観光活性化フォーラム
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ラサ暴動、各社とも旅行者に被害なし−再開は渡航情報の引き下げを待つ

  • 2008年3月18日
 中国・チベット自治区のラサ市で発生した暴動に関連し、回答を得た旅行会社10社は全て、「旅行者に被害は出ていない」とし、それぞれの対応も済ませている。募集型企画旅行は、おおよそ4月中旬から4月末までの催行中止を決定しており、いずれも「渡航情報の引き下げを待つ」との対応をとるようだ。また、手配旅行については、「危険性を説明したうえで、それでも希望された場合」対応する会社が多い。

 このうち、ジェイティービー(JTB)は、4月出発のツアーは16本の催行を予定しており、52名の予約があった。現在までのところ、4月4日発までの催行中止を決定。5日発以降は3月28日に決定する方針だ。クラブ・ツーリズムも3月後半と4月に6本を設定しており、70名の予約を受けていたが、4月30日発まで全て中止とし、「以降は3月中に判断する」という。

 一方、現地に旅行者がいたケースでは、エイチ・アイ・エス(HIS)が、「青蔵鉄道に乗っていた旅行者がいたものの、市内に入らず戻った」という対応で、「現在は期限を設けずにツアーを中止している状態」という。また、多い時期には月間約100名を送客する西遊旅行は、「発生当時13人の旅行者と添乗員1人が現地にいた」というものの、「ラサ市内ではなく、16日に無事、全員帰国している」という。西遊旅行によると、オン・シーズンは4月から9月で、ちょうど需要が高まっていく時期に今回の事態が重なってしまった格好だ。なお、同社は4月後半までの催行を中止し、これ以降は今月中に決定する方針だ。

 なお、回答を得た10社は、JTB、HIS、近畿日本ツーリスト、日本旅行、阪急交通社、ANAセールス、クラブ・ツーリズム、ジャルパック、ユーラシア旅行社、西遊旅行。


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