ハワイ体験レポートその17−異空間を旅するハワイのアートな午後
異空間を旅するハワイのアートな午後
〜ホノルル周辺の美術館・ギャラリーめぐり、パート1〜
ハワイ滞在中に、美術館やアートギャラリーめぐりを楽しむ日本人はまだそれほど多くはない。しかし、フラやハワイアンキルトなどへの関心が高まるにつれて、ローカルアートに触れたいという人はますます増えていくことだろう。ビショップ博物館のように、積極的に日本マーケットの開拓に力を入れている施設(※関連情報: 体験レポート−その7 ビショップ・ミュージアムのカルチャープログラム)もあるし、ワイキキ周辺ではユニークな月例アートイベントも盛んだ。また、ホノルルのダウンタウンには、ビクトリア王朝様式からアールデコ時代を象徴する美しい建築物が残されている。「アート体験」はハワイ旅行の概念を覆すほどの、旅の深みを増してくれる。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
ゆったりとゴーギャンの名作に向き合う豊かな時間
東京なら、世界中から集められた美術品に比較的、簡単に出会うことができる。しかし、うんざりするほど長い行列ができることもめずらしくなく、人の流れに押されるように移動しなければならない。ゆっくりと作品にむかいあう幸せはなかなか望めないものだ。ところが、「ホノルル美術館」でなら、そんな贅沢で豊かな時間を満喫することができる。
実業家夫人でアートコレクターとして有名だった、アナ・ライス・クック女史のプライベート・コレクションを中心として1927年に創設されたホノルル美術館。大きな木々に囲まれ、美しい中庭も持つ館内には、ハワイや太平洋諸島の伝統美術作品のほか、中国や日本、ヨーロッパのアートまで、5万点あまりの作品が幅広く集められている。北斎の『富嶽三十六景』をはじめ、浮世絵のコレクションでは世界的に知られており、日本での里帰り展覧会なども催されているほどだ。特に見逃せないのは、印象派など19世紀から20世紀のヨーロッパ絵画を集めた展示室。ゴーギャンの傑作の一つに数えられている『タヒチの浜辺の女たち』や、モディリアーニの『座る裸婦』、モネの『睡蓮』やゴッホの『麦畑』などが並び、我が物のように自分のペースで堪能できる。
ここでは、パビリオン・カフェでのランチをはさんで、ゆっくり時間を過ごしてみたい。ホノルル美術館が実施する日本語による無料の館内ツアーや、「シャングリラ」と呼ばれ、ハワイで最もゴージャスな邸宅として知られるドリス・デューク邸の見学ツアー(要予約)に参加するのもおすすめ。また、毎月の最終金曜日の夜は「アート・アフター・ダーク」と呼ばれるイベントが催され、月ごとにテーマを変え、料理やエンターテインメントが披露される。アートなパーティとして、ローカルの人たちに人気があるので、リピーターやロングステイ向けのオプショナルとして紹介することもできるだろう。
・ホノルル美術館 http://www.honoluluacademy.org
ホノルルのダウンタウンはレトロな建築の宝石箱
州庁などお役所の建物が並ぶダウンタウンは、建築や歴史に興味がある観光客にとって散策が楽しいエリア。特にゴシック・リバイバルやスパニッシュ・ミッション・リバイバル様式の建築の素晴らしさでは、アメリカの主要都市と十分に肩を並べることができるだろう。ホノルル市はダウンタウン周辺で歴史的に重要な建築を50軒選び、ホームページで詳しく紹介している。日本語での歴史ツアーを催行している会社もあり、これも見逃せない素材だ。
ダウンタウンの歴史的建造物の中で、最も有名なのはイオラニ宮殿だろう。アメリカ合衆国で唯一、王朝の宮殿として使われた建物である。建てられたのは1882年。ハワイ王朝終焉の舞台となったこの宮殿は、イタリアの宮殿様式を踏襲しているが、あちこちに独自のアレンジがあるのが興味深い。また、ビショップストリートにあるアレキサンダー&ボールドウィン・ビルディングも、最もハワイらしい建物だ。ハワイアン・リージョナル様式としか言いようのないデザインは、中国や日本、チベットなどの影響を感じさせるデザインに、アールデコやイタリアの雰囲気を混ぜ合わせたようなもので、同じような建物は世界を探してもなかなか見られないだろう。不思議なバランスが保たれているのがおもしろい。
そのほか、ゴシック・リバイバル様式の華と言われるアロハ・タワーや、スパニッシュ・ミッション・リバイバル様式のホノルル・ハレ、ゴシック様式のセント・アンドリュー大聖堂なども必見だ。
・ホノルル市 http://starbulletin.com/specials/holoholo
・ハワイ歴史街道ツアー
http://hawaii-historic-tour.com
・イオラニ宮殿 http://www.iolanipalace.org
▽関連記事
ハワイの新しい顔、ダウンタウン・歴史散策ツアー(2007/11/09)
〜ホノルル周辺の美術館・ギャラリーめぐり、パート1〜
ハワイ滞在中に、美術館やアートギャラリーめぐりを楽しむ日本人はまだそれほど多くはない。しかし、フラやハワイアンキルトなどへの関心が高まるにつれて、ローカルアートに触れたいという人はますます増えていくことだろう。ビショップ博物館のように、積極的に日本マーケットの開拓に力を入れている施設(※関連情報: 体験レポート−その7 ビショップ・ミュージアムのカルチャープログラム)もあるし、ワイキキ周辺ではユニークな月例アートイベントも盛んだ。また、ホノルルのダウンタウンには、ビクトリア王朝様式からアールデコ時代を象徴する美しい建築物が残されている。「アート体験」はハワイ旅行の概念を覆すほどの、旅の深みを増してくれる。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
ゆったりとゴーギャンの名作に向き合う豊かな時間
東京なら、世界中から集められた美術品に比較的、簡単に出会うことができる。しかし、うんざりするほど長い行列ができることもめずらしくなく、人の流れに押されるように移動しなければならない。ゆっくりと作品にむかいあう幸せはなかなか望めないものだ。ところが、「ホノルル美術館」でなら、そんな贅沢で豊かな時間を満喫することができる。
実業家夫人でアートコレクターとして有名だった、アナ・ライス・クック女史のプライベート・コレクションを中心として1927年に創設されたホノルル美術館。大きな木々に囲まれ、美しい中庭も持つ館内には、ハワイや太平洋諸島の伝統美術作品のほか、中国や日本、ヨーロッパのアートまで、5万点あまりの作品が幅広く集められている。北斎の『富嶽三十六景』をはじめ、浮世絵のコレクションでは世界的に知られており、日本での里帰り展覧会なども催されているほどだ。特に見逃せないのは、印象派など19世紀から20世紀のヨーロッパ絵画を集めた展示室。ゴーギャンの傑作の一つに数えられている『タヒチの浜辺の女たち』や、モディリアーニの『座る裸婦』、モネの『睡蓮』やゴッホの『麦畑』などが並び、我が物のように自分のペースで堪能できる。
ここでは、パビリオン・カフェでのランチをはさんで、ゆっくり時間を過ごしてみたい。ホノルル美術館が実施する日本語による無料の館内ツアーや、「シャングリラ」と呼ばれ、ハワイで最もゴージャスな邸宅として知られるドリス・デューク邸の見学ツアー(要予約)に参加するのもおすすめ。また、毎月の最終金曜日の夜は「アート・アフター・ダーク」と呼ばれるイベントが催され、月ごとにテーマを変え、料理やエンターテインメントが披露される。アートなパーティとして、ローカルの人たちに人気があるので、リピーターやロングステイ向けのオプショナルとして紹介することもできるだろう。
・ホノルル美術館 http://www.honoluluacademy.org
ホノルルのダウンタウンはレトロな建築の宝石箱
州庁などお役所の建物が並ぶダウンタウンは、建築や歴史に興味がある観光客にとって散策が楽しいエリア。特にゴシック・リバイバルやスパニッシュ・ミッション・リバイバル様式の建築の素晴らしさでは、アメリカの主要都市と十分に肩を並べることができるだろう。ホノルル市はダウンタウン周辺で歴史的に重要な建築を50軒選び、ホームページで詳しく紹介している。日本語での歴史ツアーを催行している会社もあり、これも見逃せない素材だ。
ダウンタウンの歴史的建造物の中で、最も有名なのはイオラニ宮殿だろう。アメリカ合衆国で唯一、王朝の宮殿として使われた建物である。建てられたのは1882年。ハワイ王朝終焉の舞台となったこの宮殿は、イタリアの宮殿様式を踏襲しているが、あちこちに独自のアレンジがあるのが興味深い。また、ビショップストリートにあるアレキサンダー&ボールドウィン・ビルディングも、最もハワイらしい建物だ。ハワイアン・リージョナル様式としか言いようのないデザインは、中国や日本、チベットなどの影響を感じさせるデザインに、アールデコやイタリアの雰囲気を混ぜ合わせたようなもので、同じような建物は世界を探してもなかなか見られないだろう。不思議なバランスが保たれているのがおもしろい。
そのほか、ゴシック・リバイバル様式の華と言われるアロハ・タワーや、スパニッシュ・ミッション・リバイバル様式のホノルル・ハレ、ゴシック様式のセント・アンドリュー大聖堂なども必見だ。
・ホノルル市 http://starbulletin.com/specials/holoholo
・ハワイ歴史街道ツアー
http://hawaii-historic-tour.com
・イオラニ宮殿 http://www.iolanipalace.org
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