「市場は成熟化状況、短距離海外旅行に好機」、JTBF海旅動向シンポ
財団法人日本交通公社(JTBF)は7月22日、第10回海外旅行動向シンポジウムを開催した。第1部では同財団観光マーケティング部主任研究員の黒須宏志氏が、04年の市場動向を海外旅行の経験値別に分析。現在の市場シェアは10回以上の旅行経験者(ほぼ毎年旅行を実施:H層)が61.4%(03年比39%増)、9回以下(約3年に1度旅行を実施:L層)が38.6%(9.8%増)で、「リーディングセグメントは50代女性と30代女性のH層。旅行市場はH層が支えているが、景気状態や季節波動に影響されるL層が動くと2000年のような伸びを示す。今年は景気回復が手伝ってL層も動いている」と報告した。
また、エリア別ではヨーロッパは国によって異なるものの、平均的に50代以上のH層とL層がリード。ただし、00年をピークに下がりつつある。一方で、東アジアや中国はH層のシェアが6割と逆転し、シフトしているという。そのため、今後は短距離デスティネーションに対し、(1)“安・近・短”だけでなく、商品のクオリティを高めること、(2)日本的な短距離海外旅行のスタイルを作り出すことでチャンスになると提案。特に(2)は「韓国や中国など国内旅行の延長のような感覚でいける新しい海外旅行の形を創造できれば、海外旅行不活性層の活性化も可能では」と述べた。
05年の海外旅行者数はGDPと旅行者数の相関関係を見ると1800万人を達成できるレベルにあるが、少なくとも1750万人程度には伸びるとの見通しを示す。懸念される中国の反日デモはH層に大きな影響となっているが、近場の他のデスティネーションに振り替える可能性が高いと見ている。
また、同日発表したJTBレポートおいて2004年度の海外旅行を総括。中国、韓国がそれぞれ333万人、244万人と海外旅行市場の牽引役となっているものの、2002年度を超える水準にまでは至っていない。また、90年代後半の20代女性から、このところは30代、40代の女性について2002年度を上回る傾向から海外旅行の主役が交代したことを断言。20代女性については雇用状況の変化など、しばらくは市場の動きとしては停滞する見通し。
旅行の申込についても店舗とインターネットの関係を比較。店舗35.8%に対し、インターネットでは26.9%と着実に差を縮小しており、未婚女性、有職者既婚女性、未婚男性の区分ではインターネット申込が第1位となっているほか、熟年層についても利用が23.7%にまで拡大、昨年から5.2ポイント増。品目では航空券が55.3%で最も多く、次いで海外ホテルが49.0%、日本発のパッケージツアーは26.8%となった。このネット利用については海外旅行の回数が多いほどネットでの申込が多く、インターネット利用は30.0%となり、店舗での申込の33.5%と差は狭まる。
また、エリア別ではヨーロッパは国によって異なるものの、平均的に50代以上のH層とL層がリード。ただし、00年をピークに下がりつつある。一方で、東アジアや中国はH層のシェアが6割と逆転し、シフトしているという。そのため、今後は短距離デスティネーションに対し、(1)“安・近・短”だけでなく、商品のクオリティを高めること、(2)日本的な短距離海外旅行のスタイルを作り出すことでチャンスになると提案。特に(2)は「韓国や中国など国内旅行の延長のような感覚でいける新しい海外旅行の形を創造できれば、海外旅行不活性層の活性化も可能では」と述べた。
05年の海外旅行者数はGDPと旅行者数の相関関係を見ると1800万人を達成できるレベルにあるが、少なくとも1750万人程度には伸びるとの見通しを示す。懸念される中国の反日デモはH層に大きな影響となっているが、近場の他のデスティネーションに振り替える可能性が高いと見ている。
また、同日発表したJTBレポートおいて2004年度の海外旅行を総括。中国、韓国がそれぞれ333万人、244万人と海外旅行市場の牽引役となっているものの、2002年度を超える水準にまでは至っていない。また、90年代後半の20代女性から、このところは30代、40代の女性について2002年度を上回る傾向から海外旅行の主役が交代したことを断言。20代女性については雇用状況の変化など、しばらくは市場の動きとしては停滞する見通し。
旅行の申込についても店舗とインターネットの関係を比較。店舗35.8%に対し、インターネットでは26.9%と着実に差を縮小しており、未婚女性、有職者既婚女性、未婚男性の区分ではインターネット申込が第1位となっているほか、熟年層についても利用が23.7%にまで拡大、昨年から5.2ポイント増。品目では航空券が55.3%で最も多く、次いで海外ホテルが49.0%、日本発のパッケージツアーは26.8%となった。このネット利用については海外旅行の回数が多いほどネットでの申込が多く、インターネット利用は30.0%となり、店舗での申込の33.5%と差は狭まる。