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現地レポート:カナダ・その2  ケベック・シティ編

  • 2007年7月5日
フランス植民地時代の面影を残す旧市街・古都ケベック・シティ
〜誕生から400周年を迎え、賑わうイベント多数〜


1608年にフランス人の探検家シャンプランが建設した毛皮交易所と小さな集落が、北米の広大なフランス植民地「ヌーベル・フランス」の開拓拠点となった、ケベック・シティの始まりだ。その後、ケベック・シティは北米におけるフランス文化圏の中心地として独自の歴史を歩み、その歴史が残されている旧市街は、エリア全体が世界遺産としても登録され、今ではカナダの人気観光デスティネーションとなっている。ノスタルジックな情緒にあふれ、古きよきヨーロッパにタイムスリップをしたかのような感覚で散策ができるのがこの街の魅力だが、来年は誕生400年を迎え、賑やかなイベントが開催予定。いつもと雰囲気の異なるツアー作りが可能になるだろう。



400周年を記念して様々なイベントを開催

 来年、ケベック・シティはシャンプランが街の基礎を築いてから400年目を迎える。これを祝って、市では400周年記念委員会を組織。「出会いとめぐり合い」をメインテーマに様々な記念プロジェクトやイベントを計画中だ。

 まず2007年の12月31日のオープニング・イベントを開催。そしてシャンプランがケベック・シティに上陸したとされる2008年6月3日を街の誕生日とし、4日間に渡って記念セレモニーやフェスティバルなどが行われる。これを中心に、10月19日のクロージング・パーティまで、様々なオフィシャルイベントが開催される予定だ。またウィンター・カーニバルやスノーボード・ワールドカップなど恒例のイベントともコラボレーションし、あらゆる機会を通じてして、400周年の祝賀ムードが盛り上げられる。


旧港にメインサイトの「エスパス400e」を建築

 記念イベントの中心地となるのは、ケベック・シティのオールド・ポート地区に新たに誕生する「エスパス400e」という大きな会場。板張りの遊歩道、庭園、屋外イベント会場、そしてテーマパビリオンで構成され、パビリオン内では、空港のトランジットをイメージした動線で、街の歴史をたどるアトラクションが展開される。

 来年の6月から9月までが、ここが400周年記念イベントのオフィシャル・サイトとなり、連日屋内・外の様々な催しが行われる。イベント終了後、パビリオンはパークス・カナダのインタープリテーション・センターとなる予定だ。また、6月20日から7月29日の間、このエスパス400eと港を挟むようにして向き合う工場の建物が、幅600メートルに渡る巨大スクリーン「イメージ・ミル」に変身する。期間中の夜には、ここでユニークな映像ショーも上演される。


セント・ローレンス川再開発や遺跡発掘も進行中

 さらに、この400周年に合わせ、ケベック・シティではいくつかの再開発プロジェクトも進行している。中でもケベック州政府が7000万ドルの予算を投じて行う、セント・ローレンス川沿いの「プロムナード・サミュエル・ド・シャンプラン」整備計画は大掛かりなものだ。これはカナダ政府による、ケベック・シティ一帯のセント・ローレンス川再開発とジョイントしているもので、まず2008年にはダウンタウンとケベック橋の間の、およそ5キロの部分が公園として整備される。川沿いの遊歩道をはじめ、テニスコートなどのスポーツ施設、庭園などが登場する予定だ。

 このほか、街のシンボルでもある古城風ホテル「シャトー・フロントナック」の前では、フランス統治時代最初に築かれた城壁や、フランス総督の住居であったシャトーの遺跡発掘が急ピッチで行われている。さらに街の北に流れるシャルル川流域の再開発も計画中だ。歴史的情緒を留めながら街全体が美しく変貌していくケベック・シティ。400周年を機に今後ますます魅力あふれるデスティネーションとなっていきそうだ。

(取材/吉沢博子、協力/カナダ観光局、エア・カナダ、デルタホテル)

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