カナダ観光局会長、航空会社との協力拡大が鍵、80万人は達成できる

  • 2006年1月24日
 カナダ観光局(CTC)会長のシャルル・ラポワント氏、社長兼最高経営責任者のミッシェル・マッケンジー氏をはじめとするカナダ観光業界の首脳が来日し、1月25日に開催する第10回日加観光会議の議題、現在の日本の動向と今後の見通しを説明した。シャルル氏は、2010年までに日本からカナダへの訪問者数を80万人、カナダから日本への訪問者数を20万人にする目標に関して、「大変困難な数字だが、実現可能」と語り、目標達成に向けたアクションプランを紹介した。このうち、日本アウトバウンドについては、2005年は前年比2.5%増の42万人から43万人と前年増を見込んでおり、「安定ある成長を続けることが大切」という考えから、2006年は50万人を目指す。シャルル氏は、「80万人の実現は、航空会社とのパートナーシップにかかっている」と断言し、「これまで協力してマーケット開拓をしてきたエア・カナダ(AC)をはじめ、ノースウエスト航空(NW)や日本航空(JL)などとの協力が不可欠」と述べ、航空会社との関係強化することで日加観光会議の長年の問題点である航空座席不足の問題解決に取り組む。

 さらに、シャルル氏は、日本の動向に関して「2005年1月から11月のカナダへの日本人訪問者数は前年比2.1%増。ポジティブな成長と捉えている」とコメント。ただし、2005年1月から4月までの好調な伸びに対し、夏から秋にかけて人数が落ち込んだ状況について「原因は複合的なもの」と語り、1)カナダドルの高騰、2)燃油サーチャージなど様々な理由による海外旅行の低調な需要、3)供給座席数の不足を挙げた。中でも特に、チャーター便の減便を強調。日加会議で提案し、チャーター増を実現することで需要拡大を目指す。

 また、CTCは、前回の観光会議で設置したワーキンググループからの意見を集約。この結果、改善のための提案として、1)カナディアン・ロッキーやメープル街道、赤毛のアンの島として有名なプリンス・エドワード・アイランドなど人気デスティネーションの旅行商品の体験を盛り込んだパッケージ商品化、2)姉妹都市の増加を進めるなどの2国間の関係強化を目指した文化交流促進、3)国内の航空インフラ整備などを紹介する予定。本会議でこれらの提案に対する日本の協力を求める。

 CTCは現在、年間700万加ドルの予算を日本マーケットに投資している。シャルル氏は、「カナダ政府やCTCパートナーに働き掛けて投資額を増額したい」意向を表明。決定次第、今年から日本でも本格的に開始したCTCグローバル・プロモーション「ブランド・カナダ」キャンペーンなどのプロモーション費を拡大し、2010年の目標達成に向け、万全の体制で相互訪問者の増加に取り組む。