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AA、成田/サンノゼ線を下期スケジュールから撤退、燃油費高騰を理由に

  • 2006年5月29日
 アメリカン航空(AA)は10月28日の運航で、1991年から就航する成田/サンノゼ線から撤退する。AAでは全路線の採算の見直しを進めており、このほど同路線の運航中止を決定したもの。AAの日本路線では昨年10月、名古屋/シカゴ線を運休している。

 AAの4月の運航実績によると、太平洋路線のロードファクターは前年比6.8%ポイント減の67.3%、供給座席マイル(ASM)は25.8%増、旅客収入マイル(RPM)は13.7%増となっており、方向としては供給量を増やす傾向にあるものの、採算については非常にシビアな見方をしている模様だ。名古屋/シカゴ線の運休でも理由としたが、特に、燃油費の高騰については、2005年はAA全体で前年比42%増、17億ドル(約1900億円)の負担増加となっており、こうした環境も厳しい対処の背景にある。

 アメリカについては現在、訪問者の増加に向けたアメリカ連邦政府のプロモーション展開について発表され、日本アウトバウンドの需要増に向けて弾みがついたばかり。これに水を差す形となったが、成田/サンノゼ線についてはビジネス旅客が多く、プロモーションへの影響は限定的と見られる。
 また、AAは権益維持の観点から、成田路線についてはサンノゼ線撤退後も何らかの路線を維持することも考えられ、今後、旅客便だけでなく、貨物便での就航も含めて注視されるところだ。