観光活性化フォーラム
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企画担当者は「思い入れ」伝える必要あり−旅行動向シンポジウムから

  • 2006年12月25日
 財団日本交通公社(JTBF)が22日に開催した旅行動向シンポジウム「新たな市場を切り拓く女性の感性」において、伊藤忠ファッションシステムの川島蓉子氏、マーケティングライター・インフィニティ代表取締役の牛窪恵氏は、今後のレジャー旅行には企画者の「志」、「思い入れ」を的確に消費者へ伝えることと語った。二人とも「消費者は企画者の志を見ている」として、旅行企画で現地での実感をどのように伝えるかがポイントという。

 川島氏は旅行カウンターで、「家族四人で数十万円の商品を購入するにもかかわらず、対応が事務的」と表現、他の業種の店舗で同額を支払えば「それなりの出迎え、見送りをしてもらえる」と消費者として満足できない点を指摘。「こうした点を改善するとそれなりの見返りがある」として、店舗での消費者が楽しむ空間、シーン、気分を作り出すことが重要だという。

 旅行商品の企画は、女性の心理を理解した「男女混成チームで企画」することを薦める。さらに、デパート伊勢丹のバイヤーが店舗の販売員を尊重し、バイヤーの持つ知識を全て伝えることを例に、旅行商品の企画担当者が旅行先の現場を知らない店舗の販売員に伝えていくことが必要とも強調した。

 牛窪氏は30代女性を中心に母娘旅行などが注目されているが、「親孝行をしたいと思う娘は多い」と語り、「父娘で1回くらいは旅行に行きたい」と女性の想いを代弁。こうした需要は「きっかけを作ってあげ、仕事などで低くなる『親孝行』のプライオリティを『今行く』に上げる必要がある」と、新たな市場の可能性にも言及した。