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日本航空、今年度チャーター便800本、増収達成か−今後は企画型チャーターへ

  • 2007年11月9日
 日本航空(JL)の今年度のチャーター便運航は期初計画の800本を達成する見込みだ。JL国際旅客部チャーター便担当の望月浩嗣氏によると、4月から9月の上期は450本を実施しており、下期は日本発でベストシーズンを迎えるハワイ行きの運航を控え、2005年、2006年と年700本規模の実績から、さらに100本を積み増した800本の実現で、100億円の増収も達成できる見通し。

 上期の傾向は、特に九州発の欧州行きが好調で、欧州は定期便とは異なり、全般的に堅調に推移したという。また、今年で5年目を迎えるアラスカがリピーターを獲得するほど需要が定着。夏のパラオは、これまで冬期にダイビング目的の旅客を中心としていたが、ゆったりと過ごす層の取り込みに成功し、幅のひろがりが出ているという。

 下期はオーロラ鑑賞を目的としたフェアバンクスは昨年の10本から16本へと増強。冬の時期に定番となるハワイ、グアムをはじめ、海南島、バリ、パラオなど、暖かい方面への展開が主となる。さらに11月20日の関空発を皮切りに、年度内に15往復、30本を運航するシェムリアップもJLとして新たなチャーター便の就航地として加わる。

▽様々なアイデア、要望を実現する「企画型チャーター」へ

 このうち、オーロラ鑑賞のフェアバンクス行きは、ツアー商品もこれまで日中は市内観光や犬ぞりなどのアクティビティを中心としたものから、鉄道を旅程に加え、オーロラと鉄道の2本柱を打ち出すものが登場し、広がりを見せている。JLとしてもこうした商品への対応として、アンカレジとフェアバンクスのオープンジョーで対応するなどの工夫もしており、望月氏は「単に席を売るだけでなく、ツアー造成側と協力し、『企画型チャーター』を手がけたい」と語り、旅行会社には「目的が明確な旅行が増える中、多様なニーズを実現するため、今後も様々なアイデアを持ち込んで」という。

 さらに「シェムリアップはこれまでも運航を検討してきたが、滑走路の拡張もあり、中型機の就航も可能になった」とし、今年度については市場の手ごたえを確認したいという考え。来年度の計画は現時点では無いが、「今年度の運航本数でも約3000人を送客する規模。来年は旅行会社がホテルの客室仕入れの準備も視野に、早期に計画を立てて、取り組みたい」と意欲を示した。

▽地方の海外旅行の喚起に活用

 なお、ハワイについては、これまで札幌、仙台、福岡など、JLがかつての定期便就航地でチャーター便を積極的に展開していたが、これを他の地域にも拡大する考え。特に、日本航空と旧・日本エアシステムの統合により、利用できる空港が大きく広がり、旅行業界でも地方発の海外旅行需要の喚起に対する機運の高まりも追い風としたい考え。具体的には福島、花巻、山口宇部、高知など、一定の人口がある都市を中心に年1、2本をめどにホノルル便を展開したいという。