文化庁、わたしの旅100選の応募総数786件、優秀プランは商品化

  • 2005年11月14日
 文化庁はこのほど、「わたしの旅100選」として105プランを選定した。これは、今年6月から8月末まで、旅を通じて日本の歴史と文化をたずねることをテーマに、「わたしの旅〜日本の歴史と文化をたずねて〜2005」を実施、国民から旅のプランを募集し、全786プランの応募があったもの。先月末、文化庁長官の河合隼雄氏を委員長とする選考委員会を開催し、「わたしの旅100選」として105プランを選定、うち大賞1プラン、特別賞9プランを選んだもの。この企画は今年4月に、小泉純一郎総理大臣が日本人や来日した外国人が日本の歴史や文化の理解促進を目的に各地域の文化や歴史を知る旅のプランの公募を提案したことがきっかけ。
 「わたしの旅100選」に応募された旅のプランで組まれた都道府県別の順位は、1位が京都、2位が東京、奈良、長崎、5位が福岡、北海道。時代区分では、1位が江戸、2位が明治、3位が平安時代となった。また、旅の対象者は1位が夫婦・家族の21%、2位は仲間・友人の15%、3位が一人の11%。旅の日数は1位が2泊3日で42%、2位が1泊2日で24%、3位が日帰りで12%であった。

 大賞を受賞したプランは、菅野淳一さんの「”JAPAN”を訪ねる旅」。「JAPAN」は漆器のことで、この生産地である日本各地を巡るプラン。旅程は琉球漆器の沖縄を発端に、京漆器の京都、越前漆器の福井、山中漆器の石川、輪島漆器の石川、日光漆器の栃木、旅の終着点は国宝や重要文化財が並ぶ東京国立博物館など見学できる東京で、10泊11日の行程だ。受賞した菅野さんは渡英した際、土産に漆器スプーンを渡したところ、高い評価を得た記憶から、生産地を見るだけでなく、漆器を実際に使うこと、歴史を知ること、専門家の技術などを聞くといった体験を盛り込んでいる。旅の対象者は特に、ヨーロッパで食器や生活品小物類の小売や流通に関連する事業者として設定しているが、選考では事業者だけでなく、一般の人も十分に学ぶことが出来ることが評価された。

 なお、国土交通省では今後、旅行会社による「わたしの旅100選」の商品化を働きかけるなど、積極的に取り組んでいく。