アラスカ、冬の需要が増加、オーロラ以外の素材でリピーター、長期滞在も

  • 2008年4月4日
 アラスカ観光協会は先ごろ、日本航空(JL)、フェアバンクス観光協会の協力を得て、プレスツアーを開催した。JLの冬期チャーターのさらなる需要喚起をはかるため、アラスカの冬にしか味わえない観光素材を視察するのが目的だ。

 アラスカは夏のイメージが強いが、このところ、冬の観光も注目されている。JLのアラスカチャーター便が開始された2003年度は夏期の8本のみであったが、2004年度には夏期の13本に加え、冬には3本運航。2005年度には夏期11本、冬期7本、06年度には夏期16本、冬期10本と順調に拡大している。さらに07年度には夏期14本のところ冬期は16本と、初めて夏を上回り、そのうち2便は名古屋と福岡といった地方発が設定されたという。

 冬のアラスカに旅行者を呼び寄せる素材といえば、なんといってもオーロラだ。アラスカ観光協会の浅野氏によると、オーロラ鑑賞の愛好家は「1度見れば満足するものではなく、次はもっといいものが見られるのでは、と期待する人が多い」との特徴をあげる。そのため、リピーターが多く、今回のプレスツアー中にも行く先々でJLのチャーター便に同乗していた日本人客と出会ったが、その多くはリピーターであった。オーロラは、オーロラベルトといわれる高緯度であれば、世界各国で見られるが、中でもフェアバンクスは晴天率がよいことから、他の国・地域でオーロラを鑑賞していた人が、フェアバンクスにシフトしつつあるようだ。

 さらに、屋内外で楽しめるアクティビティも多い。市内観光のほか犬ぞりやスノーモービル、遊覧飛行、チナホットスプリングスの温泉など、多様な観光素材でさまざまな体験を可能としている。客層は中高年の女性が多く、今回出会った日本人客の中には、自炊用の鍋を持参し、北極圏の小さな村での滞在を含め13泊するという人もいた。オーロラベルト以北の冬は雪に閉ざされ、オーロラ以外には何もすることがないのではとの印象を抱かせるが、少なくともアラスカは冬でしか味わえない多様な魅力があるといえるだろう。

 これにあわせ、JLのチャーター運航にも変化が見られる。夏期には既にアンカレッジ/フェアバンクスのオープンジョーの運航を実施しているが、08年度以降は冬期でもフェアバンクスの単純往復のみならず、フェアバンクスに入り、アンカレッジから出る計画もあり、多彩なコースの組み立てができるよう、現地オペレーションにも変更があるようだ。また、夏期についてはさらにクルーズを組み込んだチャーター便運航も計画されており、夏期だけで15便の運航が予定されている。

 なお、フェアバンクス空港は現在、新ターミナルを建設しており、5月7日にオープン。同空港では到着後、入国審査場に移動する際は一度外に出る必要があったが、新ターミナルのオープンにより、この問題が解決される。また、入国審査のブース数も4ヶ所から6ヶ所に増加する。

写真提供:小笠原亜人矛


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