ロハスの将来(><)

  • 2006年1月26日
 ロハスな生活、ロハスなカフェ、ロハスセミナー・・・などなど、本当に最近ロハスって言葉をよく耳にしますよね!情報誌などでも「ロハス的な生活がイイ女への近道」などといった特集まで組まれ、食品や住まい、それから旅の提案までされているのを多く見かけ、まさしくロハス・ブームの真っ最中といったところですね。

 多くの人が「健康」や「環境」に敏感になっている現在、「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」という意味を持つロハス(LOHAS=Lifestyles of Health and Sustainability)という言葉やその概念がブームになるのも納得。と、単純にそう思っていたのですが、しかし、このロハスって言葉、社会のニーズに合っていたという理由のみで自然にブームと発展したのではなかったのですね。数年前からしっかりとブームさせる為のマーケティングが水面下で行われていたのです。

 昨年末に日経新聞で記事になっていたので、ご存知の方も多いと思いますが、「ロハス」「LOHAS」という言葉を雑誌「ソトコト」を出版しているグループ会社と三井物産とで商標権を管理し、ビジネス展開をするとのこと。98年に初めてロハスという言葉が日本に出現し、その1年後、まだ誰もロハスなんて知らないころに、ロハスをテーマにした雑誌「ソトコト」が発刊され、商標登録。その後「ソトコト」が「ロハスクラブ」を作るなどしてムーブメントに仕立てる。なるほど・・・ちゃんとブームにさせるための仕組みづくりがなされていたのですね。

 となると、ロハスが特定企業の商標だって判明してしまいましたし、今後「ロハス」「LOHAS」という言葉はあまり使用されなくなってしまうでしょうね。概念だけでも別の言葉でうまく表現して、残りつづけてくれればよいですが・・・。「ロハス」という言葉自体を誰も知らない頃に着目し、育てる仕組みづくりをしたことについては、マーケティング的先見の明!と、感心してしまいます。でもその一方で、ロハスの元々の概念はこれからの日本社会には必要なものであると思っていた私の心境はちょっと複雑です。

トラベルビジョン 高橋 絵美