観光活性化フォーラム
観光活性化フォーラム

航空会社のIT化、アジアで投資額は増大も、07年の完全ETに否定的見解も

  • 2005年9月6日
 国際航空情報通信機構(SITA)はこのほど、各航空会社のIT化への取り組みに関してレポートをまとめた。これによると、IT技術の速やかな導入は不可避の流れとして各社は捉えており、予約から機内へ搭乗する一連の流れを旅客自らが行う一方で、航空会社はオペレーションを単純化する2つの動きが一体となり進展しているとしている。アジア・太平洋地域は現在、世界で最もITへの投資が行われる地域としており、先行する北米航空各社との距離を縮め、国際競争力を高めるとまとめている。特に、IT関連の予算では収入に対する投資が平均でアジア・太平洋地域は2.0%と最も高く、ヨーロッパの1.9%、北米の1.4%を上回っている。背景として、アジアでの旅客数は二桁の伸びを記録している航空会社もあり、割合として変化が少なくとも、収入の増加によるIT化に向けた投資の絶対的な予算の増大が技術革新の進展を一段と加速するものと見られる。
 また、調査では2005年現在、全世界で発券するeチケットの割合は30%にのぼり、昨年の19%から着実に増加していることも調査で指摘。ただ、IATAが掲げる2007年までの完全eチケットは実現に向けて壁もある。例えば、ヨーロッパでは29%が依然として100%紙チケットを使用。全世界の航空会社の68%が2007年末における自社の航空券販売に占めるeチケットの割合は約半分ほどという回答となり、完全eチケット化は難しい側面もある。
 こうした中で、2007年末までバーコードを記載した搭乗券の導入は約60%になると見込んでいる。また、全ての航空会社に対応する共用のキオスクも2007年までに採用される方針だ。セルフ・チェックインの導入について、消費者は不便さよりもコストダウンの恩恵を強く感じると分析。旅客にとって航空券が割安になる、発券までの手続きを自分の都合で管理できるなどメリットは多いことも指摘している。
 なお、IATA Japanによると、7月中旬現在でBSP Japan加盟航空会社全75社のeチケット化率は29.6%、eチケット発券航空会社の28社の41.0%である。