関空、今年はエアポートプロモ積極化で来年以降の大幅増に向け種まき

  • 2006年1月16日
 関西国際空港は今年のエアポートプロモーションを30件超と前年の20件超から10件ほど増加し、2本目の滑走路の供用開始前に需要拡大に向けた対策を打つ。エアポートプロモーションはこれまでも、関空と地元自治体、関西経済界が共同で実施、これを積極化するもの。関空副社長の平野忠邦氏は、「遠距離を中心に航空会社の路線採算は良くない。今年は厳しい側面がある」と認識を示すが、トルコ航空(TK)の復便が決定しているほか、台湾路線が大幅に拡充、さらに年末の日韓航空交渉で増便と機材の大型化が決まっており、増加に向けた環境は悪くない。このことから、「今年は横ばい、来年以降の大幅増となる種まきをする」考え。

 さらに需要増の施策として、関西経済連合会に加盟する520社で「関空利用宣言」を採択しているが、昨年10月末から年末にかけて実施した調査によると、「関空の利用率は60%に留まっている」(平野氏)という。残りの40%は、関空には就航していない北米、特にニューヨーク線などを利用するビジネス需要があるほか、企業のトップクラスは機材にファーストクラスがある成田へ流れている。こうした需要取りこぼしを踏まえ、利用宣言を採択する520社を1000社にまで増やすトップダウンによる需要増加に加え、出張を取扱う担当者レベルにアプローチして利用を促す現場へのアプローチも進めるという。


▽国内の路線網拡充にも注力

 国内線についてもこのところは前年比で旅客、発着回数とも増加。伊丹空港からシフトした便についても搭乗率は「悪くない」(平野氏)としているが、2007年の13万回という発着数にまで伸ばすことを目的に、積極的に路線就航を促す。現在、就航を促す都市としては、高知、広島、鳥取、北九州の4都市。特に、広島や鳥取などは「国際線を利用する際には新幹線、高速道路など不便な面も多い」ことから重視。こうした方向は関空の国内ネットワーク形成の意味から重視しており、国内航空会社を交え、「経済界と勉強を進める」(平野氏)としており、小型機の就航にも至らない場合はネットワークを形成するために「新会社の設立もありうる」としている。