ハワイ体験レポートその14−ローカルの味わいで文化を知る

  • 2008年3月21日
ローカルの味わいで文化を知る
〜カピオラニのファーマーズマーケット〜



その土地の文化を知るには、マーケットに行くのが一番。オアフ島の場合は、スワップミートやファーマーズ・マーケットを訪れてみるのがいいだろう。主に週末、郊外の公園や駐車場で行われるこうしたマーケットでは、とれたての野菜や果物、あるいは地元アーティストによる工芸品など、ハワイアンカルチャーの数々を見てまわることができる。今回はカピオラニ・コミュニティ・カレッジでのファーマーズ・マーケットを紹介しよう。(現地取材:加藤明子)



ハワイ通の日本人旅行者が夢中になる味

 毎週土曜日の朝、カピオラニ・コミュニティ・カレッジでは、ファーマーズ・マーケットが開かれる。主にオアフ島の農家が集まり、自分たちが栽培したアイテムを販売している。農家直送なので、野菜や果物は新鮮。しかも、ワイキキ市内で売られている土産店よりも値段が格段に安いのが魅力だ。メイド・イン・ハワイのアイテムが手軽な値段で購入できるので、地元で暮らすロコたちはもちろん、最近では観光客の間でも人気のスポットになっている。

 なかでも人気が高いのが、「パシフィクール」(PacifiKool)のジンジャーシロップ。屋台ではボトル売りのほか、シロップを炭酸水で割った「お手製ジンジャーエール」を販売している。甘さの後から追いかけてくるショウガのさわやかな香りが、暑さで乾いた喉に気持ちいい。ハワイ通の日本人旅行者の中には、このシロップを大量に買っていく人も多いというのもうなずける。

 珍しいところでは、「シー・アスパラガス」という食材がある。もともとはメキシコ原産の海藻で、ハワイではウェンハオ博士の指導のもと、オアフ北部のカフク地方でのみ栽培されている。形は小型のアスパラガスに似ていて、おかひじきのようなシャキシャキとした食感が面白い。海藻そのものに塩気が多く含まれているので、軽くゆでてトマトと和えるだけで、簡単なサラダとして食べられる。ドレッシングが不要のヘルシー食材だ。



有名シェフも利用する、高品質の食材で朝食を

 ファーマーズ・マーケットが人気を集めている背景は、ハワイのグルメシーンを牽引した有名シェフたちの功績によるところが大きい。彼らが良質で新鮮な食材を求めた結果、地元産の農作物に注目が集まり、農業の活性化に結びついた。2006年には、ハワイ州政府の呼びかけのもと「シール・オブ・クオリティ」というプログラムが実施され、安全で品質が良く、健康基準を満たした地元産の食品を推奨する動きもある。実際ファーマーズ・マーケットを歩いてみると、「シール・オブ・クオリティ」のシールが貼られたアイテムも多数並んでいる。

 ほかにも、地元産のトウモロコシを使ったポップコーンや、焼きたてパンを売るベーカリー、新鮮な肉類を使ったピッツェリアやソーセージスタンドなどもあり、ショッピングの合間にぜひ、朝食を味わいたい。試食させてくれるところも多く、食べ歩くうちにお腹がいっぱいになることも。また、食品だけでなく、ランやブーゲンビリアなどの植物を販売するブースもある。

 ローカル産の食品に触れ、味わい、農家の人々と言葉を交わしながら、リアルなハワイの食文化を知ることができるファーマーズ・マーケット。有名レストランで食事をするのもいいが、こうしたマーケットで新鮮な食材を買いこんで浜辺でバーベキューをするといった楽しみ方もできる。特にコンドミニアムを利用する旅行者、長期滞在者はぜひ訪れて、楽しんでほしいスポットだ。