日本ホテルスクール、ヒルトンと年に15名規模の海外研修を実施、計250名修了

  • 2008年4月11日
 日本ホテルスクールは先ごろ、ヒルトン・ホテルズ・コーポレーションとの海外インターンシップ研修制度の14期生修了式と、同制度の発足15周年記念パーティを開催した。同スクールでは1994年から、ヒルトンとの1年間の海外研修プログラム「ヒルトン・プロフェッショナル・ディベロップメント・プログラム−ジャパン」を実施。同制度を実施するのは、日本では同スクールのみだという。通常、海外ホテルとのインターンシップは、1軒に付き3、4人程度の規模だが、ヒルトンとのプログラムではホテルグループとして受け入れのため、年平均18名、14年間の累計262名が研修した。受け入れ先は現在、17ヶ所で、グアムが83名、ハワイが73名、カリフォルニアが52名を含むアメリカ各地のほか、オーストラリアでも4名が研修したという。


▽インターンシップの効果と成功の秘訣は

 インターンシップは国土交通省がワーキンググループ立ち上げ、先月にモデル事業を開始するなど、産学連携として注目されている分野だ。この議論の中では、雇用側と学生側のミスマッチや、教育効果が不十分といった課題も多く噴出した。しかし同スクールでは、1987年から海外ホテルとのインターンシップを実施しており、今ではヒルトンのほか、ヨーロッパやアジアのホテル4軒と米国のテーマパーク1社と実施。「現場のみならず、セールス、マーケティングなど、管理部門の研修もある。また、能力次第では清掃部門のコントローラーや、セールスのアシスタントなど、インターンシップでも責任ある職を実践することも可能。非常に大きな財産となっている」と評価している。

 これについて、同スクールではインターンシップ提携先には「厳しい条件を求めている。給与の支払いや食事などの待遇を含め、細かいところまで要請している」という。また、送り出す卒業生にも、その状況に加え研修での意義などを伝えるほか、研修中や研修後も担当教師がメールなどを利用し、サポートに努めている。同スクールには「無給なら、海外インターンシップの話は多くある。しかし安易に実践の場という名の元に単なるアルバイトとしてで終わっているとも聞く」という。インターンシップの成功には双方の理解と努力が欠かせないようだ。


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