関空、過去最高の便数就航も日系の便数は減少、村山社長は憂慮を表明

  • 2006年9月11日
 関西国際空港会社の村山敦社長はこの夏のスケジュールで過去最高となる711便となったことについて好感、冬スケジュールについても日中航空交渉が妥結したことから、運航便数には明るい見通しを示した。

 ただし、夏スケジュールが過去最高となったものの「内情は別」として、「日系航空会社は開港当初と2年目を除き、過去最低だ」と現況に不満を表した。この発言は夏のスケジュールにおいて、日系航空会社の旅客便は週185便で開港3年目の191便を下回り、2001年以降のテロ後の厳しい状況も下回る運航体制が原因。日系航空会社以外に、長距離路線の不足、米系航空会社などの米大陸路線の不足が課題だ。また、米系航空会社はこのところ、就航しても1年程度で運休を発表する状況についても、村山氏は憂慮している。

 関空としては既に、着陸料の割引、増便割引などの施策を講じているが、原油高を補うだけの航空会社への援助を出来る状況ではない。こうした現状も、長距離路線や欧米路線の便数が少ないことに拍車をかけている。ただ、村山社長は「『ビジネス需要がなければ飛ばせない』という論理はおかしい」と語り、「世界の大半の航空路線は観光客を主体とする路線が多い。ロサンゼルス、サイパンなど90%の搭乗率であるのに、『もうからない』のは営業を考える必要がある」と苦言を呈した。