ハワイ州観光局、課題は供給と満足度−08年は1人1日300米ドル目標に

  • 2007年12月4日
 ハワイ州観光局(HTJ)は今後の課題と方針として、(1)日本人渡航者の満足度、(2)ショルダーシーズン、(3)MICE市場のテコ入れ、(4)地方からの渡航プロモーション、(5)ハワイでの過ごし方の提案、との認識を示した。これは先ごろ、日本・ハワイツーリズム協議会に向けて、日本旅行業協会(JATA)にHTJの活動方針として説明したもの。このうち、(2)と(4)は、日本発の供給座席数減少への対策。ハワイ線では10月のユナイテッド航空(UA)の関西線に続き、来年4月にはコンチネンタル航空(CO)の中部線が運休するが、現在でも1月と2月、4月から6月、10月に、11万人を下回るショルダーシーズンがあることから、渡航費が安く席の余裕のあるこの時期に送客に向けたプロモーションを検討する予定だ。

 また、(3)はホノルル線が就航していた札幌や福岡などを中心にセミナーやイベントを展開。また、大韓航空(KE)と仁川/ホノルル線を利用したコラボレーションも検討する。既にKEではこうした動きを始めており、日本14都市発のうち、千歳以外は同日乗継が可能なことから、半日観光のほか、仁川でのラウンジ滞在も検討するなど、KE側でも対策を強化。今年、KEのホノルル線を利用した日本人は1万人だが、来年は2万人を見込んでおり、HTJでも「純増でないとしてもプラスになる」(HTJディレクター・一倉氏)と期待する。


▽So Much More Hawaiiの日本語コピー決定
 
 前述の(1)は、DBEDT調査によるもの。ハワイ訪問者の約7割が満足しているのに対し、日本人は47.9%にとどまっており、「為替の関係で旅行金額が上昇し、支払った額に見合っていないと思う人がいる」と分析する。一方、HTJでは来年、コミュニケーションターゲット「So Much More Hawaii」の展開を決定しているが、このたび日本語コピーを「からだで、こころで、もっと感じるハワイ。」に策定。8つのカテゴリーでハワイの体験を紹介していく。

 特にレンタカーはハワイ旅行者の21.3%、オアフのみでは15.9%、ゴルフは約5%にとどまっており、「ポテンシャルがある」と見る。新しい過ごし方の提案で来年は「人数ではなく、滞在日数と消費金額を伸ばす」ことを名言。特に1日1人あたりの消費額は「実現すればエコノミックインパクトで10%増になる」とする300米ドルをめざす方針だ。

 なお、HTJでは08年1月下旬に各都市でセミナーを開催。また、日本語コピー策定に合わせてテンプレートを作成し、大手ホールセーラー4社の来年上期のパンフレットに見開きで掲載する予定だ。