ハワイ体験レポートその16−“憧れのハワイ航路”気分を楽しむ
“憧れのハワイ航路”気分を楽しむ
〜新たなハワイに気付く新素材 ハワイ・スーパーフェリー〜
豪華客船でハワイへ――。“憧れのハワイ航路”のメロディが今も心の奥に残るシニア世代から、ロマンチックな新婚カップルまで、ハワイの“航路”は誰もが夢見る旅行のひとつだろう。ワイキキの海辺やダイヤモンドヘッドなど、刻々と迫る景色を眺めながらホノルルに近づく感動は、船ならではの醍醐味だ。ハワイにはNCLコーポレーションによる1週間のハワイ諸島クルーズもあるが、同じ感動をもっと手軽に体験する手段もある。昨年12月に就航し、4月7日に運行を再開したオアフ島とマウイ島間を結ぶスーパーフェリー。レンタカーを利用する旅行客にはもちろん、ハワイ周遊旅行の素材として応用範囲が広がりそうだ。(取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
壮麗な自然のドラマ、新たなハワイの魅力に気付く旅
このフェリーを利用する最大の魅力は、目の前に広がる太平洋の雄大さだろう。そして、島影がだんだん大きくなっていくのを眺める感動――。海から島全体を眺めると、ハワイ諸島が激しい火山活動で生み出されたことを改めて思い出す。大自然の膨大なパワーが肌に伝わってくるようだ。島を包み込む緑の深さにも心を動かされる。ハワイのリピーターにとっても、新しい視点からハワイの魅力を感じてもらえるはずだ。
「フェリー」という言葉からは、贅沢さやゆったりとくつろげる雰囲気は伝わりにくいが、「ミニクルーズ」としてその魅力を伝えれば、ツアーの素材として十分な可能性があるだろう。3時間という航海時間も、ランチを提供することで「適度な時間」として良い思い出作りを演出できると思われる。
ビジネスクラス並みのハハルア・ラウンジ
オアフ島とマウイ島を結ぶアラカイ号は全長107メートル。最大乗船客数は866名で、搭載車両は小型車で最大282台となっている。しかし、客席は余裕を持たせたつくりとしているため、通常の乗客数は400名程度。車両は乗用車、バス、トラックなどを合わせて110台ほどを想定しているという。
船内の客席は2つのクラスに分かれており、20米ドルの追加料金で「ハハルア・ラウンジ」クラスにアップグレードできる。このハハルア・ラウンジには、眺めの素晴らしい大きな窓に向かい、航空機のビジネスクラス並みの贅沢なシートが並んでおり、リクライニングも十分。専用のフードバーもあり、ワインなどの酒類もオーダーでき、フェリーからは想像できないリッチな体験が楽しめる。それぞれの座席には小さなテーブルもついており、ここで軽いランチなどを食べながらゆったりくつろげば、単に移動の手段でなく、フェリー自体も旅行の目的として十分満足してもらえる。出港時のウエルカムドリンクやコーヒーの無料サービスがあるのも、このラウンジの特典だ。
一方、一般席も座席の座り心地も快適だ。こちらにもレストラン/ラウンジがある。売店の品揃えは豊富で、サンドイッチやスナックなどが比較的リーズナブルな値段で売られている。コンセントのついた机も用意されており、洋上での旅行記作成をはじめ、ビジネス客にも便利だ。このほか、小さな子供のための遊び場、家族や小グループで利用できるソファーなどもある。
おすすめはマウイ島からオアフ島へ向かう午後の航路
ハワイ・スーパーフェリー社は2009年までに、オアフ島を基点としてマウイ島、カウアイ島、ハワイ島を結んだ2隻のフェリーを就航する予定。2008年3月現在はオアフ島とマウイ島間を毎日1往復している。運航にあたり、環境汚染やクジラの繁殖を阻害するおそれがあると反対運動があり、その対策としてアラカイ号は排水を海の中に放出しない構造や、船底には特殊な無毒性のペンキを使うなど、環境に十分配慮するための技術を導入している。また、鯨の生息地域を避けるために、素早い航路変更ができることも自慢の一つだ。
アラカイ号は、早朝6時30分にオアフ島のホノルルにある「ピア19」から出航する。マウイ島のカフルイ港へは午前9時30分着。復路は午前11時00分に出航し、ホノルルには午後2時00分に戻るというのが一日のスケジュールだ。「ピア19」まではバスなどの公共交通よりも、タクシーやレンタカーの方が利便性がよく、ホノルルの中心から数十分でアクセスできる。出航の1時間前には乗船手続きをするようになっているので、ゆったりした旅程が望ましいツアーに組み込む場合は、マウイ島から乗船し、船内でランチを食べて海からホノルルへ到着する“憧れのハワイ航路”気分を演出することもおすすめだ。
さらに毎年冬になると、ハワイ諸島の周辺には7000頭以上のザトウクジラが繁殖のためにやってくる。アラカイ号は高速で航海するが、船体の方向を変える機能に優れており、クジラなど海洋動物の生活圏を回避できるよう細心の注意が払われている。しかし、運がよければザトウクジラが大きく海面から飛び上がるのを見るチャンスがあるかもしれない。船にはオープンエアーのデッキもあるので、機体を胸に双眼鏡を携帯し、利用してみたい。
▽ハワイ・スーパーフェリー
http://www.hawaiisuperferry.com
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◆ハワイ、オアフとマウイを結ぶスーパーフェリーが運行再開−特別料金も設定(2008/04/08)
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このフェリーを利用する最大の魅力は、目の前に広がる太平洋の雄大さだろう。そして、島影がだんだん大きくなっていくのを眺める感動――。海から島全体を眺めると、ハワイ諸島が激しい火山活動で生み出されたことを改めて思い出す。大自然の膨大なパワーが肌に伝わってくるようだ。島を包み込む緑の深さにも心を動かされる。ハワイのリピーターにとっても、新しい視点からハワイの魅力を感じてもらえるはずだ。
「フェリー」という言葉からは、贅沢さやゆったりとくつろげる雰囲気は伝わりにくいが、「ミニクルーズ」としてその魅力を伝えれば、ツアーの素材として十分な可能性があるだろう。3時間という航海時間も、ランチを提供することで「適度な時間」として良い思い出作りを演出できると思われる。
ビジネスクラス並みのハハルア・ラウンジ
オアフ島とマウイ島を結ぶアラカイ号は全長107メートル。最大乗船客数は866名で、搭載車両は小型車で最大282台となっている。しかし、客席は余裕を持たせたつくりとしているため、通常の乗客数は400名程度。車両は乗用車、バス、トラックなどを合わせて110台ほどを想定しているという。
船内の客席は2つのクラスに分かれており、20米ドルの追加料金で「ハハルア・ラウンジ」クラスにアップグレードできる。このハハルア・ラウンジには、眺めの素晴らしい大きな窓に向かい、航空機のビジネスクラス並みの贅沢なシートが並んでおり、リクライニングも十分。専用のフードバーもあり、ワインなどの酒類もオーダーでき、フェリーからは想像できないリッチな体験が楽しめる。それぞれの座席には小さなテーブルもついており、ここで軽いランチなどを食べながらゆったりくつろげば、単に移動の手段でなく、フェリー自体も旅行の目的として十分満足してもらえる。出港時のウエルカムドリンクやコーヒーの無料サービスがあるのも、このラウンジの特典だ。
一方、一般席も座席の座り心地も快適だ。こちらにもレストラン/ラウンジがある。売店の品揃えは豊富で、サンドイッチやスナックなどが比較的リーズナブルな値段で売られている。コンセントのついた机も用意されており、洋上での旅行記作成をはじめ、ビジネス客にも便利だ。このほか、小さな子供のための遊び場、家族や小グループで利用できるソファーなどもある。
おすすめはマウイ島からオアフ島へ向かう午後の航路
ハワイ・スーパーフェリー社は2009年までに、オアフ島を基点としてマウイ島、カウアイ島、ハワイ島を結んだ2隻のフェリーを就航する予定。2008年3月現在はオアフ島とマウイ島間を毎日1往復している。運航にあたり、環境汚染やクジラの繁殖を阻害するおそれがあると反対運動があり、その対策としてアラカイ号は排水を海の中に放出しない構造や、船底には特殊な無毒性のペンキを使うなど、環境に十分配慮するための技術を導入している。また、鯨の生息地域を避けるために、素早い航路変更ができることも自慢の一つだ。
アラカイ号は、早朝6時30分にオアフ島のホノルルにある「ピア19」から出航する。マウイ島のカフルイ港へは午前9時30分着。復路は午前11時00分に出航し、ホノルルには午後2時00分に戻るというのが一日のスケジュールだ。「ピア19」まではバスなどの公共交通よりも、タクシーやレンタカーの方が利便性がよく、ホノルルの中心から数十分でアクセスできる。出航の1時間前には乗船手続きをするようになっているので、ゆったりした旅程が望ましいツアーに組み込む場合は、マウイ島から乗船し、船内でランチを食べて海からホノルルへ到着する“憧れのハワイ航路”気分を演出することもおすすめだ。
さらに毎年冬になると、ハワイ諸島の周辺には7000頭以上のザトウクジラが繁殖のためにやってくる。アラカイ号は高速で航海するが、船体の方向を変える機能に優れており、クジラなど海洋動物の生活圏を回避できるよう細心の注意が払われている。しかし、運がよければザトウクジラが大きく海面から飛び上がるのを見るチャンスがあるかもしれない。船にはオープンエアーのデッキもあるので、機体を胸に双眼鏡を携帯し、利用してみたい。
▽ハワイ・スーパーフェリー
http://www.hawaiisuperferry.com
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