アロハ航空、2度目のチャプター11申請へ−過当競争と燃油費高騰で

  • 2008年3月24日
 アロハ航空(AQ)の親会社であるアロハ・エアグループは現地3月20日、アメリカ連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。AQは2004年にもチャプター11を申請しており、今回が2度目。AQはチャプター11申請により、約3500人の雇用、旅客輸送、米本土とハワイ島嶼間の郵便や貨物輸送などのサービスを継続するとしている。

 なお、チャプター11適用下で、近年ではデルタ航空(DL)、ノースウエスト航空(NW)、ユナイテッド航空(UA)の米系大手航空会社が再建を果たしている。AQも現在のところ、これまでどおりの旅客輸送、および今後の予約受付を行うとしている。運航路線はハワイ島嶼間、および米本土線の路線減は現時点ではないとしているが、再建計画次第で路線の縮小も検討課題になると想定される。

 AQは今回の申請について、ハワイ島嶼間の旅客輸送の過当競争と原油費の高騰をあげている。競争は、2006年にメサ・エアグループが格安航空会社「Go!」の運航をはじめ、諸島間の運賃を39ドルとし、ハワイでは大きなインパクトを与えた。これを受け、AQなど競争各社は価格面で追随する動きが見られ、当初から過当競争ではないかとの指摘や、各社の経営状況を懸念する声があった。また、原油価格が一段と高騰したことも、この時期にチャプター11を申請する材料になったもよう。先ごろ原油価格が111米ドルを記録し、AQはこの水準では「年間で7100万ドル(約70億円)の燃油費の増加」と、厳しい経営状況を明らかにしている。