ゴールドコースト、世界遺産やエコツーリズムなど新機軸で素材に幅

  • 2007年9月5日
 ゴールドコースト観光局はビーチやアミューズメントなどに加え、世界遺産やエコツーリズムなどを前面に打ち出し、集客数の増加に繋げる考え。特に世界遺産は、オーストラリア政府観光局(TA)が世界遺産を中心にした日本でのプロモーションを展開することから、相乗効果を狙う。なお、ゴールドコースト観光局は10月にホームページをリニューアルし、新たなプロモーション戦略を打ち出した内容とする予定だ。

 ゴールドコーストの世界自然遺産「ゴンドワナ多雨林地域」は、東京都の1.5倍ほどの面積。市内から車で約40分の距離にあり、世界で最も広範囲の亜熱帯多雨林や広大な暖帯多雨林、冷帯多雨林などがモザイクのように入り混じり、オーストラリア大陸が南極大陸と陸続きであった頃の植生が残る地域には、国立公園や自然保護区が約50件ある。TAディレクタージャパンのゴードン・プライス氏は、「雄大な自然遺産のアクセスの良さが最大のメリット」と語る。その上で「従来のビーチとアミューズメントだけでは、ロングホールのデスティネーションとして競争力が低く、リピート率の低下にも繋がった」と問題点を指摘。今後はアミューズメントと自然体験をバランスよく組み合わせ、現在の訪問者数の約75%を占めるハネムーナーやファミリー層、約10%の団塊・シニア層にも訴求しやすく、リピーターの増加も見込める方向として『ソフトアドベンチャー』を提案していく。

 またゴールドコースト観光局は、クイーンズランド州環境省の主導のもと、積極的にエコツーリズムを推進している。州内にトレッキング・コースとして6コースの「グレートウォーク」が計画されており、このうちの1コースがゴールドコーストにある。現在の計画では、3泊から5泊の本格的なツアーとなるコースで、SIT対象の商品を取り扱う旅行会社などに商品造成を働きかけていく。また、オーストラリア・エコツーリズム協会が認定する日本人エコガイドがおり、言葉の障壁はなく、グレートウォーク以外に初心者向けのコースもあり、様々なエコツアーの企画、造成を促していく。