2005年の出国・入国者の確定値、訪日は全般的に良く、出国は成田の市場シェア低下

  • 2006年4月11日
 国際観光振興機構(JNTO)はこのほど、出国日本人数、および訪日外客数の2005年確定値を取りまとめた。これによると、訪日外客数は前年比9.6%増の672万7926人で、年度計で過去最高。「観光客」は13.8%増の436万8573人、「商用客」は6.8%増の147万7162人となり、観光での伸びが全体の押し上げにも大きく寄与した。特に、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の展開をはじめ、訪日査証の緩和措置を韓国、台湾などを対象に実施したほか、愛知万博の開催、円安傾向がプラスに作用した、とJNTOでは分析している。
 地域別では韓国は10.0%増の174万7171人と最も多い人数を7年連続で記録。台湾は18.0%増の127万4612人、中国は6.0%増の65万2820人、香港は0.5%減の29万8810人、オーストラリアは6.1%増の20万6179人。また、東南アジア諸国ではフィリピンが9.7%減の13万9572人と減少したが、タイは14.7%増の12万238人、シンガポールが4.6%増の9万4161人、マレーシアが7.9%増の7万8173人、インドネシアが6.7%増の5万8974人と増加基調にある。


 また、出国日本人数は前年比3.4%増の1740万3565人と、2000年に記録した1781万8590人に次いで2番目に多い人数となった。このうち、空港・地域別の市場シェアでは、出国者数の増加に伴い成田空港のシェアが昨年の60%台から55%台に低下。羽田空港発着の日韓チャーター便の8便への増便も大きく寄与し、利用者の増加、シェアが2%台と羽田空港の利用者が伸びている。中部(名古屋)も開港の影響などで日本人の利用は伸びており、シェアの伸びは少ないものの、着実に上がる傾向を示している。
 一方、九州・沖縄地域は旅客、市場シェアも低下した。特に定期便の減便が大きな理由と考えられるが、もたらしたインパクトは少なくないようだ。また、東北・北陸地域も旅客、市場シェアともに減少している。こちらは、新潟空港で旅客数が増加したものの、仙台空港、秋田空港、青森空港の東北各地の国際線利用者がわずかながら前年を下回ることが主な要因だ。

▽空港別出国日本人数
https://www.travelvision.jp/html/data_files/month_port_japanese2005.xls