海外運輸協力協会、マレーシア・ベトナム観光開発促進協力調査報告会を実施

  • 2008年3月11日
 海外運輸協力協会は7日、国土交通省から受託したマレーシア、ベトナムの観光開発促進協力調査の報告会を実施した。これにより、マレーシアの観光資源を利用したエコツーリズムの促進、また日本人旅行者誘致について、ベトナムにおいては、ホーチミンを起点とした日本人旅行者の滞在日数の延長ついて、提言した。

 マレーシアはボルネオ島のサバ州、サラワク州を対象に調査。サバ州には植物が豊富なキナバル山国立公園や、鍾乳石や複数の家族が実際に暮らすロングハウスが残るグヌン・ムル国立公園など多くの自然資源があり、オランウータンやテングザルなどの動物に出会うこともできる。さらに、改善事項として、日本語ガイド養成や宿泊施設が制限を設けるキャリング・キャパシティの整備などを挙げ、旅行客の増加で予想される環境破壊に関しては、現在の環境保全が管理されているとし、既にある自然資源を残しながら観光産業のソフト面である人材や文化交流などの拡充が重要であると提言した。

 ベトナムでは、日本企業の進出が続き日本人渡航者数が増加しているが、短期滞在である場合が多いため、ホーチミンを起点とした中部、南部の観光開発を進め滞在期間の延長を目的とした観光開発についての調査を行った。ホーチミンをゲートウェイとしてカントーの水上マーケットやミトーのメコンクルーズのほか、ダナン周辺のホイアン旧市街、ミーソン遺跡などの世界遺産が有名で、現在ダラット空港やカムラン空港、ミトーの船着場整備のほか、日本の援助で整備したカントー橋やダナンとフエを結ぶハイバントンネル利用によって移動時間の短縮に繋がるという。インフラ面の整備が進む中でも、ホーチミンやその他観光都市での交通事故死が多発していることから渋滞緩和は必須であるとした。観光面においては、文化スポーツ観光省(VNAT)の観光学校へ日本人専門家の派遣を検討するほか、国内、海外の観光促進が区別されていないためマーケティング活動を支援、今後、各省観光局の代表を集め、観光マーケティングのノウハウを提供する場を設けたいとした。