんだ後、ハレイワの街へ。木下さんが今回の旅で、ぜひ体験したいものがあったのだ。それが、マッキーズのシュリンプ。「日本のテレビで紹介されているのを見たんです。本当においしそうだった」と声を弾ませる。
ハレイワは、まるで時間が40年ほど逆流したような街だ。1964年公開のブルース・ブラントの伝説的サーファー映画『エンドレスサマー』の世界そのままの、古き良き時代のハワイという言葉がすんなりとあてはまる。サーファー相手のギアショップやレトロなかき氷風のアイスを売る「マツモトシェイブアイス」、手作りのアクセサリーの店やアートギャラリーなどのこじんまりとした商店が並ぶが「良い波が来たら、商売よりサーフィン優先」という雰囲気も、ノースショアの街らしさを感じさせる。
「マッキーズ・シュリンプ」はエビの養殖業者の直営店。ノースショアにはシュリンプを売る屋台風のお店やワゴンがあるが、その中で最も人気があるという。味はバターガーリック、レモンペッパー、スパイシーホットなど5種類の中から選ぶ。オーナーのおすすめは、もちろん「マッキー・オリジナル」。新鮮なエビの旨味を生かした味付けだ。ちなみに、地元紙で一番人気だったのは、ココナッツをまぶした、ココナッツシュリンプとのこと。大きめのエビが10匹以上入っているが、アッという間に無くなってしまった。サラダやデザートも
ついて11ドルというリーズナブルな値段も嬉しい。
「今まで知られていないハワイを紹介したい」
木下さんは、ハワイは4度目。今回は仕事の情報収集が目的だったので、積極的に新しいホテルなどを見学したそうだ。しかし、ノースショアへの小旅行は「自分にとってもぜひ行きたい場所だった」という。結果的には、「サーフィンも見ることができたし、ワイメア渓谷に立ち寄ったことも大きな収穫。もちろんシュリンプにも大満足。今まで知られていないハワイを紹介したい。100%自信を持って、おすすめできます」と語る。
今回の経験で得たポイントは、市バスで訪問する際の所要時間を考慮することだ。午前に出発する場合、ノースショアのビーチやその周辺には飲食店がほとんどなく、ワイキキを出るときに何かランチ代わりになるもの携行した方がいいだろう。ハレイワをゆっくり楽しみ、ビーチで泳ぐ時間をとりたいなら、ワイキキを7時ごろには出発したい。
もちろん、離島の隠れ家宿のような雰囲気のタートル・ベイ・リゾートに宿泊して、ゆっくりノースショア周辺を観光する日程を組むのも良いだろう。ポリネシア文化センターやパイナップル農園などを組み込み、帰路ではパールハーバーやワイケレ・プレミアム・アウトレットなどと組み合わせることもできる。オアフ滞在を膨らませる、幅の広い素材と言えるだろう。
「この次はタートル・ベイ・リゾートに泊まりたい!」
タートル・ベイ・リゾートは、ノースショア随一の
贅沢な海辺のリゾート・ホテル。周辺に他のホテルが
ないので、離島の隠れ家宿のような雰囲気を感じさせ
る。スパやゴルフコースなども揃っており、新婚旅行
や熟年のセカンド・ハネムーン、ハイエンドのツアー
などにも対応できるだろう。大きな波を広々としたロ
ビーから眺めるのも感動的だ。木下さんは、「ここな
らハネムーンのお客様や、ゆっくりハワイを楽しみた
いお客様にもおすすめできます。でも、まず自分で
泊まってみたい」と、かなり好印象を持った様子だ。
タートル・ベイ・リゾート
http:// www.turtlebayresort.com