ハワイ体験レポート−その9 パーカー・ランチで牧場体験ツアー
火山の裾野でパニオロ(ハワイのカウボーイ)気分
―パーカー・ランチで牧場体験ツアー―
ハワイ島の北部、深い緑に覆われたコハラ山脈と標高4205メートルのマウナケア山との間にどこまでも続く広大な草原には、5万頭以上の牛が飼育されている。このパーカー・ランチは、アメリカで最も広大という15万エーカーもの敷地を持つ牧場の一つ。しかも160年以上の長い歴史を持っている。ここでは雄大な山々を眺めながら、のんびりと馬の背に揺られ、パニオロ気分を体験できる牧場体験ツアーが催行されている。日ごろのストレスが雄大な景色の中にスッと溶けて消えていくようなアクティブな癒し効果に加え、ハワイの歴史も触れられる、意外な側面も期待できそうだ。(現地取材:宮田麻未、写真:神尾明朗)
▽パーカー・ランチ http://www.parkerranch.com
◆馬で巡ってこその牧場体験
パーカー牧場での体験ツアーの魅力は、なんといってもその環境の素晴らしさ。馬は良く訓練されており、全く乗馬の経験がなくても不安はない。日本語のガイドをアレンジすることも可能だ。パニオロたちが牛を追うおおらかな姿を見ることができるのも嬉しい。
パーカー・ランチでは乗馬のほかにも、厚みたっぷりの牛肉を野外バーベキューで味わったり、四輪バギーを使ったツアーなども用意されている。四輪バギーは原野でも相当なスピードで走れるので、スリルを求めるアドベンチャー・タイプのアクティビティを求めている人に人気がある。ただ、ここの良さをじっくりと味わうのなら、やはりのんびりと馬でゆるやかなカーブを描く丘陵地帯をたどってみたい。
パーカー牧場では、10月から4月にかけての週末、ロデオが開催される。荒々しく飛び跳ねる牛を乗りこなしたり、馬で子牛を追いかけ、ロープをかけて捕まえたり、馬の競走がと、パニオロたちが華々しく腕をふるうイベントだ。ロデオがある日なら、彼らの伝統的な音楽を聴くこともできるそうだ。
なお、パーカー・ランチ関係のツアーの出発点になる、ワイメアのパーカー・ランチ・センターには、パニオロをテーマにしたグッズが豊富に集められたギフトショップ、パーカー・ランチ・ストアもある。パーカー・ランチのオリジナル・ステーキソースやビーフジャーキーなどの食品類は、おみやげにおすすめだ。
◆華麗なるパーカー一族の歴史
パーカー牧場での乗馬ツアーの最大の魅力は、本物のパニオロとの出会いや、カラフルなエピソードに満ちたパーカー一族の歴史などに触れることだろう。
ハワイに牛を持ち込んだのは、18世紀末に現在のカナダやアメリカ本土の西海岸を探検したことで有名な、イギリスのキャプテン・バンクーバーだと言われている。バンクーバーがカメハメハ大王に献上した牛はたったの5頭だったが、20年もしないうちにたちまち数が増え、野生化して野山をかけめぐるようになったそうだ。そこでメキシコからスペイン人の牧童たちが招かれて、この野生の牛を管理させることにした。“パニオロ”というのは、ハワイ語でスペイン人という意味だ。
パーカー牧場の創始者であるジョン・パーカーは、カメハメハ大王から牛を銃で「狩る」ことを許された最初の人だそうだ。ジョンは塩漬けの牛肉の輸出に力を尽くし、富を蓄えていった。それからのパーカー一族の歴史は大河ドラマを見るようだ。中でもユニークなのが、ジョンの玄孫にあたるリチャード・スマート。若いころはブロードウエイの舞台にも立ったことがあるというスマート氏が住んでいた家は、パーカー牧場の歴史博物館として公開されている。外観はシンプルな平屋だが、内部はリチャードが住んでいた時代がそのまま再現されており、ドガやコローなどの作品が壁にさりげなく掛けられてあるなど、パーカー一族のパワーを感じさせてくれる。馬に乗る前に、バンで牧場をめぐり、この博物館を訪れておくと、牧場主とパニオロの生活の様子などが想像できて面白いだろう。
―パーカー・ランチで牧場体験ツアー―
ハワイ島の北部、深い緑に覆われたコハラ山脈と標高4205メートルのマウナケア山との間にどこまでも続く広大な草原には、5万頭以上の牛が飼育されている。このパーカー・ランチは、アメリカで最も広大という15万エーカーもの敷地を持つ牧場の一つ。しかも160年以上の長い歴史を持っている。ここでは雄大な山々を眺めながら、のんびりと馬の背に揺られ、パニオロ気分を体験できる牧場体験ツアーが催行されている。日ごろのストレスが雄大な景色の中にスッと溶けて消えていくようなアクティブな癒し効果に加え、ハワイの歴史も触れられる、意外な側面も期待できそうだ。(現地取材:宮田麻未、写真:神尾明朗)
▽パーカー・ランチ http://www.parkerranch.com
◆馬で巡ってこその牧場体験
パーカー牧場での体験ツアーの魅力は、なんといってもその環境の素晴らしさ。馬は良く訓練されており、全く乗馬の経験がなくても不安はない。日本語のガイドをアレンジすることも可能だ。パニオロたちが牛を追うおおらかな姿を見ることができるのも嬉しい。
パーカー・ランチでは乗馬のほかにも、厚みたっぷりの牛肉を野外バーベキューで味わったり、四輪バギーを使ったツアーなども用意されている。四輪バギーは原野でも相当なスピードで走れるので、スリルを求めるアドベンチャー・タイプのアクティビティを求めている人に人気がある。ただ、ここの良さをじっくりと味わうのなら、やはりのんびりと馬でゆるやかなカーブを描く丘陵地帯をたどってみたい。
パーカー牧場では、10月から4月にかけての週末、ロデオが開催される。荒々しく飛び跳ねる牛を乗りこなしたり、馬で子牛を追いかけ、ロープをかけて捕まえたり、馬の競走がと、パニオロたちが華々しく腕をふるうイベントだ。ロデオがある日なら、彼らの伝統的な音楽を聴くこともできるそうだ。
なお、パーカー・ランチ関係のツアーの出発点になる、ワイメアのパーカー・ランチ・センターには、パニオロをテーマにしたグッズが豊富に集められたギフトショップ、パーカー・ランチ・ストアもある。パーカー・ランチのオリジナル・ステーキソースやビーフジャーキーなどの食品類は、おみやげにおすすめだ。
◆華麗なるパーカー一族の歴史
パーカー牧場での乗馬ツアーの最大の魅力は、本物のパニオロとの出会いや、カラフルなエピソードに満ちたパーカー一族の歴史などに触れることだろう。
ハワイに牛を持ち込んだのは、18世紀末に現在のカナダやアメリカ本土の西海岸を探検したことで有名な、イギリスのキャプテン・バンクーバーだと言われている。バンクーバーがカメハメハ大王に献上した牛はたったの5頭だったが、20年もしないうちにたちまち数が増え、野生化して野山をかけめぐるようになったそうだ。そこでメキシコからスペイン人の牧童たちが招かれて、この野生の牛を管理させることにした。“パニオロ”というのは、ハワイ語でスペイン人という意味だ。
パーカー牧場の創始者であるジョン・パーカーは、カメハメハ大王から牛を銃で「狩る」ことを許された最初の人だそうだ。ジョンは塩漬けの牛肉の輸出に力を尽くし、富を蓄えていった。それからのパーカー一族の歴史は大河ドラマを見るようだ。中でもユニークなのが、ジョンの玄孫にあたるリチャード・スマート。若いころはブロードウエイの舞台にも立ったことがあるというスマート氏が住んでいた家は、パーカー牧場の歴史博物館として公開されている。外観はシンプルな平屋だが、内部はリチャードが住んでいた時代がそのまま再現されており、ドガやコローなどの作品が壁にさりげなく掛けられてあるなど、パーカー一族のパワーを感じさせてくれる。馬に乗る前に、バンで牧場をめぐり、この博物館を訪れておくと、牧場主とパニオロの生活の様子などが想像できて面白いだろう。