ハワイ体験レポート−その10 総合リゾートホテルで楽しむハワイ

  • 2008年2月22日
総合リゾートホテルで楽しむハワイ
〜ヒルトン・ワイコロア・ビレッジとヒルトン・ハワイアン・ビレッジ〜



ハワイを体験できるのは、観光地やアトラクションばかりではない。宿泊先のリゾートホテルでも、各種アクティビティのほか、施設内の施設に工夫を施し、ハワイらしさの演出と“体験”の提供に努めている。単に宿泊するだけでなく、リゾート内を活用して滞在そのものを楽しめば、ハワイ旅行らしさが感じられる要素がたくさんある。ハワイきっての総合リゾート、ヒルトンのハワイ島とオアフ島の各プロパティでの体験を紹介しよう。(地取材:宮田麻未、写真:神尾明朗)



ヒルトン・ワイコロア・ビレッジ
ゴージャスな落日と迫力のポリネシアンダンス


 ハワイ島のヒルトン・ワイコロア・ビレッジの特徴は、恵まれた自然環境を生かしたアクティビティの多様さだ。敷地内には荒々しい溶岩の岩場、真っ白な珊瑚の砂浜、イルカが棲むラグーンなどがある。大きな滝やウォータースライドなどがあるプールも楽しみだが、私にとって一番魅力的だったのは、広々としたラグーン。ここには海水が入り込んでくるので、ときどき海亀がやってくることもある。波の来ない静かな水面にぽっかり浮かんで空を見上げると、積み重なったストレスがゆっくりほぐれていくようだった。

 そして特に私の印象に残ったのが、夕刻以降のひととき。ホテルは島の西側に広がっているので、多くの客室から素晴らしい落日が見渡せる。まだ空に薄紅色がかすかに残っている間に、海岸沿いの遊歩道を通ってカメハメハ・コートに向かおう。週に2度、この野外ステージでポリネシアの伝統的な宴会を再現した、ルアウ・ショーが行われる。会場には、タロイモや魚介類を使ったハワイの伝統料理が並ぶバイキングの食事を味わいながらショーを楽しむ。料理は油が少なく香辛料も強くないので、日本人の口にあう。ステージに近い大型のテーブルでは、バイキング形式ではなく、料理を運んでもらうことも可能だ。

 ステージでの踊りと歌は、ポリネシア各地の特徴をいかしたもので、かなりの迫力。古代のポリネシアでは、戦いの前に踊って士気を高めたそうだが、力強い足踏みや激しい動きが、戦いへの意欲を再現しているかのようで、踊り手の誇りがこちらにも十分伝わってくる。燃え盛るたいまつを操るダンスが始まると、ルアウはまもなくフィナーレ。踊り手が「一緒に踊りましょう!」と手を差し伸べてくる。日本人観光客の中から舞台に上がった人は少なかったが、笑顔で応じる人も多く、子供たちも張り切った様子で立ち上がる。

 みんなが踊り始めると、客席のあちこちで笑顔が広がった。その笑顔の中には、ステージに上がらなかったことを後悔したような笑いも混じっていたようだ。私もその一人。手や足の動きはぎこちなくても、舞台の上の人は顔を輝かせていたからだ。もう一つ後悔したのは服装だ。もちろん、カジュアルな服装で十分だが、せっかくルアウに参加するなら、ムームーやアロハなどハワイ風の装いのほうが、リラックスできるし、その場の雰囲気にさらになじむ気がする。ぜひ、服装からもハワイらしさに浸ってみてはいかがだろうか。

▽参考情報
ヒルトン・ワイコロア、ドルフィン・デイズ・サマー・フェスティバル開催(2007/05/07)


ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ビーチ・リゾート
「動」から「癒」までの多彩な施設−スパでハワイの伝統を体験


 ヒルトン・ハワイアン・ビレッジは、「ビーチ直結」のリゾート。ハワイでは海岸は全てパブリックなので、ホテルのプライベート・ビーチというのは存在しないが、このヒルトンの場合、ホテルの敷地が大きいので、ビーチはほとんどホテルの宿泊客専用という雰囲気だ。

 東京ドーム2つ半がすっぽり入る敷地には、6つのタワーが立ち並び、ワイキキの中にありながら、完全に独立したリゾートのような気分になれる。20あまりのレストランから90以上ものショップ、プール、さらにペンギンやフラミンゴが遊ぶエリアなど、施設は万全。宿泊者向けに敷地内の熱帯植物を観察するツアーを催行したり、フラやレイ作り、ハワイアンキルトのワークショップなど、ホテル内で十分にハワイを満喫できる工夫がいたるところにある。ワイキキ名物でもある毎週金曜夜の花火も、同リゾートが打ち上げるものだ。

 その中で今回、体験したのは、スパ。リゾート内の「マンダラ・スパ」で、ハワイ独自のヒーリング・マッサージである、ロミロミを体験してみた。ロミロミはハワイ語で「揉む、ぎゅっと手を握る」などの動作を表すことば。もともとは祈りや呼吸法も含めた宗教的な色合いの濃い“医療法”ともいうべきもので、王家の人々など特別な人以外には許されていなかったそうだ。今でもロミロミは、血行促進や筋肉をほぐすなどの機能的な作用のみならず、自然治癒力を高め、深いリラックス効果をもたらすことが重視されているという。

 親指で円を描くようにしたり、前腕全体を使ったりしてマッサージするのが、ロミロミの特徴。最近、肩こりがひどくつらい思いをしている私には、手だけではなく、腕にグッと体重をかけて背中などを揉まれると、筋肉の深部にまで効果が伝わってくるようだ。血行が良くなっていくせいか、手足の先までポカポカしてくる。体験トリートメントだったので時間は30分ほどだが、それでも“至福の時”を満喫することができた。ハワイの伝統をまさに体感しながら、心も体もすっかりリラックス…。「ぜひ、また来たい!」と思った。



デューク・カハナモク・ラグーンがリニューアル

 ヒルトン・ハワイアン・ビレッジの1年間の改修
工事を終えたばかりのデューク・カハナモク・ラグ
ーンがリニューアルオープンした。

 ラグーンは波の打ち寄せる海岸とも、人工的なプ
ールとも違う不思議な癒しの場。最先端の循環装置
を設置し、毎日5回、海面下80メートルのところか
ら汲み上げた海水を使って入れ替えるので、常に美
しい水がラグーンを満たしている。一周580メート
ルのラグーンの周囲には白砂のビーチが広がり、椰
子の木やさまざまなポリネシア自生の熱帯植物が植
えられた。ラグーンの中には小さな島が作られ、滝
が流れている。また、アクアサイクルやゴムボート
などのレンタルも可能だ。

▽参考情報
◆ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ、デューク・カハナモク・ラグーン再開へ(2007/10/29)ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ、新タワー建設、大規模リニューアル実施(2007/09/14)ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ、Eチェックインなどサービス開始(2006/05/22)