旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

リッツ、若い世代がラグジャリーホテルを使い始め、デザイン戦略に反映

  • 2005年9月5日
 ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーの社長兼COOのサイモン・クーパー氏がこのほど来日、昨年に続き高級志向の需要に力強さが続いているとして、東京での開業を前に順調な推移に自信を示した。最近の高額、高品質のサービスを愉しむ層について、「1965年から1977年生まれの若い世代が徐々にラグジャリーホテルを使い始めている」として、女性同士、家族での旅行などが世界的に広まっているという。また、服装も「カジュアルの中にエレガンス」があり、仕事に忙しい反面、健康や安らぎに配慮する意識が高い。こうした変化についてはリッツのデザイン戦略としても(1)土地ならでは、(2)カジュアル・エレガンス、(3)ホテル独自の特徴を重視しているという。
 こうした特徴は最近オープンしたホテル、今後に開業を予定するホテルに随時取り入れられる。5月にはジャカルタ、バリでは新たなヴィラを38棟加えたほか、2006年にはグランド・ケイマン、同9月にザ・リッツ・カールトン・北京・ファイナンシャル・プレイス、同年にモスクワ、アイルランドにゴルフ&スパ・リゾート、2007年には広州に展開を予定。さらに07年には北京に2軒目、2008年には深セン、ドバイ、アメリカ・ノースカロライナ、トロントと目白押しだ。
 東京については2007年の4月に開業を予定。オフィスビル、住宅、商業施設などの街づくり「東京ミッドタウン・プロジェクト」として進められており、リッツ・カールトンが入居するビルは27階まで建設が進んでいる。リッツ・ブランドで展開するスパの導入も検討しているが、クーパー氏は特徴として「プロジェクトの一環である緑が重要」と語り、健康、安らぎについて配慮するホテルづくりを目指す。

▽ニューオーリンズの再開には時間が必要
 また、先ごろ、カトリーナの影響でクローズするザ・リッツ・カールトン・ニューオーリオンズについては「再開のめどが立っていない」という。ロビーなどが浸水し、改修中であるものの、改修が終了したとしても、「従業員の住居を含めて考えると相当な時間がかかる」とクーパー氏は語った。