バリ島各所の警備状況、顧客の安全確保を最重要に対応、継続性も重要
日本旅行業協会(JATA)で実施したバリ島へのミッション団は、危機管理の対応のプロフェッショナルとしてコントロールリスクス・グループ(CRG)社を帯同し、各所を視察した。視察中、CRG社から現場に合わせた警備体制についてアドバイスする姿があり、安全性を高め、リスクを下げる目的からの具体的な対応に結びつくことが期待される。
今回のミッション団の視察箇所は15ヶ所。安全情報などでは外資系ホテルの危険性を指摘するものもある。しかし、視察時点での警備状況を踏まえると危険情報と実情の温度差があり、ひとくくりに「危険」と断定することは難しいと思われる。また、危険がゼロとは言い切れないものの、最終的には旅行者自身の自己責任の範疇である「決定」に至る参考情報として、しっかりとした現状を伝えたい。警備は継続性が重要とのCRG社の認識もあるが、下記に現状、およびCRG社専門家の意見を付記し、案内の参考として欲しい。(紹介内容は10月8日現在)
▽ニッコウホテル: 警備は正面玄関、従業員等出入り口、ビーチ。全53名体
制の交代制。さらに現地のツーリストポリス3名を1日以降の追加策として実施。
敷地は塀で囲いをしているが、両脇の村と協力し監視状態を維持。カメラも6
台設置し、24時間体制の監視。
・専門家意見:現状ではビーチからしか侵入できない。地域の協力は評価で
き、非常に良い状況にある。ロビーは人員増も良い。
▽リッツ・カールトン:入り口となるメーンゲートは一つしかなく、バッグま
でセキュリティ・チェック。ホテル予約・宿泊者、レストラン予約など記録の
ある訪問者のみ通過可能。メーンゲートの警備担当者は高い訓練を受けた者。
地理的にも周囲が崖や塀で覆われている。常時、リゾート内を警備スタッフが
巡回。カメラは54台を設置、今後増設も検討。
・専門家意見:非常に良い状況。地理的要因からも高い警備状態にある。
▽ジンバラン(事件現場):ビーチが現場。現況では侵入について、ビーチ、
道路などから可能。
・専門家意見:両脇にあるインターコンチネンタル・ホテル、フォーシーズ
ンズとの協力による改善の可能性はある。道路については検討の余地あり。
▽ジンバラン・クドガナン地区、エビイチ(レストラン):夜の営業。
・専門家意見:ビーチに面しており、両側の人の流れを把握する必要ある。
▽フォーシーズンズ・リゾート・ジンバラン:セキュリティスタッフ33名。自
警団「ペカラン」15名、警察15名体制。今後は警備スタッフを訓練の上で増強
する予定。2メートルほどの壁で覆われる。カメラ設置、警備犬が同行し、敷
地内を巡回警備。
・専門家意見:海側からのアクセスは地理的に難があり、ゲートのチェック
も良好。高い警備状態にある。
▽インターコンチネンタル・ホテル:セキュリティスタッフ10月前は90名を現
在152名体制で対応。随時、35名が対応にあたる。入り口ではセキュリティス
タッフに加え、フロントスタッフが待機し、お客様名簿と照合。従業員入り口
を含め車輌ナンバーをチェック。従業員通路にもカメラを設置し、不審者の監
視。警察の協力も依頼している。
・専門家意見:セキュリティスタッフのマネジメント、体制とも良好。高い
警備状態にある。
▽ホテル・サンティカ・ビーチ(クタ):入り口に警備員配置。ビーチは1名
の対応。
・専門家意見:ビーチに面する場所については3名配置とすることで、安全
性は向上。
▽ディスカバリー・ショッピング・モール(クタ):入り口で警備員が持ち物
を検査。
・専門家意見:警備員はいるものの、建物の構造でガラスを利用している点
が不安材料。
▽ババガンプ(クタ):現時点で入り口を1ヶ所に限定。6ヶ所あった入り口か
ら、人の流れを把握するため。また、持ち物のチェック。停電時に自家発電が
稼動するまでの間、非常用のライトを設置。ガラスにはフィルムを張る等の対
策を検討。オープンスペースについても、網を張ることで不審物の投げ入れに
も対応する検討。近く、避難訓練も実施する予定。
・専門家意見:現状、オープンスペースの懸念はあるが、人の流れを把握で
きる体制は評価高い。
▽ラマヤナ・ホテル(クタ):警備人員は30名体制。入り口でチェックするほ
か、建物に入る際も持ち物をチェック。10月15日にはクタの目抜き通り「カル
ティカプラザ通り」の入り口を閉鎖、「バクサリ通り」に面する入り口に絞る。
ロビーを建設中。また、カメラは警備上の理由からスタッフも場所を知らない
カメラを含め16台設置して監視。今後はカメラ2台をショッピングアーケード
に増設予定。
・専門家意見:出入口を一つとする施策は安全面で有効と対策を評価。クタ
地域で設置するカメラにも期待。
▽パダマ・ホテル:現在49名のスタッフ、常時12名体制で警備にあたる。入り
口では金属探知機で検査。敷地内の暗い場所には明かりをつけ、不審物へ対応。
ビーチと敷地には歩道があり、車輌の進入を遮断し、警備員が配置。自警団と
の協力もある。
・専門家意見:ビーチ面については警備員が互いに見える範囲に立ち良い。
外からの侵入に注視する必要ある。
▽ガド・ガド・レストラン(レギャン〜スミニャック):ビーチ横に位置し、
道路からは警備員が配置されチェック。自警団と連絡、2名の警官が対応。近
くのソフィテル・ホテルとも連絡体制を整える。
・専門家意見:ビーチ面についてはオープンエアもあり、対応が必要。
▽クデタ、レストラン(スミニャック):入り口で警備員が車輌検査。レスト
ランに入るにも警備員が持ち物を検査。ビーチとの入り口は遮断し、警備員が
常駐し監視。
・専門家意見:レストランとしては、人の流れを把握し、容易に侵入できな
い現状を評価。
▽DFSバリ・ギャラリア:24時間体制で外周警備。警察との協力で警備を強化。
金属探知機で荷物、ボディチェック。地下駐車場は現在、お客が立ち入ること
は出来ない。館内にはカメラ設置済みだが、今週から出口、外周にもカメラを
設置。
▽プラザ・バリ:入り口で警備。入り口は一つに絞り、警察が建物入り口で警
備にあたる。
▽デンパサール空港:空港への入り口で車輌番号をチェックする。セキュリテ
ィ・チェック以降は飛行機への搭乗者、空港内パス所持者でなければ立ち入り
禁止。受託荷物はチェックインカウンター後、職員も触れられないよう対策。
手荷物検査と共に、出国カードの収集時にパスポート顔写真と確認。日本航空
(JL)に付いては機内清掃等の人員の出入についても不審物の持ち込みについ
て検査。
今回のミッション団の視察箇所は15ヶ所。安全情報などでは外資系ホテルの危険性を指摘するものもある。しかし、視察時点での警備状況を踏まえると危険情報と実情の温度差があり、ひとくくりに「危険」と断定することは難しいと思われる。また、危険がゼロとは言い切れないものの、最終的には旅行者自身の自己責任の範疇である「決定」に至る参考情報として、しっかりとした現状を伝えたい。警備は継続性が重要とのCRG社の認識もあるが、下記に現状、およびCRG社専門家の意見を付記し、案内の参考として欲しい。(紹介内容は10月8日現在)
▽ニッコウホテル: 警備は正面玄関、従業員等出入り口、ビーチ。全53名体
制の交代制。さらに現地のツーリストポリス3名を1日以降の追加策として実施。
敷地は塀で囲いをしているが、両脇の村と協力し監視状態を維持。カメラも6
台設置し、24時間体制の監視。
・専門家意見:現状ではビーチからしか侵入できない。地域の協力は評価で
き、非常に良い状況にある。ロビーは人員増も良い。
▽リッツ・カールトン:入り口となるメーンゲートは一つしかなく、バッグま
でセキュリティ・チェック。ホテル予約・宿泊者、レストラン予約など記録の
ある訪問者のみ通過可能。メーンゲートの警備担当者は高い訓練を受けた者。
地理的にも周囲が崖や塀で覆われている。常時、リゾート内を警備スタッフが
巡回。カメラは54台を設置、今後増設も検討。
・専門家意見:非常に良い状況。地理的要因からも高い警備状態にある。
▽ジンバラン(事件現場):ビーチが現場。現況では侵入について、ビーチ、
道路などから可能。
・専門家意見:両脇にあるインターコンチネンタル・ホテル、フォーシーズ
ンズとの協力による改善の可能性はある。道路については検討の余地あり。
▽ジンバラン・クドガナン地区、エビイチ(レストラン):夜の営業。
・専門家意見:ビーチに面しており、両側の人の流れを把握する必要ある。
▽フォーシーズンズ・リゾート・ジンバラン:セキュリティスタッフ33名。自
警団「ペカラン」15名、警察15名体制。今後は警備スタッフを訓練の上で増強
する予定。2メートルほどの壁で覆われる。カメラ設置、警備犬が同行し、敷
地内を巡回警備。
・専門家意見:海側からのアクセスは地理的に難があり、ゲートのチェック
も良好。高い警備状態にある。
▽インターコンチネンタル・ホテル:セキュリティスタッフ10月前は90名を現
在152名体制で対応。随時、35名が対応にあたる。入り口ではセキュリティス
タッフに加え、フロントスタッフが待機し、お客様名簿と照合。従業員入り口
を含め車輌ナンバーをチェック。従業員通路にもカメラを設置し、不審者の監
視。警察の協力も依頼している。
・専門家意見:セキュリティスタッフのマネジメント、体制とも良好。高い
警備状態にある。
▽ホテル・サンティカ・ビーチ(クタ):入り口に警備員配置。ビーチは1名
の対応。
・専門家意見:ビーチに面する場所については3名配置とすることで、安全
性は向上。
▽ディスカバリー・ショッピング・モール(クタ):入り口で警備員が持ち物
を検査。
・専門家意見:警備員はいるものの、建物の構造でガラスを利用している点
が不安材料。
▽ババガンプ(クタ):現時点で入り口を1ヶ所に限定。6ヶ所あった入り口か
ら、人の流れを把握するため。また、持ち物のチェック。停電時に自家発電が
稼動するまでの間、非常用のライトを設置。ガラスにはフィルムを張る等の対
策を検討。オープンスペースについても、網を張ることで不審物の投げ入れに
も対応する検討。近く、避難訓練も実施する予定。
・専門家意見:現状、オープンスペースの懸念はあるが、人の流れを把握で
きる体制は評価高い。
▽ラマヤナ・ホテル(クタ):警備人員は30名体制。入り口でチェックするほ
か、建物に入る際も持ち物をチェック。10月15日にはクタの目抜き通り「カル
ティカプラザ通り」の入り口を閉鎖、「バクサリ通り」に面する入り口に絞る。
ロビーを建設中。また、カメラは警備上の理由からスタッフも場所を知らない
カメラを含め16台設置して監視。今後はカメラ2台をショッピングアーケード
に増設予定。
・専門家意見:出入口を一つとする施策は安全面で有効と対策を評価。クタ
地域で設置するカメラにも期待。
▽パダマ・ホテル:現在49名のスタッフ、常時12名体制で警備にあたる。入り
口では金属探知機で検査。敷地内の暗い場所には明かりをつけ、不審物へ対応。
ビーチと敷地には歩道があり、車輌の進入を遮断し、警備員が配置。自警団と
の協力もある。
・専門家意見:ビーチ面については警備員が互いに見える範囲に立ち良い。
外からの侵入に注視する必要ある。
▽ガド・ガド・レストラン(レギャン〜スミニャック):ビーチ横に位置し、
道路からは警備員が配置されチェック。自警団と連絡、2名の警官が対応。近
くのソフィテル・ホテルとも連絡体制を整える。
・専門家意見:ビーチ面についてはオープンエアもあり、対応が必要。
▽クデタ、レストラン(スミニャック):入り口で警備員が車輌検査。レスト
ランに入るにも警備員が持ち物を検査。ビーチとの入り口は遮断し、警備員が
常駐し監視。
・専門家意見:レストランとしては、人の流れを把握し、容易に侵入できな
い現状を評価。
▽DFSバリ・ギャラリア:24時間体制で外周警備。警察との協力で警備を強化。
金属探知機で荷物、ボディチェック。地下駐車場は現在、お客が立ち入ること
は出来ない。館内にはカメラ設置済みだが、今週から出口、外周にもカメラを
設置。
▽プラザ・バリ:入り口で警備。入り口は一つに絞り、警察が建物入り口で警
備にあたる。
▽デンパサール空港:空港への入り口で車輌番号をチェックする。セキュリテ
ィ・チェック以降は飛行機への搭乗者、空港内パス所持者でなければ立ち入り
禁止。受託荷物はチェックインカウンター後、職員も触れられないよう対策。
手荷物検査と共に、出国カードの収集時にパスポート顔写真と確認。日本航空
(JL)に付いては機内清掃等の人員の出入についても不審物の持ち込みについ
て検査。