成田、一部反日デモ、中部開港の影響、着陸料は1日に決定へ

  • 2005年5月26日
 成田空港の4月の航空旅客数は4%増の246万6173人と4月の過去最高を記録したが、方面別では、韓国が9%増、中国が7%増、東南アジア4%増、グアム4%増、欧州3%増、太平洋2%増、オセアニア3%減となった。中国、韓国について3月までは10%増から20%増を推移していたことから、反日デモの影響を受けているようだ。また、成田国際空港(NAA)常務取締役の上子道雄氏は国内線が3%減となったことについて、仙台線で8%減、名古屋線で13%減と中部空港の開港による影響が及んでいるとの考えを示した。仙台についてはエバー航空(BR)の仙台/台北線の国際線が加わっているほか、仙台/名古屋線が一日5便の運航で、国際線旅客が分散、また名古屋線については実数でも下回り、事実上、旅客の出発地が移動したことを認めた。ただし、成田空港に及ぼす影響は旅客総数が少ないことから「ほとんど無い」としている。
 また、5月21日までの出発旅客の速報では前年比0.7%増で、ゴールデンウィークは好調であったが、その後は伸び悩んでいるようだ。

 なお、先ごろ発表した決算を受け、NAAが公約としていた着陸料の値下げに焦点が集まるが、6月1日の取締役会で国際航空運送協会(IATA)へ提案する額を決め、2日に提案するというスケジュール。実施時期についてはIATAとの協議が必要だが、NAAでは10月からの実施と考えている。また、着陸料以外の値下げについては、空港使用料などが大きな項目となるが、受益に対する料金であるという観点から、見直し額を着陸料の提案と同時に航空会社に関連する費用については提案をする見通しだ。