ジャルパック、05/07年中期ビジョンで「JAL」を鮮明に位置づけ

  • 2005年7月14日
 ジャルパックは2005年/2007年度の中期ビジョンを策定、この中で「JALブランド」を強調し、JALグループとしての位置づけを再確認した展開を図る。代表取締役社長の梶明彦氏は「連結決算が重視される時代の中で、連結経営も強める必要性がある。旅行商品で『JAL』を市場に打ち出す」と語る。ただし、日本航空の一連の事故に関する現況を踏まえつつも、旅行商品としては「安心・安全・高品質」を継承。ただし、これまでは第1ブランドの「I'll(アイル)」において、高品質の代名詞との認識であったが、第2ブランドの「AVA(アヴァ)」の構成比が重視される流通量となっていることから、「手ごろな価格のアヴァでも安心・安全・高品質を保つことが重要」として、経営陣としても認識を変化させている実情を述べた。  日本航空(JL)は観光路線についての運休を検討。特にサイパン線などは業界にも大きなインパクトを与えているが、こうした現状について梶氏は「観光路線については、旅行会社として運航して欲しいという希望はある。同時に航空会社としての決定を尊重し、旅行商品を造成していく」とし、既に他の航空会社を利用する商品を展開していることも踏まえ、柔軟な姿勢を見せた。  なお、2004/06年度の中期ビジョンについては初年度目標について梶氏は「ほぼ達成した」と語るが、「今後もコスト削減、見直しを一段と進める」考え。「不確実性の時代でいろいろと(逆風となる要因が)起こりうる」とし、「現段階でロンドンの影響は無いが、心理的な側面を懸念している」ものの、目標については収入減となる要素はあるものの、コスト減などで対応し、営業収益として今年度は3%増程度を目指す。  また、この中期計画の中で、予約システムの改善も重要な課題。現在はアクセスを利用したツアー予約だが、「カウンターの方が便利に利用できるシステムが必要」との認識を示す。現段階では、新たなシステムを開発する方向であるものの具体的な内容について、早ければこの下期、また来年上期ごろに目処、その後に開発へと移行する予定。稼動については早ければ2007年度となるが、「(新システムの開発・投資は)生き残りが掛かってくる」との認識で、今後の急務となる。