南アフリカ観光局、日本での先入観の払拭を狙い大規模FAMを実施、2010年には5万人台を目標

  • 2006年6月21日
 南アフリカ観光局は6月初旬、全国の旅行会社を中心とする50名を南アフリカ各地に招待した研修旅行を実施した。この大規模な研修旅行は、「旅程の変化がとぼしい」、「目玉アトラクションが少ない」、「移動が面倒」など、デスティネーションとしての南アフリカに対する先入観の払拭を狙ったもの。南アフリカの旅行を体験した旅行業の関係者を増やすことで、商品造成に新たな流れを生み出す原動力となる人材育成が企画の発端だ。

 南アフリカへの全世界からの訪問者は2005年で737万人ほど。うち日本人訪問客数は2万7284人とシェアは低い。しかし、対前年比は全世界の訪問者は10.3%増であるが、日本人は18.2%増と伸びは良い。南アフリカ観光局や現地関係者の間では、今後の日本マーケットに対する期待感は強く、今回のファム開催もその姿勢の現れだ。

 南アフリカ観光局CEOのモケッツィー・モソーラ氏は、「3年前に日本人を対象とした意識調査の結果、南アフリカ観光に関する日本の皆様のニーズを把握することができた」と語るが、日本人が南アフリカへの観光に本格的な動きとつながるには、「まだまだ先は長い」と現状を分析している。ただし、南アフリカ政府は、日本と南アフリカは経済的な交流でも両国の親密さの面でも重要視しており、今後の期待は大きい。モソーラ氏は、9月に日本旅行業協会(JATA)と南アフリカ観光局で本格的なミーティングを予定していることも言及し、引き続き日本の旅行業界への協力体制を強化する考え。

 南アフリカ観光局では、2006年の日本人訪問者数を3万人台に乗るものと予想、サッカーワールドカップが開催される2010年には5万人台を目標としている。今回の大規模ファムの参加者には今後、直接消費者に語ってもらうと共に、ワークショップなどに積極的な参加をうながす。

 南アフリカ観光局日本・韓国地区代表のンディピュエ・ンチュリ氏は「南アフリカは『見る』だけではなく、『体験する』デスティネーション。今後は体験型ツアーの企画に旅行業界と協力して取り組みたい」と強調。雑誌等の露出、各地で開催されるミュージック・フェスティバルをはじめとするイベント参加で、南アフリカそのものに関心を持ってもらう取り組みも積極化する。