ポーランド、2012年にサッカー欧州選手権開催でインフラ改善へ

  • 2008年4月14日
 ポーランド政府は、2012年にウクライナと共催するサッカー欧州選手権「UEFA  EURO2012」を機会に、大規模なインフラ計画を進める。4月11日に開催した日本企業向け投資促進セミナーで、観光・スポーツ副大臣のトマシュ・プーグラブスキ氏は、「総投資額は約70億ユーロ(約1兆1245億8000万円)」とし、「投資対象は鉄道や道路、航空関係、ホテルなど」と説明。また、セミナーを後援した日本貿易振興機構理事の竹田正樹氏も、ポーランドの経済が発展を続けていることに触れつつ、日系企業の進出数が、2000年末の57社から2007年末には218社になったと紹介。西欧と東欧や、さらにその東側をつなぐ地理的な好条件もあり、今後も日系企業の進出ニーズは高いという見通しを示した。

▽道路、鉄道などを整備、ドイツ/ワルシャワを結ぶ新たな道路も建設

 ポーランドは、2012年のサッカー欧州選手権を控え、昨年から道路や鉄道など、インフラの整備を進めている。2010年にはグザビアからワルシャワ空港を結ぶ地下鉄を建設、他路線と空港で乗り継げるため利便性を向上するねらいだ。ただし、工事中は仮設の駅を利用することとなる。また、ヴァリッツァ空港と市の中心を結ぶ鉄道や、ワルシャワ中心部を横断し、スタジアムのある東側へとつなぐ鉄道の建設も予定しており、サッカー選手権開催以降もさらなるポーランドの発展につながりそうだ。

 2005年から2007年にかけて、国道や高速道路における指針が作成され、670キロメートルの国道や300キロメートルのにおよぶ高速道路を建設するほか、市内のバイパス補強などを行っている。さらに、2012年にはワルシャワ/ドイツ間を結ぶ450キロメートルの道路の建設を予定しており、今年から2012年にかけては約1200億をかけた道路建設などのインフラ整備を計画中だ。ポーランドでは、2013年までに国道での交通事故を75%減少させることを国の目標としても掲げ、2005年からの交通整備により2007年は30%減少しており、整備にともなう信頼性や安全性の向上にも取り組んでいる。